放浪回想記 1章 「御守りを探して」

いよいよバンコクへ出発の日
空港内の美人率の高さにびびる。

これまで大怪我や病気をしたことがないので特に保険は入ってないし、海外ATMを利用できるカード類は持ってないので現金25万円を財布に入れ大きなリュックでうろうろした。

搭乗20分前
空いてる座席でゴロゴロしていた
58番ゲートから出発なのになぜか48番ゲートで待ってた
焦る、そして走る。フツーに間に合う。

手元に持つ荷物を漁ってたらいつの間にか離陸
機内ではスチュワーデスの丁寧すぎる対応に驚く
ビール飲み放題!最高!
英語ペラペラ話すスチュワーデスさんカッコイイ
あと、なんだあの髪型
前はピシっと後ろはクルンっとやる髪型
お団子ヘア?最高!

6時間後にバンコクのスワンナプーム空港到着
時刻は夜の11時。
まずは市内までのバスに乗らなくては!
空港から市内までのエアポートバス150バーツ。

近くにいた空港警備員の方に聞いたら乗りたいバスはまだこないそう。
バスが来るまで話し相手になってくれた
名前はサンダンさん
「日本人か?行ったことないけど日本好きだぜ!」
素直に嬉しかった
日本の良いイメージを作り上げてくれた先人達に感謝

海外では穴の空いた硬貨は珍しいらしく、実は家中の五円玉をかき集めて持ってきていた
話のネタになれば面白いし、仲良くなった人に渡そうかと考えていた。

早速、サンダンさんに渡すと興味を持ってくれた。
サ「マネー?」
私「イエス!」
サ「いくらくらい?」
私「貴重なのでプライスレス。あげるよ」
サ「まじか!」
私「御守りみたいなマネーだよ」
サ「これみたいなものか。後でつけようかな」
私「何それ」
サ「プラー」
私「おお!プラー!(何だそれ)」
首にかけたゴツい金のネックレスを見せてくれた
5個くらいパックされた小さな仏像がついていた
何それカッコイイ、お土産に買うか

そんなこんなでバスがくる
ありがとうサンダンさん、そしてごめん
五円玉は2バーツの価値もないんだ。

バスは世界中からバックパッカーが集まるカオサン通りで止まった
まずは泊まるとこ探さなきゃ
疲れたので目についたゲストハウスへ
3人部屋しか空いてないよと言われる。

そんなこといって高い金とるんだろ~と思ってたが本当に3人部屋しか空いてなかった
もう日付が変わっていたのでここに決定
1泊500バーツのトリプルルーム
いきなり豪華な部屋に泊まってしまった。

バイクの音で目が覚める
起きてシャワーを浴びる
タイって暑いから水シャワーで十分だと思ってたけどしんどかった
温水って贅沢なんだなあ

チェックアウトしトゥクトゥクでフアランポーン駅へ
東京駅を想像した
この駅からタイ全土へ行けるのか
朝ご飯を食べながら行き先考えるか

駅2階のレストランで食事する
この旅初めての食事は45バーツのカオパット

タイ米って炒めるとすごくおいしい
何年か前に日本にタイ米が来たとき、マズイって言われたけどそれは日本人が調理法を知らなかっただけってテレビでみたけどそうなのかな。

行き先候補はアユタヤ、フアヒン、コラート…
ガイドブックをめくっていると気になるキーワードがあった
「ゾウで有名な町」

タイ東北部のスリン
毎年11月のゾウ祭りにはタイ全土からゾウと観光客が集まる
それ以外は静かな町

今はオフシーズンにあたる
でも気になる
ゾウのあのゆっくりした感じが好きだし
オフシーズンといってもそれなりの数はいるだろう

よし、スリンに行こう
長時間乗るので寝台車の席を購入
夕方に出発し、夜中に着くみたい
6時間後に出発なのでそれまで駅周辺を観光する

レストランでプラーをしている人がいたので教えてもらったのだが、近くにプラーで有名なミットラパンという通りがあるので行ってみることにした

徒歩15分と聞いていたが40分経ってもつかない
そういえば川を渡るって聞いたのに川なんてどこにもなかったな
人に道聞かず駅へ戻ろうとしたら「日本人ですか?」と声をかけられた
ゲストハウスを経営してる日本人の方だった

私「ここに行きたいんですけど~」
日「ああ、あっちだよ。今、どこ泊まってるの?」
私「もうチェックアウトして夕方の列車でスリン行くんですよ」
日「スリン?この時期何もないよ」
私「やっぱり何も無いんですか…」
日「うん、今祭りないからオフシーズンでしょ。」
私「列車のチケット買っちゃいました…」
日「まぁバンコク戻ってきたらうち来てよ」
私「はい、ありがとうございます」

全然逆の方へ歩いてたので助かった
道に迷ったら人に聞く。教えてもらう
大切なことだと学んだ。

道中、コンビニの前に体重計があってお母さんが子供乗せて測ってた。1回1バーツと書いてある
ちゃんと測れるのかな

歩いてチャイナタウンへ
ミットラパンまであと少し
途中、誰が買うの?という物ばっか売ってる露店発見
片方だけのサンダル
網のない扇風機
男性器を模した木のオブジェ

意外と飽きない
容赦ない日光
騒がしいクラクション
でこぼこすぎる歩道
いつの間にかミットラパン到着
露店のおばちゃんに値段を聞くと1個100バーツとのこと
このときは値切り交渉という概念がなかったので、仏像とゾウ(ガネーシャ)とトリ(ガルーダ)の3つをゲット
安いものもあるが、偉いお坊さんとかご利益のあるプラはそれなりの値段がするらしい。
そういえば駅の本屋にプラ専門雑誌があったな。

まだまだ時間をつぶす必要があり散策継続
タイにはスーパー、銀行、駅の出入り口に必ず警備員がいて通るときはカバンを開けてみせて通った

地下鉄っぽいところも見て屋台へ
食堂には中村俊輔選手の大きなポスターがあった
タイってサッカー好きが多いっぽい
昼間からビールを注文
ゾウだからという理由でビアチャーンにした
大瓶50バーツ
食事はバミー・ナーム
バミーはたまご麺でナームは水という意味らしい
1杯25バーツ

店のおばちゃんにさっき買ったプラを見せたら「私もしてるわよ」と見せてくれた
なるほど、おじさんばかりが身に付けるものだと勘違いしていたが性別は関係ないみたい
勉強になりました
プラの名前を教えてくれたけど聞き取れなかった


駅に戻りコンビニで列車のお供を探す
「どうぞ」というお菓子や「おいし」というお茶があった

出発の時間まで駅構内のベンチに座ってガイドブックを見ていたら国歌が流れた

タイでは夕方6時に流れるらしく周囲の人々が起立していた
欧米人は座っていたが、自分は起立してみた。
郷に入っては郷に従いたかった

いよいよ出発
自分は2等席の上段でした
寝る時間になると係りの人がベットを広げてくれた。

対面にはタイ人カップルがおり、彼女がおしゃべりで色々と話してしまった
彼氏は大人しい感じで、たまに頷いたりしてた
そろそろ寝ようと思ったがカップルが降りる駅が分からなかったので五円玉をそれぞれに渡した
彼女はありがと〜!と喜びまたおしゃべりになった。

車両とレールの音
その鈍い音が気持ちよく、時には不快で
ちょっと寝て起きてのくり返し
7時間後にスリン到着

停車時にはアナウンスは無かったり、あってもタイ語だし、スピーカー音割れしてるし、音割れしてなくても早口の一言二言なので周りの人に教えてもらいました。
 みんな親切でした、ありがとう。


深夜3時にスリン駅到着
虫の鳴き声が響くものの街灯は薄暗く不安になった

人力車で寝ていた数名が話しかけてくれたのが嬉しかった
水シャワーは懲りたのでホットを求め中級ホテルへ
オフシーズンなので部屋はガラ空きっぽかった
ホットシャワー、エアコン、テレビつきで1泊350バーツ

そういえばホテルのいたるたころにヤモリみたいなのがいる。

ホテルロビーの天井、廊下にわさわさしている
明日はスリン観光だからもう寝よう
ホットシャワーで汗を流し
全裸でベッドに倒れ込む
枕を動かしたらヤモリの死体があった

あまりにも濃い一日だった

(つづく)

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