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藤井風さんを二面に隔てるフィルターとオードリー若林さんのエッセイに似た衝撃

『優しいパワーを持てたらいいんですけどね、この曲で。温かく包み込めたらいいなとは思ってます。』

藤井風さんの思いもよらぬ二面性に頭をゴーンと叩かれ、美しい楽曲に内からピュアな感動が溢れ出した。


お笑いであれ、音楽であれ、僕たちの元に届けられるのは、表現者の思想・思考・スキルが、フィルターで濾され濃縮されたものだ。

若林さんの思想・思考・スキルを、TV番組といった目の細かいフィルターを通して受け取る事もあれば、エッセイやnoteのように目の粗いフィルターで原形に近い状態で受け取れる事もあり、それぞれに良さがある。

内面に持つ思想・思考・スキルと、フィルターを通して濃縮され表出する姿、表現者は、誰しもが二面性を持つように見える。

表出された姿で評価され、探索された内面の思想・思考・スキルに共感する個性が見つかると、表現者は深い支持を集めることになる。

言わずもがな若林さんは、個性への強い共感を得ることで長きに渡り多くから深い支持を集めている。

では、流行り廃りの速い音楽の世界で、今もっとも熱狂的な支持を纏う魅惑的な二面性とは何か。

藤井風さん、その眩いまでの才能のフィルターの奥を紐解いてみたい。

天才 藤井風

甘いルックスと確かな演奏技術、そして心揺さぶる楽曲と歌唱の美しさで注目を集める藤井風さん、23歳。

1月に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』の恒例企画「売れっ子プロデューサーが選ぶ年間ベスト10」にて、音楽プロデューサーのいしわたり淳治さん、蔦谷恒一さんに2020年の上位選出され、

川谷絵音さんには『罪の香り』を「近年で一番衝撃を受けました。声良し曲良し歌詞良し、非の打ちどころのない才人。こんな、全部持ってる人いました?」と大絶賛され、ダントツの1位に推された天才だ。

『関ジャム』の紹介映像で藤井風さんを見たときは、正直何だかいけ好かないイケメンだな〜とだけ思っていたのだが、先日放送された報道ステーションで、母校を訪れた姿に目を奪われた。

「わし」「なんよ」「じゃけど」、バリバリの岡山弁に、ゆっくりたどたどしくも見える口調、映るのは、気の優しい1人の純朴な青年だ。

洗練されたPVに見る、一見モデルかとも思えるスタイルに美しい歌声、キレッキレのビジュアルを誇る稀代のアーティストの姿はそこにはない。

デビュー前の金銭的にまだ余裕がないと思われる時期に後輩の全国大会の遠征費の援助を行っていた。美しい思想に顧問の先生から感謝の意を表される。

その青年は、コロナ禍で大きな苦悩に直面する高校生への想いを、偽りを感じない芯のある言葉で語った。

『自分にしか分からんような辛いことが、人それぞれにあって、そのことにわしが何かを言える立場じゃないんで。優しいパワーを持てたらいいんですけどね、この曲で。温かく包み込めたらいいなとは思ってます。』

スタジオで演奏が始まる。
Tシャツ一枚、着飾ることはない。
曲名は「旅路」

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あの日のことは 忘れてね
幼すぎて 知らなかった
恥ずかしくて 消えたいけど
もう大丈夫 旅路は続く
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純朴な青年の姿はそこにはない。
力強く美しい歌声がスタジオに響く。

サビに入る
```````````````````````````
あ〜あぁ〜
僕らはまだ先の長い旅の中で
誰かを愛したり 忘れたり
色々あるけど
```````````````````````````
心地の良い響きに素朴ながら強い共感を得る歌詞

最後のサビに入る
```````````````````````````
あ〜あぁ〜
僕らはまだ先の長い旅の中で
何かを愛したり 忘れたり
色々あるけど
あ〜あぁ〜
これからまた色んな愛を受け取って
あなたに返すだろう
永遠なる光のなか
全てを愛すだろう
````````````````````````````
はにかんだ笑顔で演奏を終えた。

気持ちのこもった音に心がざわつき揺れ動いた。

後日アップされたYouTube(ANNnewsCH)に何度となくに指が動く。聴けば聴くほどに芯に届く。

漫画やドラマの主人公ではない。
岡山で生まれ育った誠実で純朴、一見普通に見える優しい青年が、とんでもない才能で人を魅了する。そんなありそうなストーリーを超える現実の物語だ。

僕らが見る才能に満ち溢れた姿。フィルターの奥には、愛すべき1つの人格がいた。

若林さんのエッセイを読んだ時のような衝撃。
こんな素敵な二面性に出会えるのだから、人生は楽しい。


若林さんは何というか
「俺は音楽のこととかは全然分からないんだけど、でもやっぱいいものはいいってのは分かるのよ。旅路も聴いたけど、ホントにぐっときたね。歌詞も今の高校生の心境にぴったりというか、何回も聴いて泣いちゃってさ、おじさんなのに」
「私も聴きまして、感動しました。年下のイケメンってことで興味持ったんですけど、もう全然、顔とかじゃなくて、存在が美しいというか」
「弘中ちゃんがそういうぐらいだからよっぽどだね〜もうあれ、藤井風さんの顔が俺でも美しいと思っちゃうくらいな感じ?」
「それはないです。感動も半減しちゃいますよね〜人の感情ってホント難しいです、、」
「いや、単にイケメンが好きなだけだろ!どこまで正直通すんだよ」

、、、ビジュアルも大切な要素ですね。

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