12月15日「よし行くぞ」
私的には「強引に寝させられている感が強く、熟睡感はほとんどなく、しんどさが残る」睡眠導入剤ゾルピデムの服用を止め、頓服で服用している抗不安薬アルプラゾラム0.4mgを布団に入る1時間前に飲むようにしてから1週間。緊張する歯科受診日の前夜は、5時間睡眠+布団の中でなんとなく過ごす2時間で、調子は「まずまず」といったところ。
朝食を9時30分にとり、10時にアルプラゾラム0.6mg(1錠と割った半錠)を飲む。歯科の予約は13時15分。軽い昼食をとるか悩んだけれど、何も食べないことにする。歯磨きが面倒というのもあるが、不安感の高まりとリンクする空腹に慣れるようにしようと思った。歯科恐怖でこの10年近く、治療は全身麻酔で行ってきた私。今の歯科で「全麻をするなら午前」と説明を受けたので、朝食抜きの空腹状態で歯科まで行かないといけない。経験あるのみ。
少し前、しばらく記憶にない、朝食抜きでバスに乗って出かける「練習」をした。不安感が高まらないように、背筋を伸ばし、(過呼吸にならないよう)呼吸しようとせず、「行ける!」と思い込み、歯科の先まで出かけることができた。少し遅めの朝食は、田舎ということでほとんどの飲食店が営業前だった中、唯一開いていたインド料理屋でナン生地のピザをテイクアウト。朝からピザは最初で最後にしようと心に決めた、もうすぐ35歳。
話を今日に戻す。空腹のまま、歯科近くの公園で15分瞑想することに。心を落ち着かせるために。アルプラゾラム0.6mgがもたらす若干の眠気を感じながら、「今日は半分寝ている感覚で口の中を診てもらおう」と心に決める。そして私自身を奮い立たせるため、手のひらに「よし行くぞ」と書く。自分を奮い立たせられるのは、やっぱり自分しかいない。
歯科恐怖に悩まされる私が1年に4回も受診するのは、ここ数年ではあり得ないこと。予約が取りづらく、歯科恐怖専門外来の縮小・廃止が予定されている前のかかりつけ歯科から、今のかかりつけ歯科になって今日で4回目の受診。ゆっくり、丁寧に、やさしくレントゲンを撮ってもらい、歯石を取ってもらい、歯周ポケットの掃除をしてもらってきた。「できないことをできないと言える雰囲気づくり」がとても上手く、感謝しかない。
最近の歯に関する悩みは、甘くて、歯にまとわりつくような食べ物(チョコレートのパイ、クッキーなど)を食べると、右下の奥歯が一瞬ピキっと少し痛むこと。痛みに敏感な私は、痛みが一時的なもので、その後は特に痛まないとしても、テンションが急降下する。そんな話を歯科の先生にすると、「甘い物は染みやすいです」としっかり説明してくれる。ありがてぇ。
しかし、右下奥歯の歯周ポケットの掃除をしてもらっていると、「緊急性は高くなく、神経までは達していない可能性が高いけれど、治療した方がいい虫歯」が見つかった。「これまでの歯石取り、歯周ポケットの掃除程度の負担で済むと思うので、治療してみましょうか」と提案を受けたので、「はい」と答えた。とりあえず少し削って仮詰めをした。先生たちは「状況を見ながら全身麻酔も含め、ゆっくりやっていきましょう」と穏やかに説明してくれた。
今日、歯科診療用チェアに座っていた時間は40分ほど。空腹はそれほど問題にはならず。ちょっとした休憩中、説明されたことや自分の心持ちをメモ帳に書いている姿を見た先生に「マメですね」と言われる。書き留めて、文章にするのは、歯のことで不安になるであろう未来の私のためであり、私と同じように歯科恐怖でしんどい思いをしている人のためでもある。
次回の予約時に気を付けた方がいいことを先生に尋ねると、「特にないですが、強いて言うなら歯磨きをしっかりすること。仮詰めが取れても問題ないです」と。予約の日は、緊急性が低い治療であること、治療後に年末年始の休みを挟むのは良くないということで、年明け早々に。「何かあれば連絡してください」の一言、ありがてぇ。
100点満点の体調でなくても、今日はここまで出来た。「自分を信じること、先生を信じることが大切」と言うのは簡単だけど、それを実行するのは難しい。でも信じたい。次も手のひらに「よし行くぞ」と書こう。ボールペンでは上手く書けなかったので、リュックにマーカーペンを忍ばせておこう。