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不動産金融の転職戦略~「縦の軸」と「横の軸」〜

筆者は何度か不動産金融の世界で転職しており、今後のキャリアについて俯瞰的に考えようかと思い、海千山千魑魅魍魎の不動産ワールドの木っ端社畜の身で僭越ではあるが、不動産金融世界における転職について考えてみた。

日本における不動産金融世界を労働者の立場から見る場合の枠組みとして、総合デベロッパーを頂点とするヒエラルキー、すなわち「縦の軸」と、その職がアセットサイドに寄っているかマネーサイドに寄っているかの「横の軸」の、2つの軸で立ち位置をマッピングするのが有用であると考える。どういうことか以下詳しく述べていく。

1.不動産業界の「縦の軸」

縦軸についてはいわゆる業界ヒエラルキー、要はみんな大好き就職偏差値である。日本の不動産業界は三井不動産、三菱地所という総合デベロッパーを頂点とするヒエラルキー構造が存在する。職に貴賤はないしどれが偉いという話ではないが、例えば街の住宅賃貸の担当者の待遇と三井不動産総合職の待遇には格段に差がある。全宅ツイさんの「会社が分かる! 不動産就活2.0不動産カースト図がわかりやすいだろう。

トップヒエラルキーの三井不動産、三菱地所は日本を代表するデベロッパーであるが、グループ全体を含めると開発事業のみならず、賃貸事業、投資事業、仲介、販売、海外事業…と幅広にあらゆる不動産事業を手掛けており、裾野の広さといい関連会社の多さといい、不動産業界のコンツェルンと言っていいいきおいだ。
彼らの不動産金融にフォーカスすると、三井不動産は日本ビルファンド投資法人に代表されるJ-REITや、三井不動産プライベートリートといった私募REITのスポンサーである。
三井不動産が開発し本体BSで保有してる物件のうち「REITに入れる程度には『良い』ものの、本体BSで持つほど『良くはない』」物件をREITに売却することで、開発資金を得ることができるいわば内製化した流動性発生装置なわけだ。

なお名著「不動産投資市場の研究(Kindle版が安く買えるとはいい時代になったものだ)」の第9章でリーマンショックの総括をしているが、三井不動産を「保有・賃貸事業」「フィー事業」「投資・回収事業」のバランスが取れていたためリーマンショックに耐えられたが、「投資・回収事業」に傾斜しすぎたダヴィンチなど流動化プレイヤーはキャッシュショートにより耐えられなかったとまとめている。つまり三井不動産は複数の安定事業をバランスよく保有することで安定な経営基盤を築いているわけである。

なおヒエラルキー上位の不動産ファンドだが、よくブログで題材にしている外資系運用会社はグローバルマネーを使って財閥系含め日系には不可能な規模とリスクテイクで日本の不動産にポートフォリオ投資をしているなど、個人的には日本のヒエラルキーの枠外の存在であると考えている。給与も日系企業とは比較にならないほど高い。

2.不動産×金融ワールドの「横の軸」について

さて日本で不動産業界に就職する際にそうした「縦の軸」、すなわちヒエラルキーの存在があるのは事実だが、実際問題として「下の階層」から「上の階層」にそのまま垂直移動する就職は困難である(無論例外はあるが)。また「上を目指す」だけをモチベーションにしてしまうと疲弊するし色々と思考の幅が狭くなってしまう。

そこで提唱するのが不動産×金融にジョブユニバースを拡大し、「アセットサイドか?マネーサイドか?」という「横の軸」をうまく使って職選びをすることである。概略を以下の図にまとめてみた。

筆者作成、不動産金融世界の「横の軸」

赤い矢印が、マスの人々から機関投資家が集めたマネーが最終的にアセットに流れていくマネーの流れを表している。
基本的に右に行くほどマネーの出し手である投資家に近くなり、左に行くほど投資対象アセットである不動産にフォーカスすることになる。
なお以下それぞれの区分について説明するが、詳しくは巻末の参考文献を参照いただきたい。

①-1 不動産関連サービスベンダー

不動産というアセットにフォーカスするジョブである。投資用不動産のテナントを埋める賃貸仲介、物件のバリュエーションを担う鑑定業務、物件管理のプロパティマネジメント会社、開発業者等が相当する。

①-2 不動産仲介業者

①-1同様不動産アセットにフォーカスするものの、運用会社アクイジション部隊とアセットをつなぐ接合点であり、転職の際も重要であることから独立して記載。日本だと3大信託銀、CBRE, JLL等の外資系ベンダー、その他三井不リアルや東急リバブルなど大手仲介が有名である。

2020年に電通ビルをヒューリックが3000億円で取得というビッグディールがあったが、この案件を仲介したのがみずほ信託である。信託銀行は銀行ネットワークを生かして大企業へのアクセスを有する点で競争優位があり、特にコロナ禍の昨今は企業がキャッシュを創出するべくセル&リースバック(S&LB)による売却が盛んであり、事業用不動産のS&LB案件は信託が強い。

②不動産ファイナンス

不動産融資は、レバレッジ効果により高いリターンを運用会社にもたらし、マーケットに流動性を供給する重要な機能である。
個々の不動産を取得する際のファイナンス(アセットレベル)や、REIT等のビークルでレバレッジをかける際のファイナンス(ファンドレベル)がある。

日本ではメガバンク・メガ信託が強いが、その他りそな、新生、あおぞらなども有力なファイナンスの出し手である。
あおぞら銀は一般にはなかなか馴染みがないが、かつては日本不動産銀行として創設され不動産担保融資を行っていた経緯もあり不動産ファイナンスには定評があり、傘下のあおぞら不動産投資顧問も銀行傘下としてはかなり積極的に投資を行っている。

③と若干かぶるがリース会社もここに含まれると考えることも可能である。リースには会計上賃貸借契約として処理されるオペレーショナル・リースと売買契約として処理されるファイナンス・リースの二種類があるが、リース会社はこの2つの手段を駆使し、アセットファイナンスやファイナンス・リースやセル&リースバックを通じた不動産の買い手となり、存在感を発揮している。
オリックスがリース業界では圧倒的に強く傘下のオリックス不動産投資顧問も実績のある不動産運用会社だが、二番手の三井住友ファイナンス&リース(SMFL)には注目である。近年日本の不動産運用会社の雄であるケネディクスをTOBした大きなニュースがあったが、ケネディクスとどうシナジーを出していくのか注目である。

③不動産運用会社

この図でも中心に位置しているように不動産金融の中心的存在である。
ファンド、ジョイントベンチャー、私募/公募REIT等の第三者資本を使うためのビークルにより不動産を取得する、第三者資本を使ったいわゆる不動産AM会社が該当するが、ここでは自己勘定投資する会社も含める。

外資だとブログで度々取り上げている王者Blackstoneを筆頭にFortress, GICなどが日本での存在感が強いが、近年は「安い」日本の不動産を買うべく外資がビッグマネーを携えてどんどん進出しており、不動産マーケット情報やMingtiandiなどのメディアで調べるとたくさん事例が出てくる。
ビッグディールはもはや巨大なグローバルマネーを使える外資の独壇場であり、その挙動には目が離せない。

日系だと、第三者資本投資メインは月間プロパティマネジメントのAM総覧にくわしく書かれているが、上述のケネディクス、DREAMなど商社系、三井不投資顧問などデベ系などだろうか。自己資本投資メインだとヒューリックなどが強い買い手として有名。

その他外資系ベンダーで日本に拠点のない海外顧客向けアセットマネジメントサービスを提供するサードパーティーAMなども含めてもいいだろう。

④ゲートキーパー

このあたりから不動産の物周りよりマネーの色が濃くなってくる。そういう意味で上記の③不動産運用会社はマネーがアセットに転化するまさに不動産世界と金融世界のインターフェースと言っていいだろう。

ここでゲートキーパーは一言で言えば「不動産ファンドに投資する機関投資家向けのコンサルティングサービス」である。機関投資家と投資顧問契約や投資一任契約を締結し、機関投資向けに投資対象である不動産ファンド等の分析評価・モニタリング等のアドバイスを行ったり、海外ファンドに投資するためのファンド・オブ・ファンズを設定・管理する。日本だとアセマネ会社や信託銀行のオルタナティブ部門などが該当。

オルタナティブ資産の一つである不動産であるが、機関投資家のオルタナティブ投資能力には差があり、農中のようにすでに世界的な機関投資家もいれば、まだまだオルタナティブ投資黎明期の地銀もある。
日本の私募・公募REITなど日本の資産のみであれば自前でできるかもしれないが、海外のオープンエンド/クローズドエンドファンドとなると言語の障害もさることながら高い専門的知見が必要なので、機関投資家はゲートキーパーを雇うわけである。なおゲートキーパー実績のあるMUTBのコラムには詳しい内容が書かれている。

なお、世界最大の機関投資家である我らがGPIFはようやくオルタナティブ投資を増やしているところだが、GPIFはゲートキーパーとして日本投資はMUTB, 海外投資はみずほ系のアセマネONEとCBREに委託している。
アセマネONEが海外ファンドの分析・モニタリング、CBREがGPIFマネーを海外ファンドに投資するためのビークルであるFoFsを設定し運用実務を担う寸法である。

【ジャパン・コア型運用】運用受託機関名
三菱UFJ信託銀行株式会社

【グローバル・コア型運用】(伝統的ファンド領域)運用受託機関名
ゲートキーパー:アセットマネジメントOne株式会社
ファンド・オブ・ファンズ・マネジャー:CBRE Global Investment Partners Limited

【グローバル・コア型運用】(共同投資ファンド領域)運用受託機関名
ゲートキーパー:アセットマネジメントOne株式会社
ファンド・オブ・ファンズ・マネジャー:CBRE Global Investment Partners Limited

GPIF, オルタナティブ資産の選定済み受託機関一覧, https://www.gpif.go.jp/investment/manager-entry/alternative-assets/results/index.html

⑤機関投資家

不動産金融世界における資金の出し手となるマネー側の起点である。従前ブログで紹介したCalSTRS、ノルウェーSWFなどが典型であるが、要するにマスから集めた巨大なマネーを使って投資する団体である。
銀行や、職員から拠出された年金を管理する年金基金、集めた保険金を管理する生損保会社、その他オイルマネーを管理する団体等が該当する。日本だと農中、DBJ、生保等が有名だろうか。

なお世界最大の機関投資家である我らがGPIFはオルタナティブ投資を近年増やしているものの、不動産AUMはまだ7,000億円程度にとどまっている。ちなみにトータルのAUMではGPIFより小さいノルウェーSWFの不動産AUMは約$65Bil≒9兆円である(GPIFはもっと増やしなさい)。 

巨大マネーを扱える機関投資家とオルタナティブ投資は相性がいい。オルタナティブ投資は巨大マネーの流動性を一部犠牲にすることで、一定の再現性のあるリターンを獲得することができるため、巨大で長期のマネーを擁する機関投資家にとっては、流動性管理、ゲートキーパー選定、モニタリング等の投資ノウハウを備えればかなり「割のいい(伝統資産で言えばシャープレシオが高い)」投資が可能となる。

不動産ファンドの本場アメリカでは、投資家ネームにCalPERS、CalSTRSを筆頭にテキサス州教職員退職年金(TRS of Texas)、オハイオ州教職員退職年金(STRS of Ohio)など、「〇〇州△△年金」といったネームが機関投資家として並ぶ。彼らは公的年金でありながら、積極的にオルタナティブ投資を行うことで、アメリカ人の老後資金を稼いでいるわけだ。

資本主義は「大きいマネーと長い時間が大きいリターンを生む」というルールのゲームであり、資本主義に変わるセオリーがいまだ発明されていない以上、日本勢もこのルールに則り大きくて長いマネーを擁する機関投資家が大きいリターンを生むべきであり、その方法の一つがオルタナティブ投資であると考える次第である(迫真)。稼ぐ・イズ・ジャスティス(カルヴァン派)。

3.「横の軸」の転職における活用方法

さて「縦の軸」であるヒエラルキーと「横の軸」であるマネーとアセットの軸を抑えたところでこれを転職に活用することを考えよう。
北野唯我氏ベストセラー「転職の思考法」に「転職は半歩ずらしだ。今までのキャリアを活かしつつ、別の領域に踏み出す半歩ずらしが重要だ。」とあったが至言だと思う。
これを今回当てはめると「上方向のベクトルを維持しながら、目的のキャリアに向け左に右にスライドしていく」ということである。

また、上記の外資系不動産運用会社に行くためには、社内コミュニケーションに英語が必要であり、偉い人は本国のInvestment Committeeとコミュニケーションを頻繁に取ったりと英語が必須である。英語という武器が使えれば格段に泳げる領域が広がるわけだ。
世界の富は依然アングロサクソン諸国が掌握しており、米国と覇権を争う中国すらエリート層は英語を駆使して投資業務に従事している。インバウンド投資にしろアウトバウンド投資にしろ、グローバルマネーにアクセスするためには英語が必要なのだ(迫真)。

以下にいくつかモデルケースを示す。

  1. ③不動産運用会社→③不動産運用会社→・・・

  2. ①-2 信託銀行仲介部門や②リース会社の不動産部門→③日系不動産運用会社アクイジション部隊→英語能力取得→③外資系不動産運用会社アクイジション部隊

  3. ②銀行やリース会社の不動産ファイナンス部隊→③不動産運用会社アセットマネジメント部隊→英語能力取得→③外資系不動産運用会社

  4. ③不動産運用会社↔④ゲートキーパー↔⑤機関投資家

  5. ①-1物流賃貸仲介→外資ベンダー等で働きながら英語能力取得→③物流系運用会社のリーシングマネジャー

  6. ⑤外資系投資銀行→③外資系不動産運用会社

1.不動産ファンド業界は基本的に運用会社間で転職する。例えばデベ、商社、銀行系の運用会社等で基本動作を学び、その後例えばGLPやプロロジスに行って物流に詳しくなったり、コア戦略からオポ戦略メインの会社に行ったり、英語を学んで外資にステップアップしたりと、不動産運用会社内での狭い「縦の軸」を登るイメージである。

2.は②信託銀行やリース会社でアセット知見とファイナンスリテラシーを身に着け、③不動産運用会社のアクイジション部隊に行くルート。物件の売買という同一の業務について仲介サイドから取得サイドに立場を変える。英語力を身に着ければその後外資に行くこともできるかもしれない。

3.は、②銀行等で不動産ファイナンスの知見を身につけてから、相関性の高いジョブである③不動産運用会社のアセットマネジメント部隊に行く。運用会社のアセットマネジメント部隊は物件取得時のファイナンスや、ビークルのリファイナンス等の交渉をレンダーと行うため、同じファイナンス業務を貸し手から借り手に立場を変えるという転換である。

4.は③不動産運用会社でアセットを買うという経験をし、④投資家向けコンサルであるゲートキーパーを経由し、⑤機関投資家としてオルタナティブ投資を行う担当者となるものである。⑤→③の左への移動もありうる。

5.は①物流リーシングという物周りからスタートして、③物流系運用会社に行くややニッチなルート。物流系は巨大なアセットの大きな部分をAmazonやZOZO等と条件交渉をして賃貸借契約を結ぶので賃貸借契約に熟知している人間がリーシングマネジャーとして必要。③のあとにAmazon等の事業会社に転職するというのも、リーシングという同一ジョブについて貸す側→借りる側という立場を変えるものでありうる。
同様にホテルも専門知見を必要とするので、ホテル運用会社から外資ベンダーのホテルズ部門を経由して、ホテルアセットを極めるルートもありうる。

6.は帰国子女の新卒がゴールドマン・サックスなどに行って圧倒的成長、その後Blackstoneに行くなど、キャピタリズムの権化の殿上人達が住まうヴァルハラである。

以上モデルケースを述べたが一例に過ぎず、重要なことはキャリアは半歩ずらしが基本であり、今までの経験を活かし、よりアセットサイドに行ったり、よりマネーサイドに行ったりと自分の目的とするキャリアに向け、できれば英語という飛び道具を獲得して、上方向へのベクトルを持ちながら進むことである。

不動産知見について熟知している人はたくさんいるが、不動産とファイナンスの両方を知っている人は割とレアであり、さらに英語をネイティブレベルで運用できる人間となるとおそらくSSR人材でありどこへでも行くことができる。20,30代のうちは上方向のベクトルを保持しながら左へ右へ泳いでいき、その後外資のディレクター目指して圧倒的成長を目指すもよし、疲れたら「上」にいくのをやめてもいい。それまでに得た貴重な知見は重宝され、食うには困らないだろう。

また可能なら一つの会社でジョブローテにより複数ジョブを経験するというのもありだ。転職を勧めておいてなんだが転職は精神面肉体両で疲れるし時間がかかるので、しなくて済むならしないに越したことはない
転職しなくても済む方法の一つが複数ジョブを内包する日系大企業でジョブローテをすることであり、上記の総合デベロッパー、信託銀行、リース会社などは一つのグループに在籍しながら複数ジョブを経験できる点が魅力だ。これが外資だと部門を超えたらほぼ別会社なのでジョブローテは困難である。
オワコンと言われジョブ型雇用にシフトしつつあるJTCだが、このようにまだまだ食べられる部分はあるわけです。

転職は社畜が唯一使えるリーサルウエポンだが軽々と使えるものではない。重要なのは「転職するかどうかはともかくその気になればいつでも転職可能な状態にする」ことである。
そこで今後転職可能性を少しでも考えてるならビズリーチやリンクトインを活用して情報を入手し、定期的にエージェントと会って情報交換するのをおすすめする。なぜなら本当に転職したいとなってから動き出すと焦りもするし、逃げるように転職した結果元の場所より悪い環境に行ってしまうことも十分ありうるので、矛盾するようだが「まだ転職しなくていいや」と思ってる時こそ情報収集をしとくべきだということだ。
JTCという日本社畜をゆりかごから墓場まで面倒を見てくれるエデンの園を出て、広漠たる資本主義の海で泳ぐことを決めたのであれば、サバイブの算段は整える必要はあるだろう。

4.まとめ

以上、アセットとマネーの横の軸、ヒエラルキーの縦の軸でジョブをマッピングし、その中でどのように泳ぐかということでまとめてみた。

とはいえ不動産業界は実に裾野の広い産業であり、名も知らぬ個人業者が太客とつながって大型物件を仲介したり、いやそれ反社じゃね?みたいな謎のフィクサーもいたりなど海千山千の世界であるが、凡夫リーマンがそういう魑魅魍魎の跳梁跋扈する不動産世界で物周りだけで勝負するにはレッドオーシャンである(と筆者は思った)。

しかし、あくまで筆者の観測範囲であるが、不動産の物周りに熟知しかつファイナンスの素養がある人材は思ったよりレア人材であり、またグローバルマネーにアクセスするための道具である英語をネイティブレベルで運用できる人間はSSRであり、どのようなキャリアを選ぶにせよ食いっぱぐれることはないと思う。
一つの分野で秀でたもののない凡夫リーマンは組み合わせで勝負するべきであり、今回提唱する組み合わせが「不動産×金融×英語」というわけだ。

なお投資業界だとIBDが花形と聞くが、不動産やインフラといったリアルアセットはまだまだ方法論が債券株式など伝統的資産に比して洗練されていない部分があると聞くので、そういう意味でレッドオーシャンである伝統資産に比してチャンスの多い分野ではないかと思う。
個人的な興味としても物理的実体があり、かつ伝統資産同様の金融資産である不動産は面白い素材ではないかと思うので、泳ぎがいのある業界ではないかと思う次第である。

参考文献

今まで読んだ本で特にためになったものを貼っときます。

横軸①〜③の領域
不動産投資市場の研究(とりあえず読みましょう)
講義形式でわかりやすい不動産ファンドの教科書  
不動産証券化ビジネスの教科書[クロージング実務入門] 
図解 不動産証券化とJ-REITがわかる本 
金融マンのための 不動産ファイナンス講座
ブラックストーン・ウェイ PEファンドの王者が語る投資のすべて

横軸④、⑤の領域
オルタナティブ投資の実践
プライベート・エクイティの投資実務-Jカーブを越えて
年金基金のためのプライベートエクイティ
イェール大学流投資戦略 低リスク・高リターンを目指すポートフォリオの構築
ファンド契約の実務Q&A〔第3版〕  

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