AlphaSeeker

グローバル不動産金融界隈で働くサラリーマンです。Global CRE関連業務、不動産鑑定、仲介、リサーチ業務なども経験しました。 公開情報をもとにグローバル不動産金融の話題等を書きます。 Amazonアソシエイト参加中

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マガジン

  • 【メイン】グローバル不動産金融

    グローバルな不動産金融についての知見を勉強を兼ねて記載しています。 具体的には、クロスボーダーな不動産投資についての知見や、物価・為替・金利といったマーケット動向関連、REIT、その他業界動向についてです。

  • 金融・経済全般

    不動産以外の経済全般的な内容について

  • マイ ブラタモリ

    今まで訪れた街についてのガイド。ブラタモリリスペクトで、ブラタモリのように歴史・地理等の知見を織り交ぜて書くことを目標にしています。

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不動産金融の転職戦略~「縦の軸」と「横の軸」〜

筆者は何度か不動産金融の世界で転職しており、今後のキャリアについて俯瞰的に考えようかと思い、海千山千魑魅魍魎の不動産ワールドの木っ端社畜の身で僭越ではあるが、不動産金融世界における転職について考えてみた。 日本における不動産金融世界を労働者の立場から見る場合の枠組みとして、総合デベロッパーを頂点とするヒエラルキー、すなわち「縦の軸」と、その職がアセットサイドに寄っているかマネーサイドに寄っているかの「横の軸」の、2つの軸で立ち位置をマッピングするのが有用であると考える。どう

    • Investor③ GIC ~LPのGP化についての考察~

      1.前置き ~LPのGP化~前回書いたInvestorのCalSTRS、NBIMについで代表的な不動産投資家であるシンガポールのソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)のGICについて深堀りしてみた。(サムネ画像は"LPのGP化"でAIに描いてもらった) Investor(機関投資家)は以前のブログで作成した図で言うところの右端のマネーサイドの起点にあたり、人々から集めた巨大なマネーを使って株式や債券、オルタナティブ資産などに投資を行う。 今回取り上げるGICは、シンガポー

      • データセンター関連記事まとめ

        直近マイクロソフト・GOOGLEなどがデータセンター投資を日本にすると発表したり、NTTデータがデータセンターREITを発表したりと、データセンターに関する話題が数多く出ているので、主に投資対象としてのデータセンターとしての資料を網羅し簡単にレビューしてみた。 1.参照DCレポートと前置き・2024/7/8 JLL: EFLOPS、レジリエンス、脱炭素と日本のデータセンター不動産市場 ・2024/6/5 JLL : データセンター 2024年グローバルアウトルック ・202

        • 米国の財務諸表を読む(米REITのPublic Storageを題材に)

          1.米国の財務諸表米国の財務諸表の見方が分からずネットをさまよっていたら以下のサイトを見つけた。 アメリカの財務諸表10-Kの見方の練習をするべく、これを使って米国REITを題材に簡単にレビューして見ようと思う。ひとまず以前の記事でSP500のREITの銘柄をまとめたが、ここでも記載した、Self-StorageのPublic Storageについてまとめてみる。 ※本記事は特定の投資商品を推奨するものではありません。 2.定量分析(TradingView)ひとまず10-

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        記事

          米国の商業用不動産鑑定事情まとめ

          1.前置き:J-REITと鑑定評価オリックスREITが、コロナ禍で傷んだ収益を背景に、2023年8月にホテル日航姫路を大幅な譲渡損を発生させ売却した。https://finance.stockweather.co.jp/contents/dispPDF.aspx?disclosure=20230825546626 これ自体は単なるコロナ禍で傷んだ物件の損切りをした話だが、鑑定評価に関して見ると、2023年2月28日に日本不動産研究所が3,050百万円を出していたにも関わらず

          米国の商業用不動産鑑定事情まとめ

          AssetType③:Affordable Housingアセットとは?

          1.アフォーダブル住宅特化型不動産投資法人の設立のPR2023 年5月 31 日にインヴィンシブルREITのIRページでアフォーダブル住宅特化型不動産投資法人の設立に関するプレスリリースがあった。 ビレッジハウスREITの設立についてはすでに色々な方が言及しているため特に付け加えることはないのだが、"アフォーダブル住宅"という概念は、おそらくフォートレスが本社を置く米国ですでにアセットタイプとして確立している"Affordable Housing"を概念として日本に輸入した

          AssetType③:Affordable Housingアセットとは?

          US Mortgage REITとは?

          1.Mortgage REITについて2023年4月10日の記事「Publicly-Traded REITs Tread Water in March; Remain Up for the Year」を読むと以下のような内容だった。 3月時点のUS上場Equity REITはまだ足踏み状態だが、モーゲージREITは良好なバランスシート。 モーゲージREITは①住宅と②商業不動産の2つの種類がある。①住宅モーゲージREITはフレディマックやファニーメイのようなAgency

          US Mortgage REITとは?

          米国投資用不動産市況についての記事ザッピング②

          2023.5.17 IPE real assets Global real estate AUM reaches €3.8trn - second highest on recordまとめ 2022年の世界の不動産AUMは3.8兆ユーロに達し、2021年末の過去最高額4.1兆ユーロに次ぐものとなった トップファンドマネジャーへの集中度が高い。年間AUM(3.1兆ユーロ)の81%が、top quartileのファンドマネジャーに集中している 世界のファンドマネージャー上位

          米国投資用不動産市況についての記事ザッピング②

          米国投資用不動産市況についての記事ザッピング①

          2023年5月23日 日経新聞 商業用不動産融資、リスクの誤解と真実まとめ 米商業用不動産価格は低下が続いている。金利上昇→資産価格低下→リファイナンスできないため売却→ファイアーセールによる信用崩壊の懸念あり。 しかしLTVは65~80のレベルで、リーマンショック時ほど高くはない。 CMBSの優先部分は劣後部分のバッファーにも守られており、特に2010年以降に組成された案件は「CMBS2.0」と称され、保全が強化されている。また不動産に対するローン満期と、それを束ねた

          米国投資用不動産市況についての記事ザッピング①

          記事感想:CBRE U.S. Cap Rate Survey H2 2022

          1.CBRE U.S. Cap Rate Survey H2 2022記事についてCBRE U.S. Cap Rate Survey H2 2022がリリースされました。 https://www.cbre.com/insights/reports/us-cap-rate-survey-h2-2022 この記事をもとに、2022年の米国不動産キャピタルマーケット及び2023年以降のアウトルックについての概観をしたいと思います。 今回紹介するCBRE以外にもJLLなどは定期的

          記事感想:CBRE U.S. Cap Rate Survey H2 2022

          書評:金利を見れば投資はうまくいく

          金利についての知見が乏しかったので読んでみたのですが名著でした。 まだ消化しきれていないものの、金利は炭鉱のカナリアであり、金利の動向を抑えることで、今マーケットがサイクルの中のどこに位置しているのかを把握することができ、今ポジションを増やすべきか減らすべきかについての知見を得る事ができるとのこと。 筆者は主に不動産金融関連の業務に従事しているが、米国のコアオープンエンドファンドは評価額(株式だと株価)が四半期ごとの洗い替えであったり、解約はNAVの5%で年に数回と言った形

          書評:金利を見れば投資はうまくいく

          Blackstone BREITの解約について考察

          1.プライベート不動産市場に伝播する逆金融相場御存知の通り、2022年は株式市場にとって逆風の年であり、これは主に米国がインフレ退治のため金利を上げていることが主因である。 SP500と10年国債の金利は見事に負の相関関係にあり、金利の動向が株式市場と直結するまさに逆金融相場の様相を呈している。 不動産マーケットも、主に米国と欧州で逆風が吹いているところであり、株式マーケットとの連動性の高いUS-REITもSP500同様低迷した。不動産は金利感応度の高いセクターであることも

          Blackstone BREITの解約について考察

          米国オフィスの不動産取引・賃貸マーケットまとめ

          御存知の通り米国金利が急上昇をしており、米国10年国債金利はすでに4%を超えている。米国の政策金利(Federal Funds Rate)は2022年3月を境に(折しもロシアの侵略と同タイミングで)上昇に転じ、現在は3.25%となっており、人気解説者後藤さん(@goto_finance)によると最終的に5%を伺うような状態である。 欧州はロシア侵攻によりエネルギー供給量低下することによるコストプッシュインフレが起こっているが、米国は欧州程には戦争の影響を受けておらず、現在の

          米国オフィスの不動産取引・賃貸マーケットまとめ

          Developer② USトップデベロッパーGreystarについて~日本デベとの対比~

          1.Greystarとは米国のマンション関連業者団体であるNational Multifamily Housing Council(NMHC)は例年全米のマンション関連の業者ランキングを出しているが、これによるとTop Managers(プロパティマネジャーのこと)、Top Builders、Top DevelopersでGreystarがトップとなっている。 Greystarは全米を中心にグローバルに展開する不動産会社であり、Property Management, In

          Developer② USトップデベロッパーGreystarについて~日本デベとの対比~

          Investment Manager①:投資家と運用者について~KKRとBlackstoneを例に~

          1.投資家(Investor)と運用者(Investment Manager)の違いについて投資系の掲示板やSNSでよく「機関投資家」というワードを目にするが、「投資家(Investor)」と「運用者(Investment Manager)」を混同しているのではないか思えるような記述を目にする。確かに明確な定義はなく、投資家でもあり運用者でもあるような場合もあるが、資金フローや構造を把握するにあたりどちら寄りなのかを把握するのは有用である。 ここでは投資家を「自己勘定の資金

          Investment Manager①:投資家と運用者について~KKRとBlackstoneを例に~

          探訪記④ 木曽福島

          1.木曽福島に行ってきた かつての中山道の宿場町であり、人気ドラマ「鎌倉殿の13人」で頼朝に討たれた木曽義仲の旗揚げ地ということで旗も立っていた。 木曽福島駅に降りてから、宿泊場所まで向かう際にかつての宿場町である福島宿があり、古い町並みが楽しめる。 ブラタモリでおなじみ国土地理院の赤色立体地図を見てみると、丘の上の木曽青峰高等学校→木曽福島駅→福島宿周辺→木曽川と階段状になっている河岸段丘地形である。 木曽川の流域は狭く険しいため、平地が少ないものの宿場町として人が

          探訪記④ 木曽福島