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「おうちにかえろう。病院」インタビュー 〜自分らしく生きるを支える地域へ〜


みなさんこんにちは。ALTURA安田です。
今回、初めて実際に病院へ足を運んで
取材をさせていただきました。


自宅で自分らしく生きるための病院
として
2021年4月に開院された、その名も

「おうちにかえろう。病院」

きっとこの名前に驚く方も多いはず。
元々、在宅医療を専門にしていたTEAM BLUE
在宅医療から病院を設立した背景とは・・


そして、
TEAM BLUEの目指す世の中と、
実現するために集まった仲間の想いを
TEAM BLUE代表/安井先生、広報担当/島田さん、
理学療法士/坂本さんにお話を伺いました。

左:理学療法士坂本さん 中央:TEAM BLUE代表安井先生 
右:広報担当島田さん
インタビュー後に談話していたところを撮影。
笑顔溢れる和やかに話す姿がとても素敵でした。


TEAM BLUE代表 安井先生 
〜病院の魅力と未来の可能性〜

Q.未来が求める地域病院の役割とは

在宅医療屋が生活をみることができる病院を
作るために設立したのが
「おうちにかえろう。病院」です。

一般的な病院では、
患者様が転倒しないように環境を整え、
転びそうな人は歩かせないように制限をし、
薬の誤飲を避けるために
看護師が毎回薬を分けて提供し、
栄養管理もカロリー計算から
全面的にサポートをします。    

しかしこの患者様が
退院したあとはどうなるでしょうか。

ヘルパーさんに買ってきてもらった
パンと牛乳で食事を済ませ、
内服管理を毎回してもらうわけにもいかず
飲み間違いをしたり、
1人で歩いてはいけないと
抑制されていた場合には
自宅で自立した生活ができません。

なぜこれが起こるかというと、
基本的に病院側は
「病気をみる」という風に思っており、
「生活を見る」という目線がないからです。

高度急性期は
病気をみるのが役割であったのに対し、
現代の地域病院の役割は
一緒に患者様の生活をみていくということ。

転倒リスクがあるのであれば、
病院にいるうちから
転倒リスクのあるような行動をしていただき、
自宅に帰られた際に
起こり得るリスク管理をするべきですし、

栄養管理が必要なのであれば
入院中から自分で管理できるような食事を指導し、
薬を管理できるように入院中に練習して帰る、
これが実現できる病院こそが
これからの時代に求められる
「地域病院の在り方」だと考えます。


Q.これからの「医療の質」について教えてください。

戦後の日本の医療の課題は
外傷や感染症で死んでしまう人を
助けることでした。

大学病院など大きな病院に行かなくても
地域の病院で手術が受けられるようにと
中小病院が作られてきました。

しかし、2000年に介護保険法ができたときに、
この国で介護が「発見」されたのです。

これが何を示しているかというと、
現代の医療は昔の課題である感染症などではなく、
「老い」と向き合っているということです。

認知症やフレイルは治る疾患ではなく、
共に生きていく疾患であると考えられ、
キュア思考からケア思考へと変化してきました。

そこへ求められる医療は
どこにいてもエビデンスベースの
医療を受けられることではなく、
一人一人の生活に目を向けた
ナラティブベースの医療を求められているということが
時代の変化としてあります。

ではナラティブを提供していくときに
必要な「医療の質」は何か。

我々が取り組んでいるのは
ペーシェントジャーニー(=患者の旅路)、
いわゆる病気を治すということではなく、
病気を持ちながら生きていくということを
支えることがポイントであり、
ペーシェントエクスペリエンス
(=患者の経験価値)を最大化する
ということを
大事にしています。

在宅医療は3割が診療であり、
残りの7割が意思決定支援と環境調整です。
患者様がどう生きたいかを一緒に描き、
それを実現するため

あらゆるサポートをしていくことが
僕らの役割です。

「優しく、強く、自由に。」
新しい人財の育成


我々が目指すのは一人一人のストーリーに
合わせた支援をすること

ストーリーを支援する上で大切なのは、
本人がどのような人生を歩んできたのか、
家族がどう受け取っているのかということに
興味を抱くまでのマインドです。

その方のストーリーを知るためには
本人や家族に話を聴くのが一番です。

ここに興味を持ち、
自発的に話を聴きたいと
医療職が思うにはどうしたらいいのか。

TEAM BLUEが大切にしているのは
「人を想う人」です。

人を想う人の活躍によって
温かい世の中を作るのが
僕たちが医療の世界でやっていきたいことです。

これを実現していくために
「優しく、強く、自由に。」
コンセプトに研修を行っています。

愛のない力は暴力であり、
力のない愛は無力
というように、
医療知識だけあっても想いがなければ
優しくはなれないですし、
想いだけあってもどう資格や知識を活かしていけるのか
考えられないとカタチにすることはできません。

そして、自由が示すのは
「自分自身が持っている自分らしさ」
捉えられるようになることです。
自分自身が自分らしさを知らない状態の人に、
あなたらしさを支えますと言われても
信頼できません。

そうした自分自身のwill
言葉にしていくことを大切にしています。

<安井先生のインタビューを一部特別公開>


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理学療法士 坂本さん
〜現場の想い〜

Q.就職した理由を教えてください。

転職活動をしてきた時に、
たまたま見つけたのが「やまと診療所」です。

転職活動の時、
「病院らしくないところ」を探しており、
その中で在宅医療で看取りをしていくところだけど、
悲しいイメージではなく
楽しそうなイメージを抱いたことが
印象的で入職しようと決めました。

病棟で患者様と歩く坂本さん


Q.働いていて成長できることを教えてください

TEAM BLUEには
「〜の疾患がある〇〇さん」ではなく、
「〇〇さんが〜の病気を持っている」と考え、
人として関わりをもっている
医療職が多くいます。

「おうちにかえろう。病院」のリハビリは、
自宅に帰られた後の生活を見据え、
病気を含め、
これからどのように生活していくかを中心に
治療プランを考えています。

ここで成長できることは、
自分の考えを言葉にした時に
「相手にどう伝わるか」を考えて
話す力を持てること
です。

そのために自分は何が好きなのか、
なぜ好きなのか「自分を知る」研修を通して
私も成長してきました。

患者様がおうちにかえりたいと思う気持ちを
叶えるために、本人様、ご家族様との
コミュニケーションや在宅生活をサポートする
在宅分野との情報共有を大切にしています。

そうした中で相手の想いを相手の言葉で理解し、
伝えたい想いが伝わるようにする力が
とても大事だと思います。


Q.これからどのような仲間を作っていきたいですか?

誰かと一緒に物事を共有して努力を重ね、
色んな事例を乗り越え、ともに成長できる
仲間がこの病院にはいます。

これからスタッフが増えていく中で、
病気ではなく人をみる
伝えたい想いが伝わるように伝える、
そうした仲間と「チーム」を作っていきたいと思います。

楽(ラク)で楽しいのではなく、
辛い状況もみんなで乗り越えていくからこそ
「楽しい」という感情になれるところなので、
働いていてよかったなと思っています。

人を想う気持ちを大切にしている方であれば、
まずは一緒にがんばりましょう。

自分自身を知り、
患者様の「〜したい」を叶えることで
自分自身も幸せになれるところ

この病院の魅力です。


ここまで読んでくださった方はお分かりだと思いますが、
TEAM BLUEが掲げるビジョンやバリューは
とても具体化されています。
建物自体も細かいところまで、コンセプトに合う
構造となっておりとてもワクワクしました。

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広報 島田さん
〜広報の役割〜


ということで、特別に広報を担当する島田さんに
TEAM BLUEのブランディングを強化し、
ビジョンをカタチにする
「広報の役割」についてお話を伺いました。


Q.TEAM BLUEが広報に力を入れる理由を教えてください。


TEAM BLUEの広報の役割は「仲間集め」です。

ここで言う仲間は、TEAM BLUEの想いや
目指す社会に共感してくださる方です。
それは患者様、働くスタッフ、地域の事業者様、
協力してくれる企業様と様々ですが、
一緒により良い社会を作っていこう
協力してくださる方を増やしたいと思っています。

私たちのビジョンである
「人が人を想う温かい社会」を作るために、
今だからこそ立ちあがろうという仲間を増やしたい
という想いから広報に力を入れています。

なぜなら7割の方が家で最期を迎えたいと
願っているにも関わらず、
1割しか叶っていない世の中で、
私たちTEAM BLUEは在宅医療を始めて
8年が経ちました。

社会の変化もある中でやっと
在宅医療とはどういったものなのか
知られてきているものの、
まだまだ在宅医療を知らない
医療職や地域の方がほとんどです。

7割の方が自宅で死にたいという想いを
抱いていることに対して、
在宅医療が認知されていないということは、
もっとTEAM BLUEの活動を知っていただく必要があり、
メディアやブランディングを通して
TEAM BLUEの世界観を世に伝え、
共感する仲間をたくさん作っていきたいという想いで
活動しています。

中央の文字は病院長の水野様直筆のメッセージ
他にも垂れ幕には職員がそれぞれの想いを綴っている。


Q.職種を超えたフラットな関係作りをどのようにしているのですか?


TEAM BLUEに集まってきた仲間が
同じ想いで働いていないとどこかで相違が生まれ、
作ってきた文化が崩れてしまいます。

それは働いている者同士の悩むポイントになりますし、
患者様にもいいサービスが届けられません。

社歴や部署による相違を作らないために、
定期的に集まり、
全職員で目的を確認する時間を作っています。

スタッフ一人一人が想いを共有することができ、
TEAM BLUEのビジョンと個人のやりたいことを
言語化していくということをしています。

また、診療カルテが特徴的で、
スタッフや患者さんの言葉をそのまま記し、
会話調に書かれているので、誰が読んでも、
病状だけでなく心境や状況が分かります。

情報がフラットになっているからこそ、
スタッフがどんなことを考えているのか?という
気になる「きっかけ」を元にコミュニケーションをとり、
スタッフ1人1人の何をしたいのかということを
広報力で叶えられるように
サポートしていきたいと思っています。

<病棟のステーション>
ここでは医療職も事務職も関係なくパソコン業務をしたり、
カンファレンスが行われている。すぐ横を患者さんが通れば、お茶を渡したり、
世間話ができるオープンなつくりになっている。


Q.仕事の壁(心の壁)をなくす働き方について教えてください。

一般的には事務職が朝のカンファレンスに参加したり、
病棟で仕事をすることはなかなかないと思います。

ですが、TEAM BLUEでは、
部署を超えた仕事ができるよう
病院のどこでも仕事ができるようになっています。

どの職種もスクラブや白衣ではなくYシャツを着て、
病院内でそれぞれの仕事をする。
患者様からすると、医師、看護師、理学療法士、事務職
といった見え方ではなく「病院の人」となるため、
時には事務職が「お茶をちょうだい」と
頼まれることもあれば
お部屋の場所を尋ねられることもあります。

資格や与えられた役割だけでなく、
患者様が必要としていること、
おうちに帰るための支援を働く職員みんなができる、
そんな在り方を心がけています。

<リハビリにも使える非常階段>
階段は5階まで全て繋がっており、踊り場の出窓にはPCがおける スペースがあることで
事務職がここにPCを置いて立ち仕事をすることもある。
階段は保育所の子供が使うこともあり、みんなで成長を見守っている。


また、プロジェクト型でもチームを作っています。
例えば、病院周りの園芸一つをとっても、
植物の管理をどうするか?という課題に対して、
いろいろな職種が混ざってプロジェクトに参加し、
目的・目標・手段を考えるチームになります。

<1F受付前>
地域の誰もが通り、談話ができるスペース。
仕事をする職員もいれば、病院併設のカフェで買った自家製コーヒーを飲んでパンを食べる方も。
ここでは患者や職員と分け隔てなく過ごせる空間が広がっている。
ここに繋がるリハビリスペースは下の画像参照。
病院内のどこでもリハビリができるため、リハビリスペースが混み合うこともない。
毎週定期的に、ここで職員の集会が行われている。


「人が人を想う社会」というビジョンに向かって、
TEAM BLUEの世界観に共感し
仲間になっていただく方と一緒に
温かい未来をつくっていけたら嬉しいです。



おうちにかえろう。病院の皆様
貴重な機会をいただきありがとうございました。

おうちにかえろう。の「。」に込められた想いも
ぜひ聞きに病院へ行ってみてくださいね^ ^



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