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やりたいこと

みなさんもそうだとは思うのですが
ずっと「やりたいんだけどな」と思ってることってあると思います。

いつかやりたい
●●●になったらやりたい
やれる条件が揃ったらやりたい
絶対にやろうとは思ってるんだけど。。。。

そこにはきっといろんなやりたいがあると思います。
そして、どうしてもそれができない、まだやれない状況というものも確かにあったりするんですよね。。。

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高校を卒業した直後に、クラスメイトが集まって卒業コンパをしたことがありました。
田園という、1982年頃の京都では結構有名なパブで、まあ高校生活の打ち上げ的な飲み会を未成年のくせにやったんですね。w
別にクラスメイト全員が仲良しだったわけではありませんが、ほぼ全員が顔をそろえた稀有な会となりました。
その頃の高校卒業時の進路状況というのは、ほぼ「就職」か「進学」の2者で、そのどちらでもない者はごく少数だという時代でした。
「就職」でもなく、「大学」「短大」への進学でもない者で「専門学校」へ進む者が現れ始めた、という感じで、さらにそれ以外の者はその頃はまだ「アルバイター」や「フリーター」などという言葉はなく、「無職」と呼ばれる時代だったのです。

僕は高校在籍時から既に音楽にハマっていて、美大受験も失敗した身だったのでアルバイトで生計を立てながら音楽活動をするという身分でした。
前述でいう「無職」の立場だったんですね。
僕のクラスでもその「無職」を選んだ者は僕を含めて2人だけという状況で、もう1人の無職が誰でなんの理由でそうなのかは知りませんでしたが、卒業時に先生から2人だけだということは聞いてました。

その飲み会の席で、仲が良くもなかったクラスのとある友人が僕に話しかけてきてこう言いました。

「お前のことが羨ましかった。バンドやってて、卒業しても音楽をしながら生きてゆこうとしてるのが」

そいつは高校時代バンドはやってなかったと記憶してるのですが、ギターを弾けるという噂は知ってたので、ああこいつもバンドやりたかったんだな、とその時思ったのを覚えています。

「いいよな。やりたいことやれる奴は」

さらに彼は僕に力無い笑顔でそう言ったんですね。

「は?何それ?馬鹿なの?やりたいことがあるならやればいいじゃん。誰かのせいにしてやらないのは自分のせいじゃないの?」

その時は僕も若かったこともあって、そんなふうに思ったことも鮮明に覚えています。笑

その後その時のクラスメイトたちとはどんどん疎遠になり今となっては全く交流もないので、その後彼らがどうやって生きているのかは知りません。
でも、僕もあれから、
たくさんの恥ずかしい思いや情けない思いを経験しながら、
もう立ち上がれないんじゃないかというくらいの屈辱や
血反吐を吐くくらいの傷心や後悔をいくつも経験しながら
もうかれこれ40年以上も生きて来たからこそわかることの一つに、
その時の彼がなぜ僕を羨ましく思ったのかには
きっと彼なりの事情があったんだということだったり、
自分がやりたいことを続けてこられたのは
決して自分だけのパッションや行動力だけの賜物ではなく
たくさんの幸運とたくさんの人の寄り添いがあったから続けてこられたということだったりするのですね。

そう。
今だからわかること。
「やればいいじゃん」で片付かないさまざまな事情や状況によってやりたいことができないことだってあるし、
やれたとしても、それは僕のように彼よりも少しラッキーなだけだったんですよね。

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やりたいことを「えいや!」ってやれる時って
やっぱり一緒にやろうぜ的な何かが派生するかどうかなんだと思うのです。
たった1人で決めて
たった1人でやろうとしても
たった1人でやれることなんて
僕の場合はものすごく大したことないっていうのは身に染みてよくわかっているものですから。w

今はある程度獲得してるかもしれない僕の「人徳」なんて
そのかけらもまだ生まれてなかったあの若かりし頃に
僕にそもそもないに等しい「人徳」や「性善」なんていうものがそれらに関与したはずもなく、
特別に自らの何かの魅力を持ってして獲得していったものでないことは自分で思っても明白なのはよくわかります。
それらを振り返った時、
それよりも、全くの偶然だったり小さな盛り上がりだったり、
そういう輝くことへの共鳴というか、
一緒にやろうぜ的な何かが絶対にあったわけで。
むしろ、その出会いに僕が引っ張られて突き進むきっかけになったかも知れないし、
それらに出会えた僕は幸運だったと確実に言えるし、
才能や魅力とは全く別の幸運だというほかないわけでね。

まあ、僕もかなり生きてきたし、
これからの余生はもうそんなことにはならないと思いますし、
逆に1人でできることをコツコツやる喜びも結構大きかったりしますから、
1人でできるやりたいことを迷惑かけない範囲でやろうと思ってますが、
やりたいことがあるけどなかなかできてない若い人にはこう言いたい。
一緒にそれやろうぜ的な仲間と出会いなさい、と。w
僕の人生の大半はそういう出会いで「幸せなこと」が形成されてきましたからね。

楽しい人生を。
是非とも。w





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