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Aの物語④壁を越えて行け

ネパールから来た留学生A。
最近、彼から感動のメッセージが送られてきたので、そこに至る経緯を書いています。

1回目はこちら↓

日本の大学に無事に進学!
と思いきや、さっそく試練がまっていたのでした・・・↓

3回目の記事
同じ時期に来日した、ベトナムのAとの交流。
「切磋琢磨」とはまさにこの二人のこと!


ベトナム人のYもA同様に、私に大学の毎回成績表を送ってきてくれた。
それどころかレポートや卒業論文なども送ってくれていた。申し訳ないが、私にはちんぷんかんぷんな高度な内容で、彼らのやっていることの凄さにあらためて驚かされた。

Yの大学は都内にあったので、時々学校に顔を出し、大学での話を聞かせてくれた。
「日本の大学生はあんまり勉強しないですよね」なんて辛辣なことも言っていた。
詳しく聞けば、日本人学生から「授業の内容を聞いていなかったので、もう一度説明してほしい」と頼まれたこともあったそうだ。

彼は大学を主席で卒業した。
大規模な総合大学で、全ての日本人・外国人学生の中で一番の成績だったそうだ。

余談だが、Yはベトナムの高校を卒業後、ウクライナの医学大学に留学する予定だったそうだ。
しかし留学できる状況ではなくなり「今から準備して一番早く行ける国」ということで日本へ行くことを決めたそうだ。

「ウクライナだから頑張るとか、日本だから頑張らない、とかじゃない。
 どこでも同じようにやるし、同じように楽しく暮らしたいんです」

彼もまた、自分の努力で人生を切り開いてきたのだ。

YもAも印象的なのは、決して「勉強だけ」をしているわけではないのだ。
遊ぶときは思いっきり遊び、趣味の時間もしっかり持っている。
大学ではサークルに参加し、人付き合いも多い。
アルバイトも続けている。
(Yの場合は投資でかなりの収入があるらしいが「コミュニケーションのため」と言って日本語学校時代からずっと同じ店でのアルバイトも続けている)

時は2021年。
彼らに新たな試練が訪れた。

コロナ感染拡大により、インターンシップがキャンセルされてしまったのである。
前の年から、どちらもそれぞれの分野のトップ企業にインターンとして入る予定で、その報告を受けていた。「うまくいけば、そのまま就職の可能性もある」という話もあったので、これがキャンセルとなると、就職活動に大きな影響が出てしまう。

これは彼らに限った話ではないが、この時に就活をしていた留学生たち(もちろん世界全ての人たち)にとって人生が左右されてしまう影響が出ていたと言える。

AとYがとったのは「大学院へ行く」という選択肢だった。
「就職できないから大学院へ行く」と表現すると、捉え方によってはあまり印象がよくないのかもしれないが、彼らが修士を修めた後の話を聞くと、彼らにとっては非常に有益で貴重な時間だったようだ。

「人脈がものすごく拡がって、視野も広がった」
「大学で足りなかった部分に関われたから、就職活動で的をしぼれた」
といったようなことを二人して話してくれた。

(続く)


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