HELLO WORLDストリートビュー聖地巡礼その4:アルタラセンター・病院・京斗大
Googleストリートビューというアバターを使ってGoogleマップの記録世界を歩き回ってみます。その4はナオミが勤務する京都歴史記録事業センター(アルタラセンター)と、一行さんが入院している京都中央総合病院周辺を中心に扱います。さらに、ちょっと離れていますが京斗大学も。
10月末に書き始めたのですが、先に他の記事を出したりしているうちに随分と間が空いてしまいました。
京都歴史記録事業センター
直実が見学に来させられた京都歴史記録事業センター。クロニクル京都事業とその要である量子記憶装置アルタラはここを拠点としています。クロニクル京都は京都市、京斗大学、Pluura社による産官学共同事業で、京都府庁旧本館の建物の地下をセンターとして使っているようです。京都市の事業なのに京都府庁の庁舎を使えているのは不思議ですが…(しかも宇治市まで複製してるし…)。
「年間200冊か」のシーン。
ちなみに、ここから出町柳まで移動するのに使ったルートは、どうも烏丸下立売から市バス51系で烏丸今出川まで出て、そこからバス(たくさん系統がある)に乗りかえて今出川通を東進したように見えます(バス車内で見ているPluuraマップが烏丸通を北上しているので)。ただ51系は1時間に1本しか来ないようなので、たまたまタイミングが良かったのでしょうかね…?直実のスマホの検索で最速候補となっているのは、上京区総合庁舎前のバス停まで歩いてそこからバスに乗る行き方ですが、今出川通に出るまでに結構な距離を歩くので、却下したのでしょうか。
京都中央総合病院
2037年の一行さんが入院しているのが、この京都中央総合病院。モデルは京都第二赤十字病院です。外観シーンから察するに、一行さんはB棟(南側の建物)4階、釜座通に面した部屋に入院していると思われます。高校時代にすでに病室のレイアウトが同じ(なお、当時は図書委員一同の千羽鶴もあり)なので、かなり初期からここに入院しているのでしょう。
地図で見れば分かるんですが、この病院、ほんとにアルタラセンターのすぐ隣なんですよね…。ナオミにとってこんな奇跡みたいな立地条件なかなかないんじゃないでしょうか。仕事の合間に気軽に見舞いに行けるし、アルタラから量子データを病室に送るための専用線も引きやすいし(いや…有線は絶対バレるので筋が悪いと思いますが…とはいえUSBメモリとかで運ぶのも絵的にイケてないですが…)。
病院前の釜座通、実は映画のかなり早い段階で登場します。直実がカラスに呼び出されて、京都歴史記録事業センターを訪れるシーンで病院の前を歩いてます。モブが「うちのばあさん長引いちゃって…」と言っているのが聞こえます。同じ構図は、ANOTHER WORLDの3話でナオミが見舞いの後に母校に向かうシーンでも使われてます。
直実が一行さんを背負って逃げるシーンでは、A棟とB棟の間の道が使われてますね。アルタラから湧き出した狐面が釜座通側から押し寄せてくるのを見て、反対側に逃げて烏丸通に出る格好になります。
ナオミの自宅(アルタラ勤務時代)
ナオミの自宅は実は完全に住所が判明してまして、「上京区近衛町167エスポワール出水201」であると脊髄損傷の診断書に明記されています。例によって非実在地番ですが、上京区近衛町自体は現存しておりアルタラセンターのすぐ西側になります(厳密には、上京区近衛町で示される地域はアルタラセンターの左右2箇所に分かれていますが、160番台の地番があるのがこちら)。マンション名から、近衛町でも比較的北側、出水通を入ってわりとすぐのところにあるのではないか(例えば現ライオンズマンションの近く)と推測されます。アルタラセンターはもちろん、一行さんの病院にも余裕で歩いて通えます。ナオミ、大学時代も寸暇を惜しんで大学の真裏に引っ越してましたが、職住接近にして限界まで働く癖は就職後も相変わらずのようです。(ちなみに『HELLO WORLD』原点といわれる野﨑まど先生の『know』にも出水通周辺の地名が頻出しており、野﨑作品において「出水」は重要なキーワードと言えます)。なおエスポワールとはフランス語で「希望」を意味しますが、全国に五万とあるマンション名ですし、そこに深い意味を見いだすのは野暮かもしれません。
なお、ナオミのマンション界隈から出水通を東方面に進むと正面に京都府庁舎1号館が見えてきます。これが結構な威圧感で、パラボラアンテナが立っていたりもして、意外と旧本館だけでなくこれらの建物もアルタラセンターの一部であってもおかしくない気もしてきます。
京都府庁に突き当たったところで右に曲がると、ちょうど通用門の前に出ます。正門まで回ると確実に遠回りになることから、恐らくナオミはこの通用門を普段の通勤に用いていたのではないかと勝手に思っています。車を出すほどの距離ではないので、恐らく徒歩か自転車でしょう(となると、本編で先生が乗っていた車はマイカーではなくセンターの公用車である可能性も高いですね)。
京斗大学
ナオミが通っていた大学。正門を見る限り、どう見ても京都大学吉田キャンパスです。
千古研究室は一体どこにあったのか。千古研の研究分野はかなり学際的であり、学部の特定は容易ではありません。以下は全く根拠のない自分の妄想ですが、原点と言われる『know』で出てきたのが吉田キャンパス本部構内の「工学部3号館 情報学研究科 知識情報学研究室」であることから、恐らく千古研も情報学研究科かその界隈の研究科(工学系)で、本部構内の東側(吉田山側)である可能性があります。あるいはナオミのアパートの立地(次項参照)を考えると、北部構内(たとえば理学部物理学科)近辺である可能性も否定できませんが、千古研の雰囲気が理学部よりも工学部という感じだったので、個人的には情報学研究科を推したい。学生居室の内装は実際に京大のどこかの研究室を参考にしたようですが。いずれにしても、あいにくストビューにはちょうどよい写真が記録されていません。
(2023.7.16)京都大学桂キャンパスから見える景色が、映画や『ANOTHER WORLD』2話の冒頭で映る京都遠景とほぼ同じアングルで、千古研は桂キャンパスにある可能性が非常に高いと気づきました。どちらにしても工学部っぽいですね。
ナオミの大学時代の安アパート(の外観モデル)
『ANOTHER WORLD』の『Record 2032』に出てくる、大学生のナオミが「大学の真裏」に借りたという家賃1万2千円の安アパート。少なくとも外観のモデルの一つはこちらの「林荘」ではないかと考えています。
さすがに一般住宅ですので、細かいところの見た目は変えているようですが、入口のスロープや植え込み、窓やバルコニーの作り、屋根の作り、電気メーターなどがかなり近いと思います。賃貸サイトを見る限り、内装は全く違いますが、トイレはとても良く似ています。ちなみに2019年現在、家賃1万5千円で築60年です(作中では家賃1万2千円で、2032年現在で築60年)。
ただしこのアパートの場所は一乗寺松原町、京都大学北部構内までも自転車で13分はかかる距離で、「大学の真裏」とは言うには少々遠すぎる立地です。通学時間を惜しんで借りる場所ではありません。恐らく作品世界におけるナオミのアパートはこの林荘そのものではなく、外観を借りた形でもっと大学に隣接したところ(例えば北白川、吉田山麓など)に位置するのではないかと勝手に考えています。
(2023.7.16追記)上にも追記しましたが、千古研は桂キャンパスにある可能性が高くなってきました。だとするとこのアパートも桂キャンパスのすぐそばということになりそうです。通常、桂キャンパスに通うのは4回生になってからですが2年次の終わりには研究室に入っていたナオミの場合、3、4回生の間は桂に住んでいたことになります。吉田まで講義を受けに行くのとか大変そうですね。もっとも、4回生以降は学生生活の場も桂になるはずなので、E子さんとの交流が増えたのもなるほど納得が行きます。そのまま大学院に進まずにアルタラセンターに就職したのも、圧倒的に一行さんの病院に行きやすくなるということも大きかったかもしれません。
次回は、病院から京都駅までの経路を辿ってみます。
ストリートビュー聖地巡礼シリーズについてはこちらもどうぞ。
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2020/5/17追記:いたちょこさんのまとめもお勧めです!
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