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大好きな映画がくれた大きな氣づき

あれは確か中学2年生だったと思う。

NHKの映画番組で『明日に向かって撃て』を観て以来、私の映画好きは始まった。

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのあまりのカッコよさに胸をトキめかしつつ、切ないラストシーンに心を撃ち抜かれた。

ストーリーは列車強盗を生業とする2人のアウトロー、ブッチ(ニューマン)とサンダンス(レッドフォード)が夢を求めて自由奔放に生きる姿をユーモアかつシニカルに描いた新しいスタイルの西部劇。

劇中、ポール・ニューマンがキャスリン・ロスを自転車に乗せて走るシーンは映画史に残る名場面!と思うほど最高に好きなシーン。
バート・バカラックの「雨にぬれても」がなんとも言えないロマンチックな氣持ちにさせてくれる。

この映画を観てからというもの私はせっせとレンタルビデオ(サブスクなんてなかった時代)を借りてきては様々な映画の世界に酔いしれた。

映画好きが高じて高校を卒業すると「本場ハリウッドで映画の世界を見てみたい」とカリフォルニアのカレッジに留学したものの、いざ大学に入ってみると自分の情熱がただのミーハー根性から来ていることを思い知らされるような本気度の高い同級生に囲まれあえなく撃沈。

なんとか単位をとって卒業したものの、「映画の世界で生きていきたい」という夢はあっさり打ち砕かれた。

それでもあの数年間の留学時代は私にとってはかけがえのない時間で、映画さながら恋や友情、異国の地での色々な体験が今の私の身になっている。

それにしても今から思うと若さって向こう見ずでいいよねぇ。

ただ映画が好きというだけでアメリカに行ってしまうフットワークの軽さと怖いもの知らずの度胸。

渡米しカレッジに入った先に明確な目標があったワケでなく、ただ自由な世界を夢見て飛び出すさまは、まるで『明日に向かって撃て』のブッチとサンダンスのようだ。

けれどホントは人生はそれぐらい軽やかでもいいのかもしれない。

その瞬間の「好き」という熱量だけで動けることほど純粋で力強いものはない。

きっとその連続で生きている人は、世間から見たらアウトローのように見えるのかもしれなけれど本人たちにとっては自分の純度100%の濃ゆい人生を送っているはずだ。

それが本来の「幸せ」なんじゃないかと思う。

人生経験を積むことは、失敗しないように賢く生きる知恵を得たかもしれないけれど、それはもしかしたら「打算的方法」を身につけただけかもしれない。

いつしか私もそんな大人になってた。

転ばないように傷つかないようにと安全な道を選んでた。

あの頃の私、どこ行ってもうたんや。

今回これを書いていて、当時の勢いしかなかったあの頃を思い出した。

今からでも遅くない。

もっと自分の「好き」に忠実になろう。
もっと自分の「情熱」に身を委ねよう。

大好きな映画について書いてたら、そんな大きな氣づきをもらってた。

最後に。
「アメリカで映画の勉強をする」という私の願いを叶えてくれた両親に最大の感謝を送ります。
お父さん、お母さんありがとう。


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