塾講師の当たり外れが生まれる仕組み
多くの塾は大学生のアルバイトで成り立っています。
大手の予備校には社会人のプロ講師もいますが、
ほとんどの学習塾は大学生のアルバイトが多いです。
特に講師の経験を積んでいない学生が多いので、
やっぱり当たり外れはあります。
特に個別指導塾は当たり外れの振り幅が大きいです。
このブログでは、塾講師の当たり外れが生まれる仕組みをご紹介します。
私は学生の頃3年間FC系の某個別指導塾でアルバイトをしていました。その後は社会人で別業界で仕事をした後、塾業界に戻り、学生講師の育成・管理を含めたサラリーマン教室長をしていました。
教え方が上手な講師もいれば、
正直お金をもらってよいか疑問なレベルの講師もいました。
<塾講師の当たり外れが生まれる仕組み>
①研修期間が短い
②慢性的な講師不足
③教えるのがうまくなった頃に卒業
①研修期間が短い
塾講師のバイトにはマニュアルや先輩の授業を見る機会があります。
塾ではしっかり研修をしています!というところが多いですが、
簡単な説明と見学で終わることが多いです。
【実際に授業するまでの研修例】
・マニュアルを読む
↓
・先輩講師の授業を見学する
↓
・実際に授業を担当(社員や先輩講師が授業をチェック)
↓
・授業後にフィードバックを受ける
↓
・1対1で何回か授業を受け持つ
↓
・1対2の授業を開始する(研修期間終了)
だいたい2週間ほどで研修期間は終了です。
私は大学2年生になったときに新規開校教室で始めたので、
最初から先輩ヅラしていました(笑)
こんなに簡単でいいのか?と不安になったものです。
全国に教室を構えている個別指導塾だったので、
もっとしっかりした研修があるかと思っていました。
②慢性的な講師不足
塾講師の授業は大学生が支えているので、
卒業した学生の穴を新しい学生で埋めなければなりません。
採用基準を上げていたら、学生が集まらなくて困ってしまいます。
私が学生の頃は時給780円なんてのがあったので、
塾講師の時給1,200円が夢のような仕事でした。
しかし、今は他のバイトでも時給1,200円なんてゴロゴロありますし、
授業の予習や報告書の作成に時給が出ない塾講師のバイトを、
わざわざ選ぶ学生も少ないです。
また、希望する担当科目以外を割り当てられることも多いので、
得意科目では当たりの先生でも、
苦手科目では外れの先生になってしまうリスクがあります。
わたしも学生時代、「代わりがいないから今日だけ頼む!」と言われて
社会を担当したことがありました。
社会は中学生の頃は得意でしたが、高校でダメになり、
ブランクもあったため、人様に指導するレベルではありませんでした。
今、自分が経営している塾なら絶対こんなことはさせませんね。
③教えるのがうまくなったところで卒業
塾講師は経験がすべてです。教える経験を積めば積むほどうまくなっていきます。
学歴の高さは関係ありません。教え方の引き出しの多さが大切です。
私が育成していた講師の中でも、早慶出身の講師より学歴は下の講師のほうが子どもたちからわかりやすいしおもしろいと人気がありました。
1年目より2年目、2年目より3年目と上達するのですが、
ほとんどの学生が4年目で辞めてしまいます。
アルバイト同士でノウハウの共有もされないので、
教室全体のレベルは上がりにくいです。
先にも書きましたが、
上達してきた講師が大学卒業後に塾業界に就職する人間は、
残念ですが非常に少ないです。
『塾業界 ブラック』で検索するといろいろ出てくるので、
気になる人は調べてみて下さい。
次のブログでは、当たり外れの見極め方をお伝えします。