alleycat

詩、気儘に短編小説。

alleycat

詩、気儘に短編小説。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

Algernon/詩

親の顔も知らずに 他人に雑に扱われながら生きてきた あってない感情 痛みを感じた日もあったのか それすら忘れる程 日々を生き抜く事で精一杯 見知らぬ誰かが置き忘れた 『Flowers for Algernon』 いつか誰かが言ってた様な チャーリイは幸せだったのか あるはずもない隣の温もりに そっと心を許せたなら 俺の足りないモノが補えたかな そんな馬鹿な事時には考える頭くらいはある スラムで生き抜く術 人の感情に鈍感でいる事 下手に同情しない それでも今夜位

    • Lost/詩

      ずっと迷子 生まれた時から 行き先不明 デパートの館内放送 迷子の知らせ 涙は乾いてる 宙を舞ってたはずの赤い風船 いつの間にか萎んで 足元に蹲る それは息絶えた子猫の亡骸 母親は構わずゴミ箱に捨て 私の手を引く 「ねえ、お母さん…」 私の声は届かない 私は透明人間だから 居ても居なくても同じ 喉のつかえが取れない 呼吸が浅くても誰も気付かない 気付かない振りをする 「私は必要なコ?」 心の中でずっと問い続けてきた 未だに答えはなく 私はまた独り 籠の

      • Butterfly/短編小説

        恋に落ちた瞬間の音を、僕は初めて知った。 そして、それと同時に僕は確かな愛を知る事が出来た。 いつも通りの通勤時間。 僕は周りの人より一時間程遅くに出勤する。 通勤ラッシュで、人混みを避ける為、会社側が配慮してくれたから。 電車に揺られ、二駅目の時に僕の肩に遠慮がちに置かれた手があった。 「もし良かったら、ここどうぞ」 柔らかい女性の声。 僕の手を取りながら、座席に誘導してくれた。 僕は彼女の方向へ頭を下げながら「ありがとうございます。助かります」と微笑んだ。 「いいえ

        • 狼少年/詩

          昔居た場所で ある人が私をそう呼んだ 狼少年 エアリプ 遠回しな攻撃 真実も真相も知らずに 自分の臆測決めつけだけで 私の中で醜いドロリとした 黒い感情が生まれた 私の中でその人を 密かに しかし確実に 抹消した 醜い私は何処へ行っても 狼少年 真実を全て曝け出す必要がどこにある? 私の苦悩や痛みや悲しみ 全て分かって欲しいと思わない 人は醜い そして私自身も

        • 固定された記事

        Algernon/詩

        マガジン

        • 27本
        • 短編小説
          3本

        記事

          氷の城/詩

          溶けだした偽り 表し始めた素顔 騙されていた愛は 行方知らず どこかで銃声が聴こえる 僕は耳を塞ぎ 目を固く閉じる 非現実的な世界にしか 愛や真実は掴めない そう確信したから 籠の中で生きてれば ずっとそうやって遮断してきた 飛び立つ勇気も無くなった 消えていく偽善 残った傷跡 この心を許せるのは たった一つの絆 僕はそれを 声を殺して 手首に刻む それしか愛と呼べないから

          氷の城/詩

          願い/詩

          二人だけの秘密が一つ二つ増える度 キミは僕よりどんどん先に老いていく まだまだ新しい一面 知らない顔を見せて キミと見る景色が僕と重なる時 僕はやっぱり幸せだと感じて 密かに泣いてしまう時もある まだまだ我儘で頑固で甘えん坊 ツンデレの子供のまま そうそれがキミだから 今日見たキミのビビリな一面 それは内緒にしておくよ まだまだ見たい先の景色 キミの瞳に映る僕 いつかキミが僕を忘れても 僕は君を忘れない 絆はずっと此処に

          願い/詩

          傷痕/詩

          無慈悲に打ち付ける雨は 頬を伝って流れるものと混じり 孤独を打ち消してくれる 都会の雨は寒い 皆早足でどこかへ帰って行く 俺の行き場所なんか何処にもない 目の端に引っ掛かった 偽善の言葉 選挙ポスター それが実現出来るなら今すぐやってみろよ 湿気たタバコに火は着かず 踏み潰したソレは俺の弱さ デモ行進に参加した彼女が言う言葉は正論 だけど俺の心の深くに刺さらない ずぶ濡れのパーカー フードを被り下を向く 行き場がなく 小さな声でなく野良猫 ぎゅっと抱き締め

          傷痕/詩

          Liar/詩

          越えられない壁は与えられない 無力な自分には もう選択肢はない 居場所を常に探してる それは死に場所かもしれない 嘘つき裏切り汚い卑しい心根 そんな事ばかり見てきた もう自分にさよなら

          Liar/詩

          promise/詩

          もし今私が地の果てに堕ちてしまっても 私の記憶に刻まれた貴方との愛だけは 必ず残る 私の病が少しづつ 身体を蝕んでいても 貴方がくれた愛を超越した言葉と心 私の脳の一部が欠損しても 決してそこだけは奪う事は出来ない 貴方が救った魂は 貴方が掬った言葉は 必ず此処に刻まれる そして いつまでも貴方と共に 『君だから愛してる』 真っ赤に染まった透明は 意地の悪い金魚みたいに私の手首に尾を巻き付ける ねえ 約束… 私は何処にも行かない だから信じていて 私は消

          promise/詩

          Moulin Rouge/詩

          踊り魅せて狂わせろ 腐った金持ち共の獣 虜にして酔わせろ 復讐は華麗に美しく 決して覚悟は揺るがない アヘンや酒より強い毒 お前のその誰にも負けない魅力 色気と気高さと大胆さ 脚を高く上げ ターゲットに打ち込め 最期の一発で仕留めろ 奴は恍惚とした死顔で 永遠の眠りに就くだろう そしてお前は本物になれる

          Moulin Rouge/詩

          鯨になった彼/短編小説

          ああ、またあのコがうなされている。 汗を額に滲ませて、苦しそうに寝言を繰り返す。 僕はあのコのいる、309号室の扉をすり抜け、少女の夢の中へと入り込む。 今日は結構苦しいな。 けれど、キミの為なら大丈夫。 安心して。もう楽になるからね。 僕は少女の悪夢を一つ残らずお腹に収めた。 これで安心。 ほら、もうぐっすり眠っている。 あ、次は別の場所だ。 僕は月明かりの下を駆けてゆく。 「お母さん、昨日もまた優しいコが来てくれたの。私の怖い夢全部食べてくれたの」 母親は優しい顔

          鯨になった彼/短編小説

          同義語/詩

          生きる事を強制させられた どす黒い鎖 浸かっていた温かく きっと清らかだったはずの水 引き摺り出された瞬間 この世に生と言う 重い鎖を付けられた 『生きる事は死ぬ事と同じ』 目に入る全ては灰色だ もう抗えない アルコールで流し込んだ精神薬 もう解放して 飛び越えた世界に希望はなくても それで構わない 何も感じる事は 無くていい 笑う様に咲く向日葵の季節 静かに消えて行きたい 歳を一つ重ねる前に

          同義語/詩

          だからこそ…/詩

          大切な存在だからこそ 負わせたくない負担 考える心と感性 震える夜に見上げた月は 何故か俺に優しい 『甘いものにはあんま癒されない』 そう言ってたアイツ 生意気で繊細なアイツ 本心は知る由もなく 俺も今 遠くでエールを贈りたい人がいる 近付く事も 俺を忘れてくれて構わない ドーナツの丸い空間から覗く世界 そこだけは無垢で居て欲しい 穢れなく生きれたあの頃 ネジ巻式時計を ゆっくりと過去に戻して

          だからこそ…/詩

          Merry Go Round/詩

          天使の皮被った狼が 月夜に生やした漆黒の翼 俺は静かに呼吸をした あのコが眠る檻の中 そっと鍵こじ開けくちづけを なあ いつまでそうしてる? いつまでも夢の中は幸せか? 青白く透けて見える血管は まるで硝子細工 今日は取って置きを持ってきたぜ 前に聴いてみたいと言ってたあのメロディー メリーゴーランドで流れるあの曲 無邪気な微笑みで囁いてくれ 冷たくなった顔に頬寄せ 最期二人 流れる景色に溶けて行こう もう 苦しむ事は何もない ただそこに 愛がある事に 変

          Merry Go Round/詩

          square/詩

          群れの中心人物が居なくなれば 後ろ盾は無くなり 全てのボロが出る 様々迷える子羊 黒い腹ん中 見え透いた優しさは偽善者 傷の舐め合い 同情乞う術だけ身に付け それが世渡り上手か? 自分だけの言葉で 自分だけの力で闘えよ そんな1mm程度の根性なく 強い者には巻かれる狡賢さだけ備えて 純粋な想いとは呼べない 誰かに縋って庇ってもらうだけ それが自己顕示欲 自己愛の強さ ある意味中身の成長止まったまま いつまでもホンモノにはなれない 一生偽物 社会不適合者

          square/詩

          合わせ鏡/詩

          なぜ キミの目に留まったのだろう なぜ ボクのココロが音もなく 開いたのだろう 歩いてきた道程 突っぱねた不器用な生き様 甘え方を知らない 時に人を騙し騙され傷を負い 償い続ける現実に 目を背け 見知らぬ街へと流れ着きたくなった 同じ翳持つキミに 瞳を盗まれたあの日 想わずにはいられない キミの翳とボクの翳 合わせ鏡の様に 今日もキミの愛してるを なぞっている

          合わせ鏡/詩