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Lost/詩

ずっと迷子
生まれた時から
行き先不明

デパートの館内放送
迷子の知らせ

涙は乾いてる

宙を舞ってたはずの赤い風船
いつの間にか萎んで
足元に蹲る

それは息絶えた子猫の亡骸

母親は構わずゴミ箱に捨て
私の手を引く

「ねえ、お母さん…」
私の声は届かない

私は透明人間だから
居ても居なくても同じ

喉のつかえが取れない
呼吸が浅くても誰も気付かない

気付かない振りをする

「私は必要なコ?」

心の中でずっと問い続けてきた

未だに答えはなく
私はまた独り
籠の鍵を厳重に締める

もう良いよ…
残りの命の期限
誰にも心開かずに

私には無関係
汚いやり方する人は
私の中では全て削除

私は私だけの世界で
タイムリミットを待つだけ



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