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3-2. 最強のふたり【映画レビュー】

今回紹介する映画は僕が最も好きな映画のうちの1つです。

一言でこの映画を表すとしたら

「心温まる、エネルギッシュなヒューマンドラマ」

ですかね。とにかく見ると優しい気持ちになりますし、自分自身のこの映画からパワーのようなものをもらうような気もします。

この「最強のふたり」は2011年のフランス映画です。日本で公開されたフランス映画の中で歴代1位の興行収入を記録し、フランスでも歴代観客動員数第3位になった大ヒット作品です。7~8年くらい前なので、僕の世代はこの映画を知らない人が多いような気がします。あまり話をする場もないので、ぜひここに書いておきたいと思いました。

また今回も簡単なあらすじを書いていきます。でも実際に見てほしいので過度なネタバレは避けます。

◎最強のふたりのあらすじ

富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は頚髄損傷で首から下が麻痺し体を動かすことができない。そのためフィリップと秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)は、住み込みで働いてくれる新しい介護人を雇うため面接をしていた。その頃、ドリス(オマール・シー)は失業保険が給付終了間近となった。そういったことで給付期間延長してもらうために採用面接の不合格通知書類を集めていた。そして他の職場と同様に、フィリップのところでも不採用通知書類を貰おうとしていた。フィリップは他の面接に来た候補者は気に入らず、介護経験のない、おおよそ介護職とは縁の遠いであろうドリスを、周りの反対を押し切って雇うことにした。

試用期間として1か月フィリップの介護人として住み込みで働くことになったドリスは、これまでの生活の変わりぶりに喜びながらも慣れない介護をしていた。かなり雑な介護ではあったものの、フィリップを病人としてではなく、1人の人間として扱ってくれるドリスと次第に仲良くなっていく。そうしてタイプの異なる2人の暮らしが、生き生きと色鮮やかなものになっていくのだった。

簡単にまとめると、体の不自由な富豪と、介護人となった貧困層の若者のコミカルなヒューマンドラマです。僕がこの映画を見たのは21歳のころです。友人から借りたDVDの中にありました。そのころはアクション映画やスリルのある映画を好んで見ていたので、この映画は今度今度と後回しにしていました。アクションにも飽きてきたころ、休憩がてらBGM代わりにでもしようと再生してみた記憶があります。

そうしていつの間にかのめり込んでいました。それまで動きの激しい、よく爆発する映画ばかり見ていたので、この映画はより鮮明に僕の記憶に焼き付きました。タイプの異なる2人が互いに歩み寄ることで、ここまで人生が明るく生き生きとしたものになるのか!と、当時の僕は強く思いました。

たぶん、のめり込んだのは冒頭のドライブシーンですね。無茶な運転をドリスがして警官に追われます。そして捕まるのですが横に乗っていたフィリップの機転でうまくやり過ごし、車の中で音楽をかけノリノリで歌う場面はとても印象深かったです。ぜひこのシーンも見てほしいです。

僕がこの映画が好きな理由、もちろん面白いからなんですけども、おそらくここまで好きになったのは別の理由なんだと思います。当時20そこそこだったんですけど、あまり多様的な性格ではありませんでした。自分と違った価値観や人間を見下す、とは言いませんが「自分とは関わることのない人間」として一線を引いて生きてきたのだと思います。無理に他人に合わせる必要もないし、合わせてもらう必要もない。わりと冷めた人間だったと思います。

今も冷めてはいると思うんですけども、こうゆう考え方だったのでこの映画は鮮烈というか、僕の中に別の考え方というものを残していったのだと思います。自分と考え方の違う人間と無理に関わる必要はない。それはそうなのですが、だからといってはじめから壁をつくって拒むこともないのではないか。自分と異なる価値観、性格、考え方と出会うことで、もっと豊かな気持ち、幸せな気持ちになれるのではないか。そう見終わった後に思いました。

フィリップは富豪で、老人で、体が不自由で、堅物な性格。クラシック音楽や絵画などの美術を鑑賞することが趣味。
ドリスはスラム街出身の青年。誰に対してもため口で自分の気持ちを正直にぶつける。ノリのいい音楽が好きでよく踊る。
こんなにもタイプの違う2人がお互いの価値観や趣味と触れることで、これまでの人生ではなかった体験や思いをする。こんな素晴らしいことが世の中にまだまだ溢れているんだという多幸感が得られるのがこの映画の醍醐味だと思います。

実際僕もこの映画から受けた影響は大きいです。言い過ぎかもしれませんが、この映画に出会えたからこそ今の自分になれたのかもしれません。

是非、「最強のふたり」見てほしいです!
ここまで読んで下さりありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします!!

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