グツグツと。/それからはスープのことばかり考えて暮らした

大好きな作品です。寒くなってきたこの時期にぜひ。

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それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

たくさんの経験。人生。その中で生まれたたくさんの思いや感情。

料理って、作る人のそのときの気持ちが表れる。

たとえ特別なことをしていなくても、
「美味しくなれ」や食べる人のことを思って作ると美味しくなる。
またその反対も。

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あの一瞬は私にとってかけがえのない時。

たった数秒が、数時間にも感じられる。

でもあなたの作った、たくさんの具材が溶けたスープを食べたときも、
その一瞬が長く、だけど一口でふわっと全て感じられた。

決して永遠という言葉では表せない。

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みんなが優しく愛に満ち溢れていて、
でもどこか不器用で。

彼らが口にするたった一言でも、
その中にいろんな感情が混ざり合っていて、
登場人物みんなを抱きしめたくなる。

読み終えると
「よし、私も”スープ”を作って食べよう」と
台所に向かいたくなる、そんな作品です。