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周りに優しくできるようになった営業時代の夏

数年前の夏。僕は東京の会社でインターンとして働いていた。人生初の営業職。右も左も分からない田舎者の僕は、仕事ができるか不安だった。

不安でいっぱいだった僕を救ってくれたのは、優しい先輩方。入社1〜3年目の方が複数人いる部署だったため、歳も近くすぐに馴染むことができた。失礼な言い方になってしまうかもしれないが、サークルの先輩みたいな感じ。それほど優しい先輩たちばかりだった。


先輩が優しいからと言って、僕がすぐに仕事に慣れるわけではない。社会人としての受け答えから営業マンとしての極意まで、指導していただく内容についていくのに必死だった。

未経験が営業の現場に出るまでの流れはこんな感じ。

・商品やサービスについて理解する
・説明できるようになる
・ロープレで説明に慣れる
・ヒアリングができるようになる
・ヒアリング内容をもとに提案する
・ロープレに合格し現場へ

入社先がシステム系を扱う会社だったため、サービス理解が本当に大変だった。慣れない単語やイメージできない内部構造。先輩方には何度も教えていただき、なんとか現場に立てることになった。


現場に立ったら立ったで、イレギュラーの連続。オンライン商談がなかなか繋がらない、先方の言っていることが理解できない、何を提案すれば良いか分からない。ロープレでは体験し得ないことばかりで、その度に先輩を頼っていた。「確認しますので、少々お待ちください」と何度言ったことか。

横にいる先輩の助けを借りながら、なんとか商談は終了。自分としてはあまり良くない出来だと感じても、先輩方は「ナイストライ!」と褒めてくださった。この言葉に何度も救われてきた。


毎日必死に食らいついて、先輩に質問して、商談して。数ヶ月もすれば、一人で商談ができるようになった。

これも、全部温かく見守ってくださった先輩方のおかげ。一人や二人ではない。同じ部署の5人の先輩方が本当に良くしてくださった。

数年経った今でも、あの時の恩は忘れられない。何も分からない新人に根気強く向き合ってくださる姿勢。人に言うだけでなく、自分も結果を残し続けるカッコ良さ。「この人たちについていけば問題ない」と何度思わされただろう。



新人時代に素晴らしい先輩方に囲まれた僕は、新しく入ってきた人のフォローを率先してやるようになった。少しでも早く馴染めるように。何でも聞ける雰囲気にするのはもちろんのこと、周りとも溶け込めるようにご飯なども誘う。

「フォロー頼むね」と誰かから言われたわけではない。過去に僕がたくさんフォローしていただいたため、その恩を違う方に返しているだけ。恩送りってやつ。


恩送りは仕事だけの話ではない。生きていると、周りからありがたいことをしてもらうこともあるだろう。本人に直接お返しができなくても、違う人に自分らしい形で何か貢献すればいい。自分の周りには温かい空気が流れるように。



数年前、本当によくしてくださった先輩方へ。先輩方のおかげで、人に優しくできるようになりました。言葉も姿勢もカッコ良い先輩方に追いつけるよう、僕らしくまた頑張りたいと思います。本当にありがとうございました。




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