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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:影の騎士真珠の姫 第一話 影の真珠姫

あらすじ

 エルフリア王国の第一王女、フィーネペルルは鏡の向こうの自分に姫君らしからぬ悪態をついた。鏡の向こうには異端の自分が映っている。人々が持ってない能力を姫はいつも嫌悪していた。年を経るごとに出来る事が増えてくる。よからぬ能力も共に。いつか魔女裁判にでもかかるのではないかと思う。
 
 そうなれば笑いものだわ。一国の王女ともあろうものが。
 
 亜麻色の美しい髪を櫛で梳きながら、フィーネペルルは思う。やがて、簡単に身なりを整えるとリードを手にする。すぐに愛犬、エルフィが走り寄ってくる。
「いい子ね。朝の散歩に行きましょうね」
 優しい声で言うとリードをつける。そしていつも通りに王城から森の泉へと歩を進める。エルフィはいつものものにいつものように興味を示しながら進んで行く。
「エルフィのようにいい子だったらいいのにね」
 朝のすがすがしい散歩のと裏腹にフィーネペルルの頭の中は嫌な自分を思い出していた。気持ちは見かけと違って黒い鉛を飲み込んだように重かった。それがもう、何年も続いている。幼い頃は何も思わず素直にいられた。だが、自分の隠れた能力があらわになると引きこもり気味の姫となった。両親は非常に心配して、このエルフィを与えた。普通に愛情を持って世話は出来る。引き籠もらずにもすんでいる。エルフィのおかげだ。この子にいつも救われる。そのエルフィが急に走り始めた。
「エルフィ!」
 引っ張られながら泉のほとり行くと、一人の騎士が怪我を子猫をなんとか治療しようと悪戦苦闘していた。猫は野良猫出身らしい。飼い猫ならばあんなに暴れない。
「その子、貸してくれませんか?」
 フィーネペルルはすっ、とそう言葉を書けていた。騎士と目が合う。一瞬、世界の時間が止まったように感じられた。最初に目をそらしたのは騎士の方だった。視線を外すと子猫を渡す。
「いい子ね。痛いの痛いの飛んでいけー」
 フィーネペルルは傷の幹部に片手を当てて優しく言う。子猫も大人しい。
「その子も君なら納得するんだね。俺はダメな父親だな」
「あなたの猫なの?」
 フィーネペルルは片手を当てながら騎士に問いかける。不思議と安心できた。
 いいや、と騎士は言う。
「この森の中で親猫はぐれているところに出くわした。そしてこの子は獲物取りの罠に引っかかっていたんだ」
「まぁ。可哀想に。痛かったわね。助けてもらってよかった。ほーら。もう、痛くないわよ」
 フィーネペルルは優しい眼差しで子猫の喉を撫でる。子猫の傷は跡形もなかった。騎士は驚きの眼差しで見る。
「この事は内密に。魔女狩りに合いますので」
 騎士は驚きながら肯いて、不思議そうにフィーネペルルを見た。
「私が怖い?」
 いいや、と騎士は言う。
「ちょうど怪我が治って助かった。これから雇い主の下に行かないといけないのでね。ありがとう」
「こちらこそ」
 フィーネペルルは自分を恐れない初めての人間に出会った。いや、両親を除いた場合だ。
「名前を」
 立ち上がったフィーネペルルに騎士が聞く。
「通りすがりの奇妙な女です。名乗るほどではありません。エルフィ行きましょう」
 エルフィは騎士の膝に乗っている子猫の匂いを嗅いでいたが、リードに引っ張られて、森の奥にとフィーネペルルと共に消えていった。国民から真珠姫とも呼ばれるフィーネペルル。この出会いが、必然だったことは嫌というほど、思い知らされる事となるのだった。


あとがき
ネタに詰まってついにこれを取り出してしまいました。執筆は続いているのですが、キリの良いところにならなくて。この三作品をローテション組んでお届けします。ちょっと、どきどきの恋愛シーンも着いてくるんですが。今の所すんでの所ですんでます。これからはどうなることやら。ちゅーが使えないから困る。まぁ。題名を間違ったりしますが。「星彩の運命と情熱」がすでに間違っていた。「絆」を入れていましたが、これは未執筆の新作の題名の一部でした。これも難関で。ChatGPTさんと情報を引き出しながらあれはどう? これはどう? と確認の情報と名前の設定ぐらいしか使ってません。なので共同作業にはならないです。勝手に文章を書いてくれたときもありますが、全部没になってます。AI生成の小説にはしたくないので。自力で書いてます。なので、筋道から外れることはしょっちゅう。予想外のことが起きつつあるのがこの作品。設定から大きく外れて大変です。この作品もよろしくお願いします。読んで下さってありがとうございました。

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