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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:煌星の使命と運命の絆~星の恋人達 第六話 リュミナの湧聖

前話

 どれほど歩いただろうか。馬も使えず、路銀を考えると幌馬車にも乗れず、歩くだけでアステリアはあの煌星の神殿にいた頃が懐かしく、帰りたくなっていた。
 行けども行けども舗装も雑な街道を歩く。
 
 アステリアの気持ちは漫然とし始めていた。
 
「帰りたい」
 ぽそっと、アステリアの口から言葉がもれた。
「父さんに会いたい」
 いつしかアステリアはぽろぽろ涙を流していた。ぎょっとしたのはアルカイオスである。ふっと視線を先にやれば森があった。あそこには神聖な泉があると聞いてた。
 
 確か、「リュミナの湧聖」と言ったか。アステリアの気持ちをほぐすことができれば。アルカイオスはアステリアを抱き上げると森に向かって歩いて行く。
「アル?!」
 余りのことにびっくりして涙さえ引っ込むアステリアである。
「あの森には『リュミナの湧聖』という泉がある。そこでアスティが落ち着ければ良い」
「アル……」
「俺に聞かないでくれ。どうしてこんな真似をしているか自分でもわからないんだから。ただ。アスティの涙を見たくないだけだ。たまには休憩もいい」
 そう言ってずんずん歩いて行く。その後ろをレイナが追っかけてくる。いつの間にか深い森に入っていた。だが、迷わず歩くアルカイオスにアステリアは驚きを隠せない。
「場所知ってるの?」 
 知らん、という答えが返ってきた。
「が、どっちに行けばいいとかはわかる」
 そうこうしているうちに視界が開け、泉が現れた。その泉には小さな虹がかかり、小動物達が飲み水にしていた。アルカイオスはアスティを降ろす。
「存分に飲め。飲むと心が落ち着くと聞いている。水芸ができるぐらい飲んで心を落ち着かせろ。俺はここに座っているから」
 そう言ってどかっと芝の上に座る。レイナがアステリアを手招きする。
「すごい透明度よ。アスティ。はやく~」
「はいはい」
 急にお姫様抱っこされたり手招きされたり、えもいわれぬ泉に連れてこられたり、とアステリアの心は驚きに満ちていた。さっきの暗い心はどこかへとんで行っていた。
「ほら。泉の水きっと美味しいわ。こんなに人気なんだもの」
 そう言って小動物達を見る。そしてレイナは自分の水筒に泉の水をどかどか入れている。アステリアはそっと水をすくう。ひやり、と冷感が心地良い。口に含む。
「美味しい。アルー。あなたも飲んだら?」
 振り返えるとアルカイオスはばったり寝ていた。
「ほんとデリカシーのない人」
 そう言って見た泉にとんでもないもない映像が映し出され、アステリアの心臓はびくん、と跳ね上がった。


あとがき
胃痛です。足も痛いけれど胃が痛い。カイロをついに貼りました。そしてニュースだらけだった国営放送はサブチャンネル使いながら阪神戦中継です。でも、やばい流れ。痛い痛いといいつつ、「煌星の使命と運命の絆~星の恋人達」最新話書いて更新準備です。

美少女魔術師シルバーレイク様が暴走中。なんで知ってるの? と思いつつ、書いてました。謎が多いシルバーレイク様。この人に振り回されそうです。

次に目指す所がまだ考えられない。ChatGPTさんにヒントをもらおう。か、キャラ表から魔力を上げる修行に出すか。次の星の守護者を出すか。ですね。アーキタイプの研究がいる。次はなんのアーキタイプやら。シルバーレイク様はトリックスターかも。どっちにも転ぶ。ただ、アスティをお気に入りなのでアスティ様のなすがまま。(笑)

と、次は今日の英会話劇をひとつ書きます。英検必要かも。

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