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【連載小説ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第三話 満月の下の舞

 前話

 レオポルトはフロリアンを送り届けると湖に急いだ。
「遅いわよ。レオポルト!」
「ごめん。夕食が長引いて。親父さんがベロベロに酔って……。で、君、セレスティア国の姫さんだろ?」
「そうよ。それが何か?」
「何かって」
 開き直られてレオポルトは驚く。
「今日は舞うためにここに来たのよね? その腰に付いている剣はお飾りじゃないでしょ?」
「え?」
「え、じゃないわよ。フェリシアの気配からしっかり炎の国の気配があったわ。しかも、大層高い身分のお家に行ったようだし」
「それでも待っていたのか?」
 レオポルトは驚く。この大胆な舞姫には参る。
「インフェルニアには剣舞があるんでしょ? 一緒に舞いましょう」
 ユレーネが手を引く。冷たいと思っていた手は温かかった。
 
 ユレーネが手を上げると腕輪の鈴がシャン、と鳴った。
 そのままリズムを作り出す。ユレーネが舞い始める。
 レオポルトは身分がバレたのにショックを受けていたが、頭を切り替えると剣をすらりと抜いた。そしてユレーネの舞に合わせてて舞い出す。
 舞はアップテンポになったり、スローになったり、ユレーネの思いのままに進む。
 いつしかレオポルトはユレーネに剣舞を託した。
 滅多に人に頼り切らないレオポルトだが、ユレーネに全てを預けていた。
 どれぐらい舞っただろうか。いつの間にか二人は湖の氷の上で背中合わせで座り込んでいた。
「なかなかの剣舞ね。いい腕だわ。でも、その剣、この国の剣よね?」
「わかったか? この国に懇意の武器屋さんがいるんだ。今度は両手剣の製造を頼んでいる」
「戦の準備?」
 ユレーネの声が少し悲しげに聞こえる。
「いや、我が国の身から出た錆を退治するためだけのものだ。このセレスティア国を狙っているヤツが我が国にいるんだ。俺はもう。氷と炎の対立を終わらせたい。共存して生きていくことは間違ってるのか?」
 レオポルトは言う。
「ちょうど、私も同じ事を思っていたわ。だからあなたをこの冒険へ誘ったのよ。私達の味方になってくれそうな人、心当たりある?」
 レオポルトはうーんとうなる。
「一人、親友の騎士がいる。だが、国の面目を立てるための騎士だ。味方かどうかは……」
「私も舞姫の一人の親友がいるわ。その子を巻き込むべきか迷ってる。でも助けは必要よ。二人きりでこの二国間の対立を終わらせられないわ」
「そうだな。その前にうちの厄介者をなんとかしないとな」
「厄介者?」
 ああ、とレオポルトは話し出す。長い夜になりそうだった。


あとがき

大胆な姫さんです。それに巻き込まれる周り、なんです。まぁ、レオポルトもレオが付いているだけあって猪突猛進ですけど。この話は占星術的な要素も入ります。今の所は性格設定だけですが。水瓶座と獅子座の典型的な性格設定をChatGPT解説してもらいました。他はアドルフ関係で考えたいですね。ChatGPTが規制される前なら。暗黒の星とかなんか考えたいです。またChatGPTとおはなししておきます。これはどうだ?と突っ込むので。あれは?とか。うるさいと言われそうなほど聞き返します。では。とりあえず、今日はここまで。ショートショートとエッセイの勉強はまた後で。
読んで下さってありがとうございます。

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