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La Belle au bois dormant

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ファンタジー小説です。 盗賊の少女は、大陸を救う為の『鍵』だった――。
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La Belle au bois dormant第一章Pas de Six➁

第二節:犬猿の仲



紅茶の香りが鼻を掠めて、クロエは目を閉じ、首を振る。目の前には国賓預言師が神妙な面持ちでこちらを見つめており、又隣には顰め面をした男が自分と同じように紅茶を啜っている。

 状況は昨日と何も変わっていない。一晩開けてこの邸に再び集合し、そうして今は更なる詳細を聞いているところだ。

「カドーがアストゥリアス国出身の人達で、インヴィッテがネルーダ国の人たちだって話だけど…

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La Belle au bois dormant 第一章 Pas de Six➀

第一節:夢に見たもの

 

 何も無い、真っ暗闇の中。

 見えるのは『黒』、聞こえるのは『静』ばかり。

「――――」

 誰かに呼ばれた気がして振り返っても、そこに広がっているのは無限の闇。

 クロエは1人で、周囲を見渡し溜息を吐いた。

「また、この夢なの?」

 最近この夢ばかりで、正直うんざりしているのだ。

 夢を夢だと認識している時点でおかしなものだが、それ以前にこのような夢を見

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La belle au bois dormant~序~

La belle au bois dormant~序~

 その昔。

 世界は、女神によって平和に保たれていた。

 女神はその地に生きとし生けるもの全てを愛し、育み、そして守ってくれる存在だった。

 けれど女神に愛されるためには、自分たちから女神を愛さなければならない。

 そうして厳しい戒律を守り、信仰を貫いた者たちだけが『至上の幸福』を手に入れることができるのだ。

 その大陸に住む人々は、そう教えられて育った。

 

 けれど、非理性的な信

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