【ショートストーリー】月の見える窓
部屋を探していた時、
東から西まで見渡せる
大きな窓がある部屋に決めたのは、
その窓から月が見えるからだった。
三日月は西の空に見える。
満月は東の空からのぼる。
上弦の月は南の空に見えるから、
東から西まで見渡せる
大きな窓でないとだめだった。
その窓のすぐ下に大きなテーブルを置いて、
私は何をする時もそこにいた。
編み物をする時も、映画を見る時も、
音楽を聞きながら犬とくつろぐ時も…。
満月がだんだんと南の空高く
移動していくのを見ているのも好きだった。
晴れている