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#詩的散文

プラネタリウム

プラネタリウム

光の道が反射して二つ
鏡のように
あれは鏡なのかしら
138億年前の宇宙の果て
辿り着けるかしら
私たちは一瞬で旅をしてきた

光なんて
人間の目だけのもの
それ以上の観測の目を持たない
本当の観測者は外にいるのだから
abc予想のように

寂しい

さみしいねさみしいね
一緒にいる人がいたって、さみしいね
不完全なわたしは埋められないねあなたには
埋められる人は最初から遠くにいたんだっけ

わたしは愛されない

どうしたらいい
見捨てられ不安
私をみんな見ない
わたしは愛されたい
わたしは愛されたい
昔から万人に愛されたいのに
真逆なんだ
お前は要らないんだ
些末な存在なんだ
声が届かず無視され
ただ付いて回るだけの
そしてすがり付くだけの
それはそれは鬱陶しく
邪険にされる存在

自嘲

自嘲

愛の唄の深淵を聴いたよ
とっぷりと浸かった海の深遠
さざめき蠢き 意識が芽生えた時
私は二人ではなくて
この星では
デフォルトが一人なので
一人で歩かなければならなかった
嘘つき偽り 薄っぺらな言葉を並べ立てて
連なっている人達も居た
私はみんなのようには上手く出来なかったので
透明な鱗を見ていた
親指と人差し指の間にダイヤの形
私にはこれがあるから大丈夫
そこには、そこには何も無いのに
夜の海で

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愛されなくて当然のありのままの私

愛されなくて当然のありのままの私

ある一言で瓦解した私は。
今まで必死にぼろぼろの身体で積み上げていたものが一気に崩れ去ってしまった。
あとにはなにもない、なにもない。
何者でもない私。
お母さんの残した宝石は私が死んだらどうなるんだろう。
悔しい。あの人に勝ちたい。
でもあの人には認識すらされていないだろう。
ただのモブ。
どうして。
どうしても、私にはなにもなくて。
ああ見透かされていたんだ。
あなたにはなにもないよねって

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声を思い出したよ

声を思い出したよ

母の声がして
母に似た姿が見えた
それまで母の声を忘れていた自分に気がついた
お母さんが帰ってきた
と思ったのに
お母さんが帰ってきたらいいのに
と思った
完璧に現実だと思って掃除機を隅々まで、ほんとに隅々までかけていたのに
この世界は夢だなと気づく
せっかく一生懸命掃除したのに
覚めた視界がまだ波打っていた
父が母に会えたかしら
この世界では2度と元気な母に会えない
会えない
帰らないんだよ

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なりたい自分になれなかった

なりたい自分になれなかった

私はいない
私はここにいない
素敵なわたし
写真を撮られるわたし
羨望の眼差しと共に
そして9頭身の身体に妖精のような白い肌
写真を撮るわたし
1枚あげたら100万のいいね
そんなそんなそんな
めくるめく夢のわたし
なぜ
なぜ
ここにいるのはだれ
これがわたし
ずいぶんつまらない人生だこと
何が運命か
そんな事で死にたくなるわたし
死ぬしかないのよ
わたしにはそれしかないの
タナトスだけが
常に刃

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