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10年ぶりに『星の王子さま』を読んだ

日曜日の昼下がり、10年ぶり、26年の人生で3回目の『星の王子さま』を読みました。

初めて読んだのは、小学生の時の課題図書。絵を描くのが好きだった私は、大蛇に触発されて、「この絵何に見える?」と、次々に描いては両親に見せていました(笑)。

2回目に読んだのは、高校生の時、英語の勉強の延長線で。"受験勉強"に疲れた 私を、優しい英語とイラストで癒してくれました。でも、ネイティブではないし、「ほんとうの意味」では物語を理解してなかったかもしれない。

そして今日、人生で3回目に、『星の王子さま』を読みました。理由は単純で、明日、箱根にある星の王子さまミュージアムにいく予定だから。です(笑)。

前置きが長くなりましたが・・・久しぶりに、読書感想文とやらを、このnoteの場を使ってやってみようかな、と。

ものごとは心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目には見えない。

星の王子さま(正確にはキツネ)の最も有名で、最も深いとされている、この言葉。1回目と2回目に読んだ時は、素敵な表現だなとか、素敵な英語だな、としか思わなかったけど、今回は2時間くらいをかけてゆっくりと、でも一気に『星の王子さま』を堪能したことで、その言葉について考えられるようになっていました。

王子さまは、たくさん質問するし、一度疑問に思ったら諦めずに問い続けます。「なんのためにするの?」「なんのためにあるの?」と。

普段の日常や仕事でも、「なんのため」を明確にして行動しよう。とはよく言われていて、その理由も理解できていたつもりでした。それは、納得するためです。目に見えるようにしたり、数字にしたりすることで、人に伝えられるようになるし、その過程を通じて自分でも理解ができるようになる。

それは間違いないけれど、見えるようにしたり、数字にしたりする過程で、大事なこともそうでないことも、いっしょくたにしているかもしれない。それって怖いことだなって考えながら読んで、思いました。

本当に大事なこと、本質的なもの、変わらないものを、実は大事ではないこと、見えかけのもの、いつか変わりゆくものと、同じように見たり、捉え違えたりするから、こんがらがる。

自分にとって大事なものが他の人からすると大事ではないかもしれないし、逆に、他の人にとって大事なものを、自分はおざなりにしているかもしれない。

そう思った時に、怖いなと思ったし、気がつけてよかったな、とも思いました。

日常生活や仕事で、もしくはヨガをしている時、思わず他と比べてしまってそれを相手に訴えて求めてしまったり、自分を悲観的に見てしまうことがあっても、相手はそれを知らなければ、大事にしていない観点だったとしたら、戸惑うだけです。

なんで皆して、わざわざ日々の移動や、キャリア、人生を急ぐんだろう。その時間を歩いてもいいし、ゆっくり味わいながら成長してもいい。生き急ぐという言葉がありますが、ネガティブに使われる意味が改めて分かったような気がします。

違う星に生まれていたら、日本や地球で当たり前と思っていたことも、当たり前じゃないかもしれない。

そう考えると、怖いと思ったけど、むしろ気が楽かもしれないな、と。だって「この星にはあなたしかいない」から、少し上の世界から、客観的に物事を見る。その王子さまの姿勢に、感服です。

いちばんたいせつなことは、目には見えない。としたら、どうやって見つけるのかというと、たったひとつの自分の心で感じることだ。と王子さまは教えてくれます。誰かに言われたりちらっと見たり数字で可視化されたものではない、自分の心でしかいちばんたいせつなことは分からない、ということです。

王子さまが、あの一輪のバラを大事にしようとする気持ち、費やした時間、それが無意識にだったとしても、バラが王子さまの中で「かけがえのないもの」になったのは間違いありません。

愛する人や対象に対する気持ちもそうですし、自分の存在もまた、かけがえのないもの。自分を大切に生きる、それがゆっくりのペースでも、他の人とは違う大切の仕方でも、「ああたいせつなんだ」と心で実感できることはこの上ない幸せですよね。

丁寧に取り組んだヨガや、しっかり手をかけた料理、きれいに掃除をした部屋などに自分が自分自身に癒される、自分自身を大切にできている、と思えるのは、やはり比べものにはならないし、言葉にするのも難しいけど、かけがえのない幸せだな、と思います。

素朴で純粋な星の王子さまに勇気をもらいながら、明日からの生活も思い切り楽しんでいきたいな。

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