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介護職経験のない老人ホームの施設長【尊敬、接遇】

こんにちは、アルゴです。

仕事の合間にKindle書籍執筆、YouTube動画制作などをしている毎日です。

noteはたまにしか更新できませんが、今後もやめることはありませんのでよろしくおねがいします😉


今回は『介護職経験のない老人ホームの施設長(ホーム長)』というテーマについてお話したいと思います。

私の過去の職場は地域性もあるのか、いずれも『ホーム長』と呼ばれていたりもしたのですが、統計的な観点からここでは『施設長』と呼ばせていただきます。


最初に言っておきますが、私自身は施設長経験があるわけではありません。

相談員業務や施設長の補佐業務で営業、事務なども行ってきましたが、あくまで施設長経験がないので、主体的な体験談が書けるわけではないです。

その点、ご理解ください。


ただ、私は現在、規模は小さくとも個人事業で介護保険外サービスを営んでおりますので、社長の身であります。

経営の大変さを知った観点から、今回の記事を書いてみたいと思いました。

介護職経験のない施設長


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介護職の皆さん。

お勤めしている施設の施設長は介護職出身の方でしょうか?

私が務めた施設と、在宅サービスがらみで付き合いのある近隣施設の施設長は、介護職経験のない方が圧倒的多数です。

生活相談員やケアマネジャーなどソーシャルワーカー出身の方が多いですね。

生活相談員だと現場出身の方も多いのですが、施設長になるくらいの方であれば、大学卒業からそのまま相談援助職、あるいは異業種からの転職という方もいます。

介護職出身で施設介護現場の苦労もわかってくれる施設長であれば、働き手にとってありがたい存在なのですけど、なかなかそういう方はいません。
(^_^;)


現場で十数年働いていた身としては、現場職員間で施設長などトップ層に大しての愚痴は多いです。

「💢現場が人手不足だというのに、施設長は全然、現場に手伝いに来ないじゃない」
「💢いやいや、どうせ施設長は現場経験ないから、来られてもおむつ交換のひとつもお願いできないわ」

こんな感じです。

もっとひどい場合には

「💢施設長や事務所の人は、私たち現場介護職のおかげでメシ食べてんのよ」

・・・・と、こんな極論も聞きました。


私自身も当時は現役の現場職員(リーダー)として、上に不満がゼロなわけではありませんでしたが、「そんな言い方は身勝手だなぁ…」と回りの愚痴を聴きながらも思っていました。


逆に私がその現場職員たちには

「😓施設長の代わりに営業言ってみろよ!」

「😓施設長の代わりにクレームの対応してみろよ!」

「😓施設長が外部に頭下げてくれるから、入居者が入ってきてくれるんだよ!」

・・・・こんなふうに言いたかったです。(言ってはいない)


現場の介護は現場職員の仕事・・・外回りやクレーム対応は施設長や事務所の職員の仕事・・・・

個々の役割を理解していないと、とんでもない愚痴も出てくるものです。


現場派の施設長もいたけど・・・


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以前いたA施設では、A施設長が積極的に現場に出て、食事介助をする姿もよく見られました。

しかしそもそも私は
施設長はそんなに頻繁に現場に出てくるべきではない…
・・・そう思います。

施設長が現場に来て手伝ったところで、
30人のスタッフが31人になるだけです。

施設の規模が大きいほど、1人のプラス(手伝い)というのが無意味な労力になります。コストパフォーマンスが悪いです。

それよりも施設長しかできない仕事があるから、それをやってくださるだけで良いのです。

これは生活相談員や施設ケアマネジャー、事務員にもいえることです。

事務系職員が現場に出るのはイレギュラーな時であるべきで、それが当たり前になると大変です。

今度は事務系職員のルーティンが終わらず、そちらが人手不足のように思われてしまうからです。

そのA施設では、事務所職員が現場へ応援するという状況が続き、結局事務職員を増員するという本末転倒なことが起きていました。

私の尊敬する最高の施設長


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私には、今も尊敬してやまない施設長がいます。

そのB施設のB施設長は、やはり介護現場職経験のない方であり、他業種から移ってきて施設の立ち上げを任された方でした。私が出会った時は60歳を超えていました。

私は中途入職なので、立ち上げから10年以上経ったときに入職しました。なので立ち上げの苦労も何もわかりませんでしたが、入った時からそのB施設長には様々なことを教わりました。

B施設長が口をすっぱくして言っていたのが、「接遇」です。

当たり前のことなのかもしれないですが、そのB施設長の接遇は天下一品で本当に素晴らしいものでした。

毎朝出勤すると、120人以上いた入居者の方全員に声をかけ、「今日は体調いかがですか?」と丁寧な挨拶をしてまわるのです。

施設長の出勤は9:00からでしたが、7:45くらいには出勤し、現場をまわるのです。自分の時間をそのように使って、それを施設立ち上げ以来、ずっと継続し続けていたのです。

もちろん、現場で働く職員一人ひとりにも名前を読んで声をかけます。

そんな施設長の元気で優しい挨拶が現場にあふれ、B施設の朝は本当に明るい雰囲気が漂っていました。

当時はそんなにすごいこと・・・と思いませんでしたが、自分が年齢を重ねるたびにその凄さが実感できました。

トップが変わるとこんなにも変わるんだ・・・と思ったのは、そのB施設長が退職されてしまった時です。


noteではB施設長の素晴らしさをうまく表現できずもどかしいですが、とにかくその施設長と出会わなければ、今、自分で介護サービスを行おうなどと思いませんでした。

お客様に対するサービスのあり方、声のかけ方、クレームの対応・・・

すべてにおいて本当に素晴らしい方でした。


現場経験がなかったとしても、人柄が尊敬できる施設長がトップにいるというのはとてもうれしく、皆のやる気になるものです。

そうしたトップの元では、すばらしい職員が育っていきます。

B施設でB施設長がトップであった時は、「現場の人が足りない」なんてこと、全くありませんでしたね。

本当に素晴らしい施設でした。


施設長は現場経験がなくてもいいし、現場仕事を手伝うべきではない・・・

私は今もそう思いますが、

経営者として・・・サービス提供者として・・・大切なものは何なのか、

福祉の仕事を続けるかぎり、決して見失ってはいけないもの。

それを学び、自分のものにできたのはあの施設長のおかげです。


今、どこで何をしているのかわかりませんが、いつかあったら、感謝を伝えたいものです。
(*´∀`*)

サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。