潮風と街並みとサイクリングと⑤
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サイクリング旅三日目
この日は天気が良くなく、雨に降られながらの輪行となったため、省エネ寄稿となることをご容赦願いたい。
尾道から鞆の浦へ
3日目。前日走った約80km分の疲労が消えぬまま、鞆の浦へのライドを敢行する。
東尾道・松永の埋め立て地を通り抜け、途中食料補給もしながら、海沿いを走り抜ける。如何にも雨が降りそうなどんよりとした空の下、幻想的な浦の景色が広がる。
大きな造船所がある常石地区を抜け県道と合流すると、田島を脇目に10%ほどの勾配を登る。ヘトヘトになりながら峠を越え、濡れた路面にスリップしないよう気を付けながら勾配を下ると、そこが鞆の浦である。
鞆の浦は北前船の風待ち港として栄えた港町で、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。生憎の雨ですべての名所を廻り切れず心残りではあるが、鞆城跡にある歴史民俗資料館を見たのち街を一望できる医王寺を散策した。
境内には桜が残っていた。
医王寺の本堂よりさらに山に登ると太子殿があり、もっと俯瞰して鞆の浦を眺めることができるそう。晴れの日に再訪したいものだ。
福山方面に向かいながら、街の中を散策。
軒先にMINIクラブマンが停まっていた。シックなブラウンのメタリックカラーが街並みとよく調和している。
国産車ではMINI以上に重伝建の街並みにしっくりくる車はないかもしれないと思うほど、MINIのデザインが好きだ。
鞆の浦から福山駅へ
福山への移動中、雨が降り始めた。セブンイレブンに避難するも止む気配はない。腹を括って、レインコート代わりのウィンドブレーカーに身を包み、交通量の多い県道を北上していく。
一時間しないうちに福山駅に到着。福山は広島第二の都市であるが、初めて訪れてその街の規模に驚いた。後で調べると人口45万人を抱え、製鉄業を中心とした重工業都市であり、近隣市町村を巻き込んだ福山都市圏の中心都市である。
到着した頃には雨も上がり、駅前広場で自転車を輪行袋に収容、ココイチで昼食をとってから電車で尾道へ向かう。
福山から倉敷、水島臨海鉄道をめざして
さて、この旅初めての電車に乗る輪行である。乗車したのはコレ、岡山地区を走る115(113)系である。JR東日本管内ではすでに引退した車両が、姫路以西のJR西日本管内では元気に走っている。すでに湘南色に再塗装された編成や、最近では瀬戸内色に再塗装した編成が復刻するとかで、ぜひ撮りに行きたいものだ。
一時間ほどで倉敷に到着。
2021年3月に倉敷美観地区に一度来ているが、今回は行程の都合上、水島臨海鉄道への乗り換えで立ち寄るのみだった。
せっかくなので2021年に撮影した写真もご覧いただこう。
さて、水島臨海鉄道で水島駅に移動し、自転車を組み立てる。向かうは下津井、鷲羽山のふもとの港町である。
水島から下津井へ
雨はギリギリ降っていないが、どんよりとした曇り空。気分も爽快とはいかず、微妙なアップダウンを繰り返すバイパスを進む。下津井方面へ道を曲がり、登り坂をラストスパート!
ボーナスタイムの下り坂を爽快に駆け抜けるとそこは下津井の港町。
下津井も鞆の浦と同じく北前船の寄港地として栄えた町である。現在は漁業を基本とし、街並みや鷲羽山などの観光資源を活かしたまちづくりを行っている。
この2枚に映っている蔵は、「むかし下津井回船問屋」という歴史資料館の建物(の一部)である。行きたかったのだが、営業時間終了のお知らせが、、、
旅下手をここでも見事に発揮し、失意のもとさらに街並みを歩いてゆく。
下津井の街並みのポイントは、ほぼ真上に瀬戸大橋を望むというところであろう。レトロな街並みと1988年竣工の下津井瀬戸大橋の対比に、日本の歩んできた歴史が詰まっているともいえる。
次に来た際は、下津井の街並みと瀬戸大橋を俯瞰できるアングルを探してみたい。(おそらく、鷲羽山を上るとそういうアングルがあるであろう)
4日目に向けて
そんなこんなで児島駅に到着。
4日目は塩飽諸島→香川上陸を考えていたのだが、児島でホテルを探してみたものの、なぜか全く見つからない。仕方がないので、児島で自転車を仕舞い、特急南風で丸亀へ。駅前の東横インに泊まったのであった。
夕食は駅前の「骨付鳥 一鶴」へ。うどんに次ぐ香川の名物グルメを堪能した。
⑥へつづく
写真はすべてNikon Z 6で撮影、Adobe Lightroom Classicで現像
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