『瞬間湯沸かし器Ｔ君』

昨日の『恐怖のU君』を書いていたら

思い出した話があります。

一つ年上のU君はめっちゃヤヴァイ人でしたが
私の小学校５年のクラスにも
印象的な人がいました。
T君と言います。




Ｔ君のお父さんは
その筋の人。
御堂筋とか堺筋とかではなく
男の道を極めようとしている人。
昭和の大阪では珍しくない話。
何人かいました。




Ｔ君の友達の私たちには優しかった。
家に遊びに行くと玄関に出てきて
くれるんですが
リアル丹下段平でした。

思わず
『とっつぁん』と呼びたくなります。
左目に刀傷に見える傷があった。
ニコやかにしていても
隠しきれない迫力があった。



Ｔ君はお父さんと2人暮らしで
1日千円もらえると言ってました。
私たち小5からしたら
千円はメチャンコ大金でした。
コロコロコミックに
カールにアイスクリームを買っても
まだお釣りがありますから。




Ｔ君の家は
牛乳ではなく
コーヒー牛乳を毎日配達しもらって
いるのもよく覚えている。
羨ましかったなぁ〜




Ｔ君は
お父さんの影響を色濃く受けているのか？
いつも子分を2人引き連れて
メチャンコ短気なんです。
瞬間湯沸かし器とは彼のことだ。
普段は明るく元気なんですよ！

しかし、

0からいきなり100になって
怒り出す💢

エッ？
なんで？
ウソ〜

と思うことがよくあった。

一例をあげると

釣りに一緒に行った時のこと。
たしか武庫川駅近くだったと思う。
Ｔ君の竿やリールは最高級。
私たちの竿やリールとは雲泥の差だ。
しばらくはニコやかに話しながら
釣っていた。



ところが、
しだいに顔が険しくなり

『いっこも釣れへん！
オモロない！
オモロないんじゃ〜』

と絶叫して最高級の竿を
膝でバキッと折り
最高級のリールを全力で
川に向かって投げた。

『オーノー⁉️』

目がテンだ。


突然沸点に達してしまった。
釣りは強制終了。
無言で阪神電車に乗って帰るが
なんとも言えない気持ちだった。
これぞＴ君ワールド！



またある時は
自転車に乗って淀川に遊びに行った話。


目的地に後少しという
橋の上に差しかかった時、
Ｔ君の乗っていた三段変速の
自転車のチェーンが突然外れた。


Ｔ君の沸点が急上昇。
いきなりサドルから降りて

『このクソ自転車〜
オラッ！』

と言って
自転車をガンガンに蹴り出した。

『オーノー⁉️』

目がテンだ。


すると、Ｔ君が自転車を抱えあげたかと
思うと橋の上から自転車を川に向かって
なんとブンッと投げたんです！
高級自転車が〜

エエ〜〜ッ⁉️
ウソ〜
マジで〜

私たちは顔を見合わせて
目がテンになった。



他にもたくさん逸話があるが
ちょっと載せられないので省略します。



こんなＴ君とU君が出会ってしまい
あんなことになるなんて……
目が離せませんよ。

瞬き厳禁‼️

いったい
どうなってしまうのか〜




次回へ続く！




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