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映画に描かれてきた「お遍路」

四国にある空海(弘法大師)ゆかりの、88か所の仏教寺院を巡礼することを「お遍路」といいます。かつては命がけの行程であり、イメージ的にも暗いものでしたが、近年は観光地化が進み、車や観光バスでも回れるようになりました。

実は自分も車を使ってですが、88か所+お礼参りの高野山詣でまで経験しているのですが、そちらの話題は追々。今回は「お遍路」が登場する映画を取り上げてみたいと思います。

まずは、いきなり傑作の映画『砂の器』(1974年)から。松本清張の同名ミステリ小説を原作に、巨匠・野村芳太郎監督が壮大なスケールで映画化したヒューマン社会派サスペンス。脚本は天才・橋本忍さんと山田洋二さんが共同で執筆。

この作品における「お遍路」は、ネタバレに限りなく近づくのであれなんですが、父と息子がある事情で村を追われ、お遍路で放浪するんです。これはかつての暗いイメージの「お遍路」と言っていいでしょう。

次も傑作『獄門島』(1977年)。横溝正史さんの推理小説が原作で、何度も映像化されていますが、市川崑監督で石坂浩二さん主演の本作が、一番評価が高いと思います。

これまた暗いイメージの「お遍路」で、巡礼中に母を亡くした娘(司葉子さん)が、島一番の名家に引き取られるのですが、これが全ての事件の発端になるんですよね。『水戸黄門』で有名な東野英治郎さんは、悪役も多かったって話です。

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後に朝ドラヒロインになる村川絵梨さん主演の『ロード88 出会い路、四国へ』(2004年)や、お遍路の一つの方法「逆打ち」を、ホラー的に解釈した『死国』(1999年)もありますが、これらはスルー。

最後は、明るいイメージの「お遍路」で『釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!』(2003年)。マドンナ役が高島礼子さんということもあり、同シリーズの中でも楽しい作品に仕上がっています。


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