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映画日記『イチケイのカラス』

週一で映画館に足を運ぶ新習慣の第20弾。今回は、1月13日公開の『イチケイのカラス』。大寒波などもあり、前回見た『名探偵コナン 灰原哀物語』から2週間ほど経ってしまいました。

フジテレビドラマの劇場版。刑事裁判官が主人公という珍しい設定で、主演は竹野内豊さん。浅見理都さんの漫画原作で、脚本は『絶対零度』シリーズや『ナオミとカナコ』の浜田秀哉さん。監督はドラマ版のチーフディレクターで、劇場版『コンフィデンスマンJP』シリーズも手掛けた田中亮さん。

では、まずはドラマを見ていなかった方のためにそちらのあらすじから。

主人公・入間みちお(竹野内さん)は、高校中退で弁護士となり、その後裁判官となった異色の経歴。「前例がない」ことばかりを行う、クセもの裁判官。一方、東大法学部卒のエリート判事である坂間千鶴(黒木華さん)は、絵に描いたような冷静沈着で融通の利かない裁判官。みちおに振り回されるが、次第に「真実をつかむ」ことを深く考えるようになっていく……

ドラマ版の放送が2021年4月期。平均視聴率は12.6%。また、映画番宣も兼ねたSPドラマが、2023年1月14日に放送されています。それでは、映画版のあらすじをどうぞ。

イチケイこと東京地方裁判所第3支部第1刑事部に在籍していた、裁判官の入間みちお。2年前に岡山県瀬戸内へと異動した彼は、史上最年少防衛大臣(向井理さん)にまつわる傷害事件を担当する。一方、入間の相棒だった坂間千鶴は、裁判官の他職経験制度のもと弁護士として隣町で働き、地元企業をめぐる事件に携わっていた。

以下、ネタバレあります。

防衛大臣にまつわる傷害事件の背後にある、イージス艦と貨物船の衝突事故と、企業城下町である秋名市の中心企業「シキハマ株式会社」の工場排水による健康被害疑惑、この二つが絡み合い、最後には一つの真実に辿り着きます。

ドラマの劇場版というと、お金を払わせるだけのスケール感も大事ですから、敵役はより大きなものになりがちで、大物代議士とか、警察上層部とか、国家権力とか…。そんな予想を裏切りたかったんでしょうね。予告編映像も、明らかにミスリードのため。

重要な役どころで、『ガリレオ』シリーズ劇場版第3弾の『沈黙のパレード』にも出演していた吉田羊さんが登場します。なんだか、『沈黙のパレード』と似たオチになったなと。

主演は竹野内さんですが、登場シーンは黒木さんが多い印象。もう一人の重要人物で、人権派弁護士の月本信吾(斎藤工さん)との軽い恋愛模様もあり、喜怒哀楽全てを演じることになる黒木さんは、見ていて飽きません。

ストーリーは少々とっ散らかっていますし、余計な演出や不要・不適と思えるキャストもいて、完成度は高くはありませんが、入間の飄々としたキャラは健在ですし、黒木さんの演技は一見の価値ありですから、ドラマ視聴者は見ても損はないかなと。

冒頭、古めかしい武骨な自転車が雨に濡れるシーン。何の意味があるのだろうと思いましたが、終盤に効いてきます。

余談:兵庫県加古川市の観光大使でもある女優の上野樹里さん。上野さんの提案で、市内を巡る動画「樹里の加古川オフめぐり」がYoutubeで見られます。ほっこりして、なかなか楽しいです。

https://www.city.kakogawa.lg.jp/material/files/group/1/kouhoukakogawaR04_2.pdf


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