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1986年へ「バック・トゥ・ザ・パスト」~『不適切もほどがある!』番外編

宮藤官九郎さん×阿部サダヲさんによるドラマ『不適切にもほどがある!』。1986年と2024年が舞台の一種のタイムスリップものですが、果たして1986年はどんな時代だったのでしょう。

詳しく振り返る前に、同じクドカン作品である朝ドラ『あまちゃん』の時代設定を確認すると、天野春子(有村架純さん→小泉今日子さん)が家出して上京したのが1984年。荒巻(古田新太さん)に依頼され、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)の「影武者」となったのが1985年です。

バブル景気が始まった1986年(昭和61年)。内閣総理大臣は中曽根康弘さん。国鉄分割民営化とか、ロナルド―・レーガン米国大統領との「ロン・ヤス関係」などが記憶に残るところ。官房長官は警察庁長官出身で、「カミソリ後藤田」と呼ばれた切れ者の後藤田正晴さん。

新語・流行語大賞を見てみましょう。新語部門の金賞は「究極」、銀賞は「激辛」、銅賞は「ファミコン」。流行語部門の金賞は「新人類」、銀賞は「知的水準」、銅賞は「亭主元気で留守がいい」、大衆賞は「おニャン子」と「プッツン」でした。

オリコンによるシングル売り上げベスト20をチェック(敬称略)。1位 石井明美「CHA-CHA-CHA」、2位 中森明菜「DESIRE -情熱-」、3位 少年隊「仮面舞踏会」、4位 KUWATA BAND「BAN BAN BAN」、5位 渡辺美里「My Revolution」、6位 小林明子「恋におちて -Fall in love-」、7位 中森明菜「ジプシー・クイーン」、8位 KUWATA BAND「スキップ・ビート 」、9位 チェッカーズ「OH!! POPSTAR」、10位 河合その子「青いスタスィオン」。

11位 チェッカーズ「Song for U.S.A.」、12位 荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」、13位 新田恵利「冬のオペラグラス」、14位 国生さゆり with おニャン子クラブ「バレンタイン・キッス」、15位 KUWATA BAND「MERRY X'MAS IN SUMMER」、16位 TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」、17位 うしろゆびさされ組「バナナの涙」、18位 1986 OMEGA TRIBE「君は1000%」、19位 斉藤由貴「悲しみよこんにちは」、20位 小林旭「熱き心に」

中森明菜さんが全盛で、おニャン子勢が音楽界を席巻していたことがわかります。ちなみに、小泉今日子さんの「なんてったってアイドル」が21位。レベッカの「フレンズ」が30位です。

映画ですと、ムツゴロウ(畑正憲)さんが監督した『子猫物語』、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』、トム・クルーズさんが主演した『トップ・ガン』がこの年公開。

ドラマに目を向けると、大河ドラマが橋田橋田壽賀子さん×三田佳子さんの『いのち』、朝ドラは斉藤由貴さん主演の『はね駒』、『あぶない刑事』シリーズがスタートしたのもこの年。『男女7人夏物語』も一世を風靡。

最後に、気になるこの年の出来事をWikipediaからピックアップ。
・中野富士見中学いじめ自殺事件が起こる
・泉重千代さんが120歳で死去
・KDDが日本で初めてハッカーが侵入と発表
・男女雇用機会均等法施行
・アイドルの岡田有希子さんが飛び降り自殺
・英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日
・テレビ朝日『ミュージックステーション』が放送開始
・ビートたけしさんと弟子たちによるフライデー襲撃事件が起こる

『不適切にもほどがある!』の主人公・市郎(阿部さん)は、こんな時代に生きていた人だったんだなと、改めて再認識。

余談:気になる映画『カラオケ行こ』に関するネット記事を読んでいたら、劇中でドラマ『表参道高校合唱部!』(2015年)の第6話で歌われた坂本九さんの「心の瞳」が練習されるそうです。

この映画に合唱部の副顧問役で出演している芳根京子さんは、『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。考えられたキャスティングと、歌だったというわけですね。「心の瞳」が発表されたのが1985年。その直後、坂本九さんは日本航空123便墜落事故で亡くなりました。


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