ドラマ日記『俺の家の話』(初回)

ピークを過ぎたプロレスラーの寿一(長瀬智也さん)が、能楽の人間国宝である父(西田敏行さん)の介護のために引退。謎の女性ヘルパー・さくら(戸田恵理子さん)と介護&遺産相続を巡ってバトルを繰り広るホームドラマ『俺の家の話』が22日スタート。コメディ色薄めで、リアル寄りでした。

能楽師の家を飛び出し、プロレスラーになった寿一でしたが、父の危篤の知らせで、久しぶりに家族と再会。宗家を継ぐことを決意するのですが、持ち直して退院した父が、さくらと結婚すると宣言し…というストーリー。

冒頭、寿一の現状とこれまでの歩みについての自分語り、長めのモノローグ。プロレスや能楽に興味や知識がない人にはちょっと厳しいか、と思わせましたが、戸田さんが出てきた辺りから、一気に面白くなってきました。

親の介護と認知症、遺産相続問題に、息子(羽村仁成さん)の学習障害と住宅ローンと、誰にでも起こりうる他人事ではないリアルが、これでもかと詰め込まれ。『俺の家の話』とはそういうことかと合点。

とはいえ、それでもギリギリ重すぎずないエンターテイメント作品に仕上げてくるあたりが、脚本家・宮藤官九郎さんの手腕というべきか。家族全員で「羽衣」を謡い始めるシーンでの「呪いの儀式が始まったかと」というさくらの言葉が、今週のツボ。

西田さんの老体を晒す覚悟、戸田さんの後妻業(疑)の可愛さ。舞(江口のりこさん)の夫と息子はちょっと浮いてたかな。『タイガー&ドラゴン』の時のように、能楽ブームが起こるかどうかはわかりませんが、最後まで楽しめそうです。




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