見出し画像

ドラマ日記『天国と地獄』(初回)

警視庁捜査一課の刑事・望月彩子(綾瀬はるかさん)と、サイコパスな殺人鬼・日高陽斗(高橋一生さん)の魂が入れ替わる、ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』が17日スタート。視聴率16.8%と好発進しました。

猟奇殺人事件が発生。現場に違和感を感じた望月は、同居人・渡辺陸(柄本佑さん)の言葉をヒントに、敏腕経営者の日高に疑いの目を向け、さっそく会いに行くのですが…というストーリー。

画像1

連ドラの初回は最も重要で(第2話がその次)、ここで視聴者が逃げてしまうと、挽回するのが大変。現在の朝ドラ『おちょやん』も序盤が暗すぎて。その後は子役が好演、本役の杉咲花さんも圧倒的な演技を見せ、俄然面白くなっているにも拘らず、なかなか視聴率が上がらず。

そうした初回の重要性を踏まえて、新ドラマ『天国と地獄』を一言で評すると「わかりやすい」。刑事ものとして、まずストーリーがスムーズで、猟奇殺人から日高を追い込むまでのテンポがいい。また、各俳優も敢えて役回りらしい、明確な演技で「わかりやすい」。

演出面でも、映画『転校生』風のベタな階段落ちからの入れ替わり、視聴者へのヒントとなる効果音(チリーン、ゴキゴキ)、正体に関わる布石であろう望月&日高のクセ(指トントン、耳たぶ触)など、ドラマ好きからすれば煩いと感じるかも知れないレベルで「わかりやすい」(誉めてます)。

望月&日高のスイッチは終盤。綾瀬&高橋さんの演技はさすがでしたが、本領を発揮するのは第2話目以降でしょう。とりあえず、次回への引きとしては完璧で、大満足だった初回。今期の日曜は『麒麟がくる』→『天国と地獄』→『君と世界が終わる日に』となかなか濃密な夜になりそうです。

ところで、どんな人気脚本家でも当たり外れはあるもので(視聴率ではなく作品の質という意味で)、5割で一流、7割で超一流だと思うのですが、本作の森下佳子さんはほぼ10割バッター。TBSとNHKを主戦場にしているところも好感が持てます。

本作をきっかけに、森下過去作品を見てみるのもおすすめ。綾瀬さんと初めて組んだ『世界の中心で、愛をさけぶ』、高橋一生さんが神演技『おんな城主直虎』、本作と同じくサスペンス要素もある『だから私は推しました』。どれも傑作です。


この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,708件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?