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2020年ベストディスク 20位~11位

30位〜21位はこちらです。



20.Shore / Fleet Foxes

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92年生まれの僕らは世代的にドンピシャなFleet Foxes(1stは大学の同級生全員聞いてた)。4thは、今まで通り流麗なサウンドスケープの中で、とてもポジティブなムードに溢れた1枚。
とてもクリアな歌声も印象的だし、歌う喜びに溢れているようなボーカルが素晴らしい!

19.Caravan Chateau / Alex Izenberg

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YouTubeで1曲聞いただけで、好きだと確信した。blurのデーモンとspiritualizedのジェイソンを足して2で割ったような、もう選ばれしサイケデリック声が、穏やかなリズムの上でオルタナフォークをやっている。魅力に溢れた最高の1枚。好きに決まってるじゃないのよ。

18.Madison Tapes / Yaya Bey

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Fiona Appleの「The First Taste」のPVのような、ノワールな世界観を感じるR&B。
友達の家で飲んでいたら周りがみんな寝てしまって、好きな子と2人だけ起きていてこっそり話しているみたいな、淫靡でスモーキーな青春を追憶(妄想)できる一枚。

17.color theory / Soccer Mommy

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90年代〜00年代の、作り手に傷があればあるほどキラキラ聞こえたあの頃の音楽を思い出し、痛くなり、抱きしめたくなる、愛おしい1997年生まれのSoccer Mommy3枚目のアルバム。

16.It Is What It Is / Thundercat

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超絶技巧のグルーブに圧倒され、コミカルな切り口にクスッとし、感傷的なファルセットにうるっとする。
技巧を裏打ちする才能と努力量を崇めるのもよし、ただ踊るのもよし、少し辛い夜に聞くのもよし。

15.Teenage Fever / Kaash Paige

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去年のEP「Parked Car Convos」で注目された、19歳(!?)のR&B系女性SSW。彼女のアルバムは今年の楽しみの一つだったのですが、期待にしっかり答えてくれる出来でした。
リズムやビートありきではなく、しっかりギターとボーカルだけで通用するR&Bに魅力的なビートをつけている感じが最高。

14.Heaven To A Tortured Mind / Yves Tumor

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1曲目「Gospel For A New Century」を聞いて貰えばもう、このアルバムが今までにこの世に存在していなかった得体のしれない何かであることがわかるはず。
バンドでやれば割と普通のオルタナソングなんだが、人を食ったようなボーカル処理と、高音から低音までゴリゴリに耳を突き刺してくる音像が、
刺激と悪意に満ち溢れている。

13.Saint Cloud / Waxahatchee

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ギターと歌だけで、他の人には到底届かない世界を描いてしまう人たちがいる。裸一貫、楽器と声だけで十分だって人たちが。Ron Sexsmithや、Elliott Smith、Joni Mitchellなんかがパッと頭に浮かぶ。こういう人たちが、1本のアコースティックギター以上に自分にバチッとハマるサウンドプロダクションを手にすると、とんでもない作品が出来上がるのだ。
前作までのオルタナ直系のディストーションギターやロック風味を取り除き、歌詞と歌唱力を前面に打ち出した、穏やかで詩情あふれるこの4thアルバムで、彼女は自分がそういったソングライターの一人であると宣言した。
フォークロックのマナーを踏襲したアレンジでスモーキーな低音ボーカルを聞かせる2曲目「Can't Do Much」から、エレピと高音ボーカルで泣かせる「Fire」への流れが至高。

12.American Head / Flaming Lips

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USインディーの大御所がコロナ禍で放ったアルバムにぼくは、近年のFlaming Lipsのアルバムの中で最もバンド感と歌心を感じた。バンド感と歌心、つまり、フィジカルな「人の存在」。
これが狙いだったのか、フィジカルな人の繋がりが強制的に断絶された2020年だったからなのかは、人間の身体をライブで感じられることが当たり前な時が戻ってこないと、わからないけれど。

11.Down In The Weeds, Where The World Once Was / Bright Eyes

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Conor Oberstのソロプロジェクト、Bright Eyesの約9年ぶりのアルバムです。このアルバムについて語る前に、今年のぼくの話をさせて下さい。長いです。

今年の3月、ぼくは退職をした。仕事が辛くて、さらに同棲中の彼女とうまく行かなくなって、鬱になったからだ。
4月には退職金が入った。使い道はとっくに決めていた。夢だった、レコードプレイヤーを買うのだ。アンプ、スピーカー、レコード棚、必要なものを全部を買った。納品まで1週間かかるという。
退職金は5万ほど残り、ぼくは「あの頃」好きだった大切な大切なアルバムのレコード盤を、かたっぱしから買った。
久しぶりに一人で暮らすぼくの部屋には、毎日のように輸入盤のLPが届いた。The Cure、The Smiths、Belle And Sebastian、The Avalanches...

でも、最初に聞くレコードは、もう決めていた。

レコードプレイヤーが納品された。生まれて初めてぼくは、レコードに針を落とした。
・・・あれ?スピーカーから音が出てない!!
ボリュームを大きくしても聞こえない。接続をいろいろいじって、でも音が出なくて、やけくそでボタンをいじっていたら、Conor Oberstが爆音で語り始めた!うわあ!
慌ててボリュームを絞って、ぼくはそのまま床にへたりこんだ。Bright Eyesの2005年のアルバムのLP盤、「I'm Wide Awake, It's Morning」の1曲目、「At The Bottom Of Everything」。
語りの途中から、アコギのストロークがフェードインしてくる。

27歳にもなってぼくは、床に座ったまま泣いていた。嬉し涙であり、悔し涙だった。
何が嬉しかったのか。ストレスから解放されたこと。夢をかなえたこと。
何が悔しかったのか。一緒に住むとまで決めた女性を幸せにできなかったこと。自分の夢を、仕事の成果ではなく、「辞めて得た金」で叶えたこと。
ずっと聞こえてくるのはConor Oberstの声だ。ハスキーで、エモーショナルで、時々嗚咽のように震える声だ。

・・・さて、11位は、Bright Eyesが、約9年ぶりに出したアルバム、「Down in the Weeds, Where the World Once Was」です。
再生したら、9年前から変わらないConor Oberstの声とメロディー。もうこれ以上書くことはない。

※このページのヘッド画像は、レコードプレイヤーが届いた日に自撮りし、インスタにあげたものです。
その時かけていたレコードのジャケットが、右上に見切れていますね。

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