見出し画像

駆動型生活のススメ ~継続が苦手でもできる脱・三日坊主のコツ~

限りある時間の使い方(オリバー・バークマン)』を読んでいる。

本書は単なるタイムマネジメントの本ではない。
改めて「自分」と「時間」との関係性いついて考えるきっかけになった。
「やらなければならないこと」から「やりたいこと」を引き算してみると、好きに使える時間が案外少ないと気づく。
最近、時間が足りないと感じるタイミングが増えてきたので、その理由を考えてみる。

5段階の欲求を爆速で駆け上がる

マズローの欲求ピラミッドをご存知だろうか。

マズローの欲求ピラミッド

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」という考え方が根底にあり、人間の欲求を「生存(生理的)欲求」・「安全の欲求」・「社会的欲求」・「自我の承認欲求」・「自己実現の欲求」の5段階の階層で理論化したものです。
これは、5段階の欲求を持つ人間の、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を表現しています。

https://weport.jp/column/maslow/

簡単に言うと、

  • 生きるか死ぬか、みたいなギリギリの状況では"夢を叶えるための努力が大事!"なんて甘いこと言ってられないよね

  • 人間の行動原理で、ピラミッドの下から一つずつ欲求を叶えていったら最終的には"自己実現欲求したい"って気持ちになるよね

といった概念を指す。

この1年、ジェットコースターのようにマズローの5段階の欲求を駆け上がってきたことに気づく。
点滴に繋がれて食事・排泄・睡眠に制限がある状態からスタートした第1階層。
リハビリしながら復職し、友だちとも再会し、他者と生活をはじめた第2・第3階層。

「時間がない」と感じるタイミングが増えた要因は、欲求の段階が変わったからだろう。
最近の私は第4階層、第5階層の欲求を満たそうとしている。
駆け上がってきた階段の途中でふと後ろ振り返ってみたら、思ったより進んでいることに気づいた感じ。
5段階の欲求は、大きく「物質的欲求」と「精神的欲求」の2つに分けられる。
物質的欲求が満たされたから、より上位の精神的欲求を満たす行動が取れるようになったのだ。

三日坊主の理由

ここである問題に直面する。
自分がやりたいと思って始めたことを、続けられないのだ。
誰かに強制されたわけでもなく、他でも無い自分がやりたいと思って始めたことなのに。

これは早急に解決すべき問題である。
まずは問題を課題と捉えて、「⚪︎⚪︎」だから、「△△」にしたい、という形に置き換える。
改めて置き換えると、私の課題は『「スタートが遅い」から、「スイッチが勝手に入るように」したい』だ。
私は一度スタートすると、やめようとしてもやめられないくらい没頭する。スイッチさえ入れられればこちらの勝利だ。

課題解決における「定数」と「変数」

課題には分類がある。
定数と変数だ。

「定数」:変えられないもの。課題として取り組むのは無駄。
「変数」:変えられるもの。解決できる課題として焦点を当てる。

「元々苦手なことを克服する」のは、目標としては素晴らしいけれど、課題としては相応しくない。こういった終わりの見えないものが、定数だ。
他にも、たとえばタスクを同時並行できるようにすることや、やることのキャパを広げることなどが挙げられる。
すぐに変えられない部分に取り組んでも、目の前の課題はすぐに解決できない。
「解決できる問題にだけ焦点を当てる」ことが重要だ。

では、どの「変数」に着目し、どう変化させるか。
私は変数を、「マインドセット」と「仕組み化」と定めた。

マインドセットを変える

悪いのは私じゃない

”私は継続力がない人間だ”と思い込んでいた。
「もっと頑張る」という心掛けで課題が改善されるなら、世界から犯罪は消え、SDGsは達成され、年収は10倍になり、草木は生い茂り、吹き出物も消えるだろう。
直近で始めた音声日記は、5日で挫折した。三日坊主も回数を重ねれば様式美になる。

「絶対に達成したい“いい感じの目標”を立てさえすれば課題は解決されるはずだ」と信じていたのは、自分への期待値が高すぎたからだ。
継続力がない自分を責めても何にもならない。
他人は変えられないが、自分もそう簡単には変えられないことを私は身をもって知っている。

ここでは思い切って、上手に取り込まれていない仕組みの方を悪者だと考えてみる。 

冒頭で引用した書籍では、「自分の現実を受け入れる」ことを推奨している。

僕たちにできる最善のことは、不快感をそのまま受け入れることだ。
重要なことをやり遂げるためには、思い通りにならない現実に向き合うしかない。その事実を受け入れ、覚悟を決めるのだ。

「限られた時間の使い方」オリバー・バークマン
第6章「なぜやりたいことをやりたくないのか」

自分への期待値を下げる。できない自分を受け入れる。
性格を責めるより、よっぽど建設的である。
反省は麻薬である。自分を責めている間は、一歩も進んでいなくても、許されたような気持ちになれる。

1回継続できなくても、辞めるな

1回でもサボってしまうと、やる気をなくしてしまう人、いませんか?そう、私のことです。
1回ダメだと思っても自分に失望せず、続けてみる。
めんどくさくなってやめるのも、それをまた再開するのも、私の自由だ。何をしてもOK。私を制限するのは、私だ。

「今日はPCを開いたので100点」

「毎週1回2000時くらいのnoteを書く」「音声発信を毎日する」「1日30分は資格の勉強をする」・・・
人間はあまりにも愚かだ。何度も失敗しているにも関わらず、なぜいきなり高い目標を立ててしまうのか。

まずは行動のハードルを、自分の考えられる最低まで下げてみることをお勧めしたい。
ちょうど先日のQiita Conferenceを視聴したときに、けんすうさんも同じことを言っていた。

notionで自分のタスクを管理しているのだけれど、何時間かけてもタスクにチェックがつかない。
いつまでも終わらないタスクは、取り掛かる気力を少しずつ奪っていく。
そこで、タスクの切り分け方が大きすぎると気がついた。

でっっっっっっかいタスクの塊を、自分が取り掛かれる最小の状態に崩すことで、次のゴールが見えてくる。
「毎週1回2000時くらいのnoteを書く」という目標を、「今日はnoteのエディタに1文字書き込む」に設定してみる。
ちょっと取り掛かってみると、案外2時間くらいPCに向かえるものだ。

仕組みを作る

上記の3点を上から順番に取り組めば、やりたいことができているはずだ。

①使える時間を計算する

これまでは、なんとなくやりたい!と思ったことを衝動的に即始める癖があった。
そしてキャパを考えずに手を広げて、何もかも中途半端に投げ出してしまう。悪循環。

改めて自分の時間を計算してみると、リモート日ですら4時間しかないということに気づき愕然とした。
1週間単位でスケジュール回すと、どの辺で何をしておくか?のパズルがハマる。

もう少し細かく「考える時間」「動く時間」「見直す時間」に分割していく。
これってそのまんま仕事でやってることだなぁ。

②サボりを防止する駆動はなにか?

自分を動かす駆動はいったい何か?そのスイッチはどこにあるか?
長々と書いてしまったけれど、駆動型生活の本質はここにある。

一つ目:人との約束駆動
約束をすることで、やらざるを得ない状況を作る。この方法がすべてであり、私の必勝法だ。
現在、所属している集まりが3つある。

  • 朝活仲間の友だちグループ。

    • 週一回、その時にやりたいことをやる。最後に、来週までの宿題を宣言する。

  • 会社のもくもく会。

    • 週一回、社内で有志のもくもく会をやっている。私は仕事に役立つ資格の勉強をしている。

  • 社外のゼミ活動。

    • 同じ分野のプロの方が少人数制のゼミを開催しており、そこに所属している。週1~2回。現在、このゼミ活動に優先して取り組んでいる。

    • エンジニアには、勉強好きが多い。

宿題を宣言することで「言ったからにはやらないとなぁ」という気持ちが勝手に働く。この時点で、ある程度目的が達成されている。

二つ目:入金駆動
私は、できれば損をしたくない、デメリットを避けたいという気持ちが人よりも強い。
逃げられない状況を作るに、損をしたくないという自分の行動原理を使うとよい。
資格取得の場合は、勉強のスケジュールを立てて先に申し込みをする。これだけだ。あとは特に何かをする必要はない。
試験が近くなると、“もったいない病”患者である私が勝手に焦って勉強を始める。あとはそこで見ているだけでよい。

③「この時点でできたものを“完成品”とする

締切を設定し、「この時点でできたものを“完成品”とする」ことだ。主に創作物に活用できる。
文章を書くことが好きなのだけど、ある程度形が出来上がってからが本番だ。無限に推敲を繰り返し、本当にこれはおもしろいのか?何が面白いんだ?読者は誰だ?何のために書いてるんだ?と自問自答で気絶しかける。
締切を決めることで、潔く諦めが付く。この時点で完成したものが自分の実力なのである。

“カンパケ理論”を提唱した知り合いのnoteが面白いので、こっそり貼っておく。

結果

手法をまとめると、やっていること自体はあまりにも簡単である。

  1. 自分への期待値をどこまでも下げる

  2. 目標を小さく分割する

  3. 使える時間を計算する

  4. 己の駆動は何か?を考える

  5. カンパケ理論を適用する

唯一難しいことは、「4」の仲間を見つけることだ。
周りに仲間が見つからない場合は、ネットで適当に探しただけでも、朝活コミュニティはいろいろありそうだ。友達に声をかけるのはちょっと・・・という方は、そういうものありかも。
オンラインコミュニティの楽しさは、今はもぐら会で保証する。

できたこと

やるぞ!と決めたことを4つできた。

  • note更新

  • 友人との音声発信

  • 仕事のスキルアップの活動

  • 暮らしのアップデート

現在書いているこちらのnoteも、駆動を理解したことで投稿できている。
暮らしのアップデートで言えば、長く未着手だった「防災リュックの作成」ができた。
上手の癖を理解して、うまく飼い慣らせば意外といろんなことができた。
次は、止まっている資格取得の勉強に着手したい。

できなかったこと

仕事関連の骨太な本を読み切るのは難しかった。
達成までの期間が長く、途中でダレてしまう。
やはり、目標を細かく切ることが必要だ。本を1冊読み切るのが難しいのれあれば、「1章を読み終える」などチャンクダウンさせればよいと学んだ。

また、YouTubeのダラダラ視聴には敗北した。
ここには早急に手を入れる必要がある。時間が溶ける。

最後に

やってみて感じたことをまとめる。

  • これ以上スコープを広げるのは難しそう。万能ではない。

  • 定期的な振り返りが大事。週2回日記を書いて、月1回振り返りをしてみたらいいかんじ。

“やらなくてもいいけど、やりたいこと”の1位は、文章を書くことだった。
「心からやりたいと思っているのに、なぜやらないのか?」
「どうしたらやる気になるの?」
そうぼんやり考えていて、最近うまくいった「自分の駆動から組み立てる」方法を文章にしてみることにした。
文章に起こしたことで、「自分が考えたこと、感じたことを言葉にまとめるのが好きなんだ」と再認識できた。
もし閲覧数が増えなかったとしても、それがわかっただけでもこのnoteを書く意味があったと感じる。

この記事が参加している募集

noteのつづけ方

いま始めたいこと

with アドビ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?