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バーボンのボトルを抱いて窓辺に立っても隣のホテルの壁しか見えない

先月、にわかにワタクシの頭の中を占拠した沢田研二の「勝手にしやがれ」。ジュリー(沢田研二)の声ってまとわりつくようで媚びるようでエロカッコイイ。歌詞はどうぞこちらから。

沢田 研二 勝手にしやがれ 歌詞 https://g.co/kgs/ft9Ker

曲。



「お前」とか言うなとか、いろいろ時代が反映されてますが、「背中で聞いている」とか、詩的。

二番目の歌詞に「バーボンのボトルを抱いて 夜更けの窓に立つ」というのがあるんです。何が見えるかと言うと、別れた「お前がフラフラゆくのが見える」と。


多分貴族の一軒家みたいな感じ? ぼろアパートの二階から眺めてるのではなさそうです。このあと、「派手なレコードかけて朝までふざけ」るらしいし、壁薄いボロ屋ではなさそうです。バーボンのボトルがある家って、なんかちょっとええ感じ。


ベッドで寝たフリしてた彼は、どっかのタイミングでナイトガウンを着て、酒でも飲もかいなとバーボンのボトルを抱く。それで、窓辺に立つ。まぁまぁ時間かかってるのに、まだ「お前」は下を歩いてる。

タワマン? 45階くらいから降りてきたら、それくらい時間かかるかも。けど、この曲の時代、タワマンありません。

ちなみに僕の部屋からは隣のホテルの壁が見えます。

前置き終わり。毎度長い。

でね、酒ですわ。

この頃の歌って、やたら酒が出てくる。しかも強い酒。

「勝手にしやがれ」ではバーボン。

僕の大好きな堀江淳の「メモリーグラス」では水割り。最近逝ったあの人の弟は「ブランデーグラス」。「氷雨」は、何を飲んでるのでしょう?場末の居酒屋でやけ酒かっくらってるイメージ?

具体的には場所の設定がなくても「ワインレッドの心」とか、数えたらたくさんありそうです。実は「ワイン」で数えてみたのだけど、授業で使えそうなので学生さんにやってもらおうかしら。


こういう歌が歌ってるのって「大人の恋」なわけで、そこには酒とかバーとか、なんかそういう、ムーディーな場所が登場する。「ブランデーグラス」なんかは、そのまま「ムード歌謡」と言われるジャンルでしょう。

今の歌って、どんな恋愛を描くのだろうかと考えると、弱年齢化してる気がする。そして、バーとかラウンジとかは、大人が恋を語らう機能が弱まって、二次会でサラリーマンが騒ぐところになった? 知らんけど。

恋と酒との結びつきもなくなって、歌に酒が出てこなくなったのだと思います。

じゃあ代わりに歌われているのは何なのだろう。気になります。

酒の種類も重要でウィスキー、ブランデー、ワイン、日本酒は多いけど、焼酎とか紹興酒とか、マッコリは少なそう。

それよりもビール。ビールの歌ってあるのかなぁ。企業とタイアップとか除いて。

森高千里の「飲もう 今日はとことん盛り上がろう」(←「気分爽快」というのね)は、何飲んでるんだろう。缶チューハイとか? そんなイメージです。いつ頃の歌がどんな感じの酒をイメージさせるのか、調べてみるとおもしろそうと思いました。


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