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気が付けば目標を掲げて一週間が経過していた。

やる気が無くなってしまった

 人間にはやる気など存在しない。そんな文献をどこかで目にしたことがある。

 脳研究者が言った。

「やる気」という言葉は、「やる気」のない人間によって創作された虚構なんですよ。人間は、行動を起こすから「やる気」が出てくる生き物なんです。だから、面倒なときほどあれこれ考えずに、さっさと始めてしまえばいいんです。「やる気を出すにはどうすれば…」と考えるだけで行動しないことは、時間の無駄でしかありません。

 その通りだと思う。だが、やろうと行動する前にああだこうだと思考を巡らせている状態。それに陥ってしまった時回避することが非常に難しい。いっそ思い切って動いてしまえばどんどんできてしまうのだろうということは頭で理解している。理解こそしているものの、体は動かないのだ。やる気がないから。
 動かなきゃいけないなぁ、でも面倒くさいなぁ、あと三十分後でいいかなぁ。なんて考えてしまう。
 小生の場合それはかなり顕著で、食事もトイレもお風呂ですら、やる気が出ないと動かない。いっそ漏らしてしまう覚悟だ。妙なやる気だな。何もしないぞという確固たる決意を感じる。
 まるで人ごとのように書いたが、これは自分の事なのだ。やる気を出して行動に移さないと、掲げた目標には遠く及ばない。あと11日の間に、小生は小説を書ききる必要があるのだから。
 ところが、旅行から帰ってからしばらく、つまり今日に至るまでの間ずっと、小生は何も書かなかった。小説どころか、Twitterの更新もおろそかにし、ましてや日記のつもりで書き始めたノートですら触れていなかった。
 今手元にあるカレンダーのチェックマークは五月十一日で止まっている。その間全く何もしていなかったというわけだ。脅威である。一週間以上何もしていなかった。旅行から帰ってきて、それからずっとだ。
 旅行中確かに波乱万丈はあった。小生の精神的に耐えきれない出来事もあった。しかし、それが理由で何もしないというのは本末転倒だ。将来小説家になりたいという大きな目標が、今少しやる気が出ない程度の感情に押し流されている。
 時というのは残酷である。少し気を抜けば一気に過ぎていく。今がそうだ。たった三日間執筆を休むつもりだった。それが蓋を開けてみれば一週間だ。いやそれ以上だ。自らを拳で殴りたい気持ちである。
 だが、まだ時間は残されている。可能性がなくなったわけではない。一日一万文字書くことができるなら間に合わないわけじゃない。
 小生に残された時間は十一日。今日は無理だとすれば、あと十日だ。その間に執筆を終え、推敲し、投稿までこぎつく。それこそが使命と思え。

布団の中でしてたこと

 さて、そんなやる気のない一週間、小生はどのように過ごしていたのか。それは何とも退屈でつまらない答えだ。まるでスマートフォンを始めて買い与えられた中学生のようなことをしていた。
 スマホゲームである。
 NIKKEという、尻が揺れるゲームがある。これが一時期かなり話題になっていた。理由は、チェンソーマンとコラボしたからだ。小生はチェンソーマンのファンだ。あの作品に登場するマキマが、NIKKEというスマホゲームで尻を揺らしているという情報を掴んだ。
 当時の小生は非常にテンションが上がったよ。マキマはチェンソーマンの中でも一二を争うレベルで大好きだったから。早速遊ぼうと思いダウンロードしたが、無理だった。小生の使っている旧式のスマートフォンでは、快適なプレイどころかダウンロードすらできなかった。
 チェンソーマンコラボイベントはもう終了した。しかし、小生はこの前の旅行で新しいスマートフォンを手に入れたのだ。これは小生にとって引き金となった。
 小生は即座に端末を操作しNIKKEをダウンロードした。そして、最初のガチャを引く。
 チュートリアルを終わらせてガチャを引いて、その外れ具合を見て全てを決めようと思っていたからだ。これがよくなかった。


紅蓮
ブラン

 そう、二人も当たってしまったのだ。SSRのキャラクターが。
 小生は慌てて攻略サイトを調べた。正直に言おう。大当たりだった。評価の高い二人を同時にひいてしまった。さらに、イラストがかなりタイプだった。可愛い。
 小生はこの二人を育成することにした。少々課金しつつ、ストーリーを攻略し、親密度を上げるためプレゼントを贈る。
 そう、ハマってしまったのだ。結果的に、小生は日がな一日スマートフォンを握りしめ、小説を書くという目標をおろそかにしながら可愛い二人の少女を育てていた。
 今更ながら、何をしていたんだと自分を叱りつけたい。

 というわけで、小生は個々に宣言しようと思う。

 明日から本気出す。

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