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本の一枚 3

やっと・・・晴耕雨読。

今日は朝から雨だった。というか、しばらく雨らしい。でも、天気が雨だろうが、晴れだろうが、ここ数年の私は「晴耕雨読」というより「晴動雨動」といった感じで、ちっとも家にじっとしていないことが多かった。外の誘惑が多すぎるのだ。もしくは買い物や通院など、外に行かねばならない用事もたくさんある。

でも、今年は月に1冊ぐらいは、ちゃんと本を読もうと決めたのだ。まあ、いつこの決め事が崩れ去るかは分からないが、それに備えて読みたい本も何冊か手元に用意しているし、今から用意したい本もある。

しかし、それを始めるには、まずこの1冊から始めると決めていた。そしてまた時は急に訪れた。今日は雨。散歩はやめて、家事もろもろは朝早めに済ませた。買い物も終わっていた。おおっ、昼から時間が空くじゃないか。今日決行せずに、いつ決行するんですか。

撮った!

今回読んだのは、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘著(2009年中央公論新社出版)という本。

なぜこの本になったかというのは、今からさかのぼること、約2年半前。
同じnoterであるうわの空さんさちとピースさん、そして私と3人でリモートで話す機会があり、その時にスープカフェの夢の話をした。

その時にだったか、その前後にだったか、勧められた本が、今回読んだ『それからはスープのことばかり考えて暮らした』だったのである。勧められて割とすぐ本屋に走って買いに行ったと思う。(もう記憶があいまいなのよ・・・うわちゃんさん、さちさん、ごめん・・・)

まあ、この本を読む前から、ほぼスープのことばかり考えていて、何かやるならスープを提供できる小さな店と決めており、周りには半分以上の確率で「またまた~、そんなおかしなことを~」と言われるが、旦那は「どこで?資金は?プランは?っていうか、提供するスープは開発してるのか?」と立て続けに言われて、ぐうの音も出なかった。でも、少し時間がある今なら、それに向けて少しずつ私のペースで考えていくことができるのではなかろうかと。年明けに思い立ったのだ。

確かにそれらも大事なのは、分かっている。分かっているが、私には課題図書があるのだ。それを読んでからでは遅いかしら?遅いかもしれないけど、それを読んでからにするよ、と勝手に決めた。

スープはね。

スープカフェに出すスープは主役だと思っていた。だから、自分がいつも作るスープは具がたっぷり入って、お米やパンと張り合える料理だと思っていた。だから、いつも具を何にしよう?今の季節なら、この野菜とこの野菜と・・・などと店で野菜を買い込んでは、いろいろ試している。

実は先に出した記事はスープ開発をしようと3人で意気込んで始めたスープ記事だったが、そっとフェードアウト。でも、うわちゃんさんにも、さちさんにも、心のどこかにスープのことがあると思っている。

しかし、この本を読んで少し考えが変わった。
この本に出てくるスープに名前はない。でも、そのスープを口にした誰もが感嘆の声をあげて、心の内を語り出す。スープが飲んだ人の心をほぐしている。そう!こういうスープがいい!スープは主役じゃなくてもいいんだ。そばにそっといるだけでいいのだ。ハッとさせられた。

名前のないスープはレシピも載っている。思いがけないところに、さらっと載っている。そのレシピを繰り返し読む。読む、読む、読む・・・ああ、このスープを一度飲んでみたい。でもこれは本の中にしかない。いや、待てよ。これはレシピなのか?いや、レシピだ。スープを作る時のレシピだ。この物語を読んだ人にしか分からないレシピだ。でも、これから実際作るのスープの基礎となりそうだ。

心の中に深く深くとどめておきたいスープの物語、ご賞味あれ。


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