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わたしの叔父さん Onkel

わたしの叔父さん Onkel | 
監督: フラレ・ピーダセン
デンマーク/2019
出演:イェデ・スナゴー

会話も音楽も少なく、大半は田舎の農家の日常生活が淡々と映し出されている映画。特に前半は人によっては退屈さを感じるかもしれない。

中盤、ほんのささいな変化をきっかけに、誰かが誰かを想う気持ちが徐々にスクリーンにあふれ出てくる。

スクリーンいっぱいに不器用で切ない優しさが溢れる映画だった。

若いクリスにとって一番の道は何なのか、周りの優しい人たちは真剣考えをめぐらせる。クリスに自分の人生を生きて欲しいと、夢を叶えて欲しいと願う。

しかしクリスにとって、自分の人生や夢より叔父さんがどうしようもなく大事だったのだ。親が子を思うように、子が親を思うように、両親を亡くしたクリスは叔父さんを何より大切に思っている。

人は人生のさまざまな場面で選択と決断を繰り返す。そこで明確な答えを求めてたがるし、正しい間違いの判断や評価、分析をしたがる。しかし、大事なことは、自分の心の声に従うことだ。たとえ何かをあきらめることになっても。

家族を捨てて自分の夢をかなえるために旅立つ人もいる。
自分の夢をあきらめて、身近な大切な人のそばにい続ける人もいる。
どちらも、ベクトルは同じと思う。

選択の結果や成果だけではない、人の想いを見つめることができる人になりたいと思った。

ただただみんなに幸せになって欲しいとばかり願ってしまう映画でした。


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