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最近の記事

枯れ葉

監督・脚本:アキ・カウルスマキ 2023年/フィンランド・ドイツ合作 出演:アルマ・ポウスティ 街の空気感は寒々しい ラジオからはウクライナ情勢のニュースが流れる 問題を抱えながらも、労働者たちはつつましやかに淡々と働く 主人公は孤独だが、素敵な部屋があることに私はホッとする ギリギリの生活のなかでも男女が出会うことにやっぱりホッとする(どこが良くて惹かれあったのか謎ではある) いい年した中年男女のすれ違い方が間抜けすぎてハラハラしない 笑いは無いがおかしみのあ

    • 冬の旅

      監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 1985年/フランス 出演:サンドリーヌ・ボネール すごい映画でした。 若く美しい女性モネは、なぜ放浪を選んだのか。 あたたかいベットとおいしい食べ物ときれいな服を維持するために、私は何かを捨てているのだろうか。家族や恋人、友人、仕事を維持するために、私は何かをすり減らしているのだろうか、と考える。 彼女は「楽して生きたい」と言う。 ある人は彼女を「現実逃避」だと言う。ある人は彼女を恐れ関わりたくないと言う。ある人は彼女をうらやましい

      • わたしの叔父さん

        監督: フラレ・ピーダセン デンマーク/2019 出演:イェデ・スナゴー 会話も音楽も少なく、大半は田舎の農家の日常生活が淡々と映し出されている映画。特に前半は人によっては退屈さを感じるかもしれない。 中盤、ほんのささいな変化をきっかけに、誰かが誰かを想う気持ちが徐々にスクリーンにあふれ出てくる。 スクリーンいっぱいに不器用で切ない優しさが溢れる映画だった。 人は人生のさまざまな場面で選択と決断を繰り返す。明確な答えを求めてたがるし、正しい間違いの判断をしたがる。若い

        • 中島義道_怒る技術②

          前回の記事はこちら→中島義道_怒る技術① この本の前半では、怒りを含めた感情を切り捨てることはいかに怠惰であるか、弊害があるかが述べれれていました。 後半は、主に怒りの伝え方と受け止め方が書かれています。 怒りの伝え方以下、中島先生が推奨している怒りを効果的に伝えるためのテクニックです。 本書のなかで、中島先生の実際の「怒り」のエピソードもたくさん紹介されているのですが、中島先生は自分の怒りを相手に理解してもらうためなら手段を選びません。いえ、「理解してもらう」という

          中島義道_怒る技術①

          戦う哲学者 中島義道先生の本を読むのは5冊目です。感想が長くなったので2回に分けます。 感想というか、解説に近い内容です。 私は好きな作家の作品をどっぷり読むタイプではありません。飽きっぽくて、一貫性のない読書をしてしまいます。 なので、5冊読むというのは、かなり気にいっているのだと思います。 唯一無二の自分の『怒り』をねちっこく育てるこの「怒る技術」という本ですが、怒りをコントロールするための自己啓発本のような甘っちょろい本ではありません。 自分の怒りとそれを向ける

          中島義道_怒る技術①

          福岡伸一_生物と無生物のあいだ

          「あいだ」って何だ福岡伸一氏と川上未映子氏との対談(「六つの星星」収録)を読んで、この本に興味を持ち、購入してから、何年経ったでしょうか。 結構なベストセラーだったにも関わらず、少し読んで、中々進まないまま積読本の一冊になってしまっていました。 色んなレビューを読むと、「分かりやすい」とか「文学的表現」と評してる方々が多いにも関わらず、理科系が苦手な私にとっては、原子とか分子とか配列とかマイクロメートルとかの言葉が踊るだけで、脳が拒否してしまい、理解するのが難しい内容でした

          福岡伸一_生物と無生物のあいだ