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#小説

きみ

年下の男の子と話していると、気づいたら「きみ」と呼んでいて、いままで誰かをそんな風に呼んだことなんてなかったのに、そういえばアイデンアンドティティで麻生久美子が峯田を呼ぶ「きみ」がかわいいなあと思ったのは高校生のときで、その時は友人とその恋人と一緒に観に行って非常に気まずい思いをしたのだけれど、それはともかく、わたしもそんな年になったのねと、なんだかしみじみしたのでした。まる。
#エッセイ #コ

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粘着質

わたしは本来粘っこい性質で、でも生きる過程においてそれは人に押しつけてはいけないと学んでもいて、なので一生懸命軽やかさを意識してはいるのだけれど、そうすると自分の中にどうしても救われない部分が出てきてしまって、恋愛をすると、そこがひょっこり顔をだして、それで失敗するのである。したのである。また。しくしく。
#コラム #エッセイ #暮らし #小説

「静子の日常」井上新野著 を読んで

人生にも映画のように音楽が流れればいいのにと思う事がある。そうしたら救われるのに。

井上さんの作品はそういう意味で、音楽のない文章だ。頑張っても報われないし、期待通りにはならないし。困っていても誰も助けてなんてくれない。すれ違った気持ちは伝わらないまま。怒っても喧嘩になることもなく、なんとなく過ぎていく。悲しみや憎しみはドラマチックなものなんかじゃなくて、もっと日常的なものなのだ。

井上さんは

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