白、黄色、紫の小菊

予想していた通りだ。

2019年6月3日20時48分、
おおよそ、予想していた通りの感情になっている。

今日はバイトもなく、ライブもなく、誰に会う約束もなく、
朝から父の再入院に付き添い、お墓参りをし、修理を頼んでいたバイクを引き取り、郵便物をひとつポストに入れた。

少しだけ居眠りをし、今、おおよそ予想していた通り、

とても虚しい。

今日一番、なんとなく満たされた気持ちになったのは、
墓石に手を合わせている時だった。
美しく左右均等に供えられた白、黄色、紫の小菊。
おじいちゃんが好きだったビール、おばあちゃんが最期に飲みたがったお茶。
それらを眺めながら、とても清潔だと感じた。
線香に火をつけ、手を合わせている時間、それまで汗ばむほど強かった日差しは雲に隠れ、柔らかい風が吹いた。ロングスカートの裾が揺れるのを感じながら、この服を選んで本当に良かったと思った。

今日,
あたしが唯一自分を、美しいと感じた瞬間だった。

眠るまであと４時間程度。
やらなくちゃいけないことが沢山あることは、散らかった部屋をみればすぐわかる。
ひとつずつ、片付けましょう。