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episode3 寄り道が楽しかった件

前のエピソードはこちら。

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演劇の世界を離れ、最初に選んだ仕事は輸入ダンス用品を扱う商社での販売でした。ダンスも好きだったので、関連する仕事が楽しそうだなと思ったので。

当初はまた演劇に戻るつもりでアルバイト志望で面接。ところが社長に気に入られて、演劇に戻る可能性がある事を承知の上で社員採用されました。
結局そのまま3年弱勤めました。

プロのバレエダンサーからバレエを始めたばかりの子供まで、日本全国にお客様がいました。
この時の接客や電話応対は、劇団時代に培った対応力が活かされました。

実は劇団の師匠に才能を見込まれて可愛がってもらったのですが、その分厳しく指導もされていました。
これから上演する学校に伺う前に電話連絡をしてご挨拶、用意していただくものをお伝えしたりお願いしたり。その任務が与えられたのです。若干18歳の学校出立ての私に!その横で師匠が聞き耳を立てて、電話を切った後に「何だ今のは!」と叱られる恐怖!
嫌で嫌で仕方がなかったのですが、段々と叱られる事も減り、何も言われなくなりました。
学校に行って担当の先生にご挨拶したり、借りるもののお話をしたり。
上演して片付けが済んだ後、師匠について行き校長室へ。先生へのご挨拶と集金です。お金を数えて領収書を作成してお礼を言ってお渡しするのが私の仕事。
当時は私が劇団で最年少でした。よくやってたよなぁ私、って思います。でも本当にいい経験をさせてもらって感謝しています。

そんなこんながその先に繋がるとは思いませんでした。
なので仕事も楽しかったんだと思います。
難しいお客様のクレーム対応も、社長の代わりに書くビジネスの手紙も、難しい仕事を任されるのは嬉しかったです。

でもそこはあくまでも通過点。
当時、元夫と交際中で、将来は結婚も約束していました。
二人のというよりも自分の将来を考えた時に思ったのが、手に職をつけた方がいいのではないかという事でした。
私が小学校に上がって少し経った頃、母親が外で働き始めました。いわゆる鍵っ子になりました。
近所で勤めていたので寂しくはなかったのですが、手に職をつけて自宅で仕事ができたらいいなと、漠然と考えていたのです(当時は家で子供の帰りを待つ母親になりたかったんです)。

そこで、雑誌に載っていた通信教育に目が留まり、興味を持ったトレース技能の講座の申し込みをしました。
仕事をしながら通信教育とスクーリング講習を受けて、トレース技能を勉強し、技能検定二級(プロ級)を取得、次の仕事の下地を作ったのです。

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episode4 に続く。

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