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「少年の日の夢」【詩】

まるで静かな森のような夜を
胸いっぱいに吸いこんで
空高く膨らんだ風船のような空想が
幼いぼくを迎えにくる

ーー人間の魂は
海に囲まれた小さな島のようなもので
水に隔絶されたそれぞれは
何年かに一度やってくる
水平線の彼方まで潮がひく夜に
あの遥かな灯台の灯りしか見えなかった
互いの島々と陸つづきになる
いくつもの魂が
同じ夢をみる日が
わかりあえる日がくる……

ぼくはそんな空想の
受け皿となる自分の心を
大切にした
けれど
少年時代に待ち望んだ夢は
いつまでも夢のままで
ぼくは歳をとってゆく

まるで静かな森のような夜を
胸いっぱいに吸いこんで……

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