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『子どもとセンスよく丁寧に暮らす』

こんにちは。

私はインテリア関係の本を読むのが大好きです。

一人暮らしなので、一人暮らし向けの本を読むことが多いんですが、最近は子育て家庭向けの本にも興味が出てきました。

子どもと暮らしながら、いかに生活を快適にするか。保育室の環境を作る上で参考になることも多いんです。子どもが片付けやすい収納は、大人の精神衛生上学んで損はない項目ではないでしょうか。


今日ご紹介する本は、タイトルの通り、子どもと一緒にセンスよく丁寧に暮らすための知恵が詰まっていました。


子どもとセンスよく暮らす、折り合いのつけ方

会話から小言を少しでも減らすための小さな工夫

子どもが片付けやすい仕組み、モノ選びのルール

子どもの世界との折り合いのつけ方


折り合い。

大事だな、と肯きながら読んでいました。

子どもの価値観と大人の価値観は、合わないことが多いから、いろいろな難しさに繋がっていきます。

大人の主張を通すと、子どもにはやりにくい、好きじゃない、楽しくない。

子どもの主張を聞き過ぎると、大人にストレスがかかって小言が増える、イライラする、家庭内の空気がギスギスする。

どこで折り合いをつけるか。

子どもが幼いうちは、子どもに言葉で説明してもらうのは難しい。言わないんだから、主張がないんだろうというのはちょっと厳しい見方です。

言葉にできないうちは、大人がよく見て、汲み取ってあげる。

ちょっと手間だな、と感じるかもしれませんが、子どもに自分で片付けるようになってほしい!と思うなら、大人のひと手間が成功の秘訣だなと思いました。


子どもの目線で配置する

大人の手間になりますが、すごく大事。

こどもが自分で出したりしまったりできるように、子どもの目線で見て、取り出しやすい場所に置く。

おもちゃに限らず、絵本やクレヨンなど、子どもが使うもの全般に言えることですね。


細かく分類すべきものはとことん細かく設定して、それぞれ場所も設定しておくと、結果としてスムーズになります。

これは保育室でも同じです。

おままごとのように、使うおもちゃの種類が多い場合、すべてを同じ箱に入れてしまうとほしいものをみつけにくくなります。

探しているうちに、箱からどんどんおもちゃが出されていって……

気づいたときには、そこら中に鍋や皿、野菜や肉のおもちゃが転がっていて、大人の「かたづけないさい!」の声が響く。


そうならないよう、鍋はここ、皿はここ、野菜はここ、というように、細かく入れる箱を決めておくと、探す場所も決まってくるのでスムーズです。

字が読めないうちは、絵や写真で表示を作ります。

最初のひと手間で、その後のイライラが間違いなく軽減されます。


子どものモノは自分で決めさせる整理法

「いる」「いらない」の基準や考え方は大人が誘導し、そのあと自分で選別していく

自分でしっかりモノと「さようなら」することが成長に


これは長い目で見る覚悟で始めた方がいいかなと思いました。

子どもの性格にもよりますが、まず、自分で選別できるようになるまでに、同じことを何回か繰り返して経験する必要があります。

自分が選んだことで、どんな結果が出たか。

つまり、自分が「いらない」と決めたおもちゃが、「二度と遊べないものになる」という経験をする。

これまでおもちゃを手放す経験のない子どもに、最初から結果を想像するのはハードルが高いと思います。


なので、はじめは「いらない」と決めたものも、すぐには捨てずに見えないところに置いておく。本当に使わなければ、後で大人が捨てればいいことですし、もし「やっぱりまだ遊びたい!」となったら取り出してくればいい。

その際、「いらないと決めたら、もう遊べなくなるんだよ。次からは本当にもう遊ばないかよく考えるんだよ」と話してきかせる。

これを何回か繰り返すと、自分の決定とその結果がどう繋がるのか、理解できるようになります。


ポイントは、怒ってはいけない、ということかな。

はじめは結果がどうなるか、予測できなくて当たり前。

「いらないって言ったでしょ!」と怒られた経験は、子どもにとってネガティブな印象を植え付けてしまいます。はじめのうちは怒らない、叱らない気持ちで見守ってあげてください。


子どもが管理できる”仕組み”を作る

しまうものの絵が描かれていたり、わかりやすい文字が書かれていたり、「住所設定」がされている

子どもが分かりやすい「住所設定」を


先程もちょっと触れました。

子どもが分かるかどうか、がポイントなので、表示は字なのか、絵なのか、写真なのか、子どもに合わせて準備しないと伝わりません。


最初は手間です。

でも、しっかり子どもに合わせた設定ができると、子どもはごく当たり前に片付けをするようになります。

ひと手間かける価値があるので、保育室でもできるだけ細かく表示をつけるようにしています。写真を撮って、プリントアウトして貼るだけなので、勝手がつかめるとさくさくできるようになりますよ。


親子だからこそ

本の中では、親が持たせたいものと子どもが持ちたいもののバランスの取り方にも触れられていました。

親はシックな色合いのものを持たせたい。

子どもはカラフルなキャラクターものを持ちたい。

さあ、どうする?

実際に「どうしたらいいですか?」と質問されたこともある、なかなかの難問です。


親子だからこそ、親が一方的に決めてしまうのではなく、子どもの気持ちも取り入れてほしいなぁというのが正直なところ。

でも、なかなか難しいんだろうなと、質問されるたびに思います。


他にも、子どもの作品をどうやって保管するかなど、快適な生活を送る上での知恵がたくさん詰まった本でした。

かなりお洒落な部屋の写真が多いので、「うちはとてもこんなふうにできない……」と思われそうですが、収納の方法などが分かりやすく説明されています。

同じ部屋を作るために読むのではなく、収納の方法だけ知るために読む。

暮らしやすい生活を作るために、いかがでしょう?


『子どもとセンスよく丁寧に暮らす』 mayuko KADOKAWA


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