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新人デザイナーは「丁寧さ」よりも「早さ」を優先しよう

みなさんはデザインをするとき、早さと丁寧さ、どちらを優先しますか?

私は断然早さを優先すべきと考えます。

もちろん両立できることが望ましいですが、特にデザイナーとして駆け出しの人には両立は難しいでしょう。

自分もデザイナーとして働き始めて1年が経ちましたが、そのジレンマの中で苦労しました。

しかし、自分の今までの経験を振り返り、早い方が最終的に"早く丁寧"に仕事をするための近道だと気づき、この1年で信頼を勝ち取ることができました。

今回は、デザイナーとしてなぜ早さを優先した方がいいのか、早いとどんないいことがあるのか、自分の意見を述べたいと思います。


「丁寧→早い」は難しい

私は大学時代までサッカーとフットサルをやっており、プロの人とも試合や練習をする機会がありました。

そこで感じたのは、どのレベルでも上手く(丁寧に)プレーできる選手はたくさんいるということです。

レベルが上がっても、上手さは一部を除いてあまり変わりません。早さが圧倒的に違うのです。

早くやる、ということは単純ではありません。

サッカーやフットサルの場合、相手の状況を素早く認識し、素早くどんなプレーを選択すればいいのか判断し、素早く実行しなければいけません。

早くやろうとすると、見ただけでは気づかないより繊細で高度なスキルや判断が必要だということに気づきます。

丁寧にできた後に早くやろうとしても、今まで気づかなかった全く違う技術が求められるのです。

なので始めから早くやろうとする方が、早く丁寧にやることの近道となるのです。

これは、デザインの世界含め、どの世界でも同じだと私は思っています。

デザインが早いといい理由

では、デザインに話を戻します。
デザインの現場で作業が早いと、どんないいことがあるのでしょうか?

自分なりに整理してみた結果、主に以下の3つがあるのではないかと思いました。

  1. フィードバックをもらえる機会が増える

  2. 精神的ダメージが少ない

  3. より時間をかけるべきものに時間を使える

デザインが早いといいこと

それぞれ深掘っていきます。

①フィードバックをもらえる機会が増える

フィードバックの数=デザインの質
デザインは客観的なものなので、自分で考えるよりもなるべく多くの意見をもらった方が良いです。

作業が早いと、当然フィードバックをもらえる機会が増えます。
フィードバックからの改善のサイクルを多く回せるので、結果的に質も高まります。

フィードバックの質も上がる
デザインの現場では期限があります。ギリギリになってしまうと、
フィードバックする側にも時間がありません。もしそこで問題に気付いても、よほど大きな問題でなければ期限を優先し、細かいフィードバックを避けることも多いです。

作業が早いとフィードバックする側の時間も増え、フィードバックの質も高まる傾向があると思います。

②精神的ダメージが少ない

仕事では作り直すのが当たり前
デザインの現場では何度も破壊と創造が繰り返されます。否定をされることも、完成間近で白紙に戻ることも多いです。
そうした環境では、いちいちダメージなど受けてられません。

しかし、周りを見渡すとそうした否定に対する耐性が低いデザイナーが多いと感じます。その原因はデザイナーならではのこだわりや愛着にあるのではないかと思っています。

「愛着」と「期待」は足枷になり得る
時間をかければかけるほど、自分が作ったものへの「愛着」が湧きます。
そして、周りの反応への「期待」も膨らみます。

しかし、それらが大きいほど、うまくいかなかったときのダメージも大きくなります。基本的にうまくいかないデザインの世界を考えると、こうした愛着と期待は足枷になり得ます。

作業が早いと、そうした愛着や期待を抑えることができるので、ダメでもすぐに切り替えて改善に着手することができます。

③より時間をかけるべきものに時間を使える

より本質的な問題に着手できる
作業が早いと時間が余ります。この余った時間はボーナスタイムです。
こうした余った時間を使って、求められる以上の問題に着手することができます。

よりチャレンジングな案を考案してみたり、より本質的な課題にアプローチしたり、、

この余った時間での取り組みこそが、自分の価値を高めることができると考えています。

自分の時間が増える
時間が余れば、日々のタスク以外に、勉強や執筆、個人プロジェクトなどの長期的な成長を見据えた活動に避ける時間が増えます。
この文章を書けているのもそのおかげです笑

また、目的なくぼーっとしたり、趣味の時間に当てたり、のんびりできる時間も増えます。
のんびりできる時間を舐めてはいけません。
ニュートンだってぼーっとしてるときに万有引力を見つけたんですからね。

最後に〜早くできるようになったら〜

ここまで述べたように、早く仕事ができると、いいことがたくさんあります。

具体的に早くやるコツは別でそのうち書きたいと思いますが、気持ちの持ちようだけでも結構変わると思っています。

そして、早く丁寧に仕事ができるようになってくると、少しずつ無駄が見えてくることに気づきます。

そしたら今度は、作業を「やらない」方法を考えていけばいいのだと思います。

デザインシステムや、ワークフローのテンプレート化を通じた仕組み化だったり、流行りのChat GPTなどを使った自動化だったり、そもそもするべきタスクとしないでいいタスクを選別したり、、

早さを求めることで、より高度で本質的なスキルや判断が必要なことに気づき、成長していくのだと思います。

と、偉そうに語った自分もまだまだ未熟な新人なので、みんなでデザイン界のウサインボルト(?)を目指して頑張りましょう。


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