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【FTVA】未来のテレビ: 消費, コンテンツとテクノロジー

- Justin Lebbon (MediaTel)
RTL AdConnectのステファン・コルブルCEOとの対談を実現できて嬉しいです。ステファン、こんにちは。調子はどうですか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
ありがとう。お会いできてうれしいです、ジャスティン。

- Justin Lebbon (MediaTel)
お会いできて嬉しいです。すっかり状況が変わってしまいました。直接会うことはできないが顔を見るのは素敵です。奇妙な一年だったと思われますがそれを念頭に置いて、今日は少し数字を掘り下げて、最新のテレビやビデオの視聴動向を見てみましょう。
ステファン、あなたの調査を見たのですが、今年のビデオの総消費量(トータルビデオの消費量)の概要から始めて、そこで確認された様々な消費タイプについて掘り下げていませんか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
お招き頂き、ありがとうございます。
RTL AdConnectは「Our Total Video Effects」第27号を発行しています。多くの情報、統計、業界の有名な専門家からの貢献を持つ本誌です。2020年と2019年に見えてきたこと - 2020年は基本的にトータルビデオの消費量が非常に多いです。
まず、トータルビデオとは何か - それは私たちの概念です。私たちが発明したかはわかりませんが、少なくともそれを利用します。数年前"TV"の頭文字を少し変えて"Total Video"にしました。そして、(従来の)TVは本当にレガシーの一部。但し消費の大部分は、リニアやタイムシフトによるテレビ消費です。
そして、オンラインビデオとの組み合わせもあり、動画シェアは拡大しています。つまり、COVIDの期間は、ご想像のとおり大量に消費されているということ。動画の総消費量は過去最高を記録しました。基本的には、2019年同時期と比較して2020年は欧州5大市場平均でテレビ視聴のプラス81分でした。大きなステップアップです。一方、2020年にはBVOD(Broadcasting VOD)だけでなく、ソーシャルプラットフォームでの動画消費が約58%増加しています。

- Justin Lebbon (MediaTel)
”トータルビデオ”、最近はよく目にするようになりましたね。世界中の放送局やテック企業が、取引用語として使っていますが、特にオーディエンス・ベースのバイイングで使われている様です。幾つかのことを整理しておきましょう。明らかに多くの成長が関係していますが、ソーシャル上での成長も大きく、視聴動画全体の約40%を占めています。それはあなたのコンテンツをこれらプラットフォームで視聴可能にするためのプレッシャーになるのでしょうか? そしてそれは、行うに値するほど財政的意味はあるのでしょうか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
ソーシャルプラットフォーム上で動画消費量が大幅に増加し、大きな変化が起きていることに触れているのは正しいですね。数年前までは、主にインフルエンサーが動画を製作していました。今では、放送型のコンテンツが配信されていることに大きな魅力があることが分かります。つまり、それは2つのことを示しています。
一つは、コンテンツの力です。誤解しないでください。消費者は本当に素晴らしいコンテンツを求めています。そして、彼らが見ているように、テレビから素晴らしいコンテンツが出てきています。だから、それは素晴らしいことなのです。
2つ目は、ビジネスの視点です。今のところは、フリーマントルのような制作会社や他社からのショートビデオをソーシャルプラットフォームで宣伝するために、これらプラットフォームを利用しています。放送コンテンツについては、TVPlayやTVNowの様な自分たちで運営するプラットフォームに置くことを好んでいます。何故なら、最終的にはエコシステムであり、そこからどうやってお金を生むかが重要だからです。現時点では、ソーシャルプラットフォームでは、多くのコンテンツをプッシュするに必要な条件が整っていないと考えます。同時に、将来はデータやターゲティングだと信じています。
ですから、私たちは、サブスクリプション、登録、ユーザーが誰であるか、どの様に消費しているかを理解しようとする多くのものを配置しています。そして、それを行う最良の方法は、当社が運営するプラットフォーム上でコンテンツを提供することです。

- Justin Lebbon (MediaTel)
そうですね。プレミアムコンテンツの基盤を確立するために、彼らはあなたたちと接続していますが、財務的な価値はありませんしデータ共有も進化していません。

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
確かにそうですね。そして、データに関していうと彼らは共有することには熱心でないようです。そして、ビジネス的な視点では、ちょっと複雑な議論になっていると思います。

- Justin Lebbon (MediaTel)
私も彼らは変わらないと思います。良い指摘ですね。
次に、今回の調査では、画面の使用状況やプラットフォームの観点から、どの様なことが分かりましたか? そしてそれは地域によって異なるものなのでしょうか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
One Size Fits All(共通するメディア消費傾向)というものはないと思います。人々のメディア消費は、国によって、大陸によって、間違いなく違います。一日の視聴時間が最も低い中国と比較してみると、アメリカを含む他の国、非常に高いレベルの視聴時間を持っています。ヨーロッパもそうですが、その中でも、ヨーロッパ大陸の方が少し保守的で、特にイタリアやスペインなどのヨーロッパ南部では、総ビデオ消費量の約80~90%をライブやリニアTVが占めていて、まだそれらが主流です。一方、アングロサクソン系のイギリスやヨーロッパ北部では、より多様性が見られます。つまり、生放送のテレビは60~70%と少なく、BVODやソーシャル・プラットフォーム・ビデオの消費が多くなっています。

- Justin Lebbon (MediaTel)
市場によって本当に違いますね。そして今でも、巨大なライブビデオ視聴がある国もあると思います。国際的なビジネスなので、適応しなければならないと思います。広告マーケティングの費用を見た場合、広告市場全体では何が起きているのでしょうか?また、RTLやあなたの視点から、COVIDがヒットしてから現在に至るまで、どのように対応してきたのでしょうか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
間違いなく、3月中旬以降、少なくとも夏までCOVIDは業界全体に大打撃を与えました。広告費は大幅に減少しました。世界全体、ヨーロッパ全体で、時にはマイナス40%~50%と、大幅に減少しました。幾つかの国ではマイナス60%。テレビについては、想像の通り非常に大きな影響を与えました。通年については、マイナス10%~15%の間になると思います。つまり、夏以降、広告主は適応してきたということです。一部の広告主は危機の間も放送を続けていました。彼らは基本的に、厳しい時代であっても放送の継続は悪い賭けではないことを発見しました。そして、危機の終わりには、市場シェアを獲得するために、より良いポジションにいることができると思います。それが一つです。
一方、旅行業界の様に大打撃を受けた業界もありましたが、他方では、D2C、DIYなど、エコシステムの中で活況を呈する業界もありました。そして、間違いなく、夏の終わりから、私たちのクライアントの殆どから大きなリターンを見ています。だから、第3四半期は非常に良く今のところ、第4四半期も好調です。

- Justin Lebbon (MediaTel)
40~50%、酷い時は60%という減少のなか、マイナス5~10%まで回復したのは成功だと思いますか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
そうだと思います。数ヶ月前なら、個人的には正直、両手でサインをしていたかもしれません。
私たちはゆっくりと回復していると思いますし、クライアントもそうです。2021年は業界にとって、うまくいけば完全なリバウンドになると信じています。もちろん、それはすべてに依存しています。第3波が来るかどうか、或いはワクチンの準備が整うかどうかにかかっていますが、私はまだトンネルの先に光があると信じています。

- Justin Lebbon (MediaTel)
私もそう思います。私のビジネスや他のビジネスに興味を持っているからですが、あなたは消費者の習慣と経済データの組合せについて少し触れていました。あなたは広告、マーケティング、メディア費用の面でブランドにどんなアドバイスをしていますか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
調査を見てみました。基本的には、これまでに行われたことを振り返ってみました。そして基本的には、ブランドは危機の間もコミュニケーションを続けていることが分かりました。復興、或いは市場シェア強化に向けての課題は少ないでしょう。つまり、高いレベルの広告投資を維持することで、ブランドはより良いシェアを得られるか、或いは危機の終わりにはより高いシェアを得られる可能性が高くなるということです。それは本当に私たちが見たものです。そして、私たちはこの方法論を使っている多くのクライアントを見ました。例えば、P&Gを見てみましょう。基本的には、2020年の彼らの純利益または予想純利益を見てみると、彼らは放送を続けることを決めたので、今年は5%成長、潜在的にはそれ以上の成長をみることになるでしょう。

- Justin Lebbon (MediaTel)
危機の時にこのことについて話し合ったのを覚えています。多くのブランドにとって、それを実現するには厳しい売り込みが必要でした。そういったブランドはうまくいっていましたが、その間に多くの予算が削られてしまいました。だから、それを達成したブランドはよくやったと思います。
消費者行動のシフトと共に、ターゲティング、取引、ディストリビューションへとテレビ広告が革新するなか、放送局がフォーカスすべき主なイノベーションとは何ですか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
たくさんあります。COVIDの間にデジタルトランスフォーメーションは非常に加速されたと思います。広告型のVODプラットフォームという点で、或いはサブスクベースのVOD計画の提供という点で。しかし、広告業界では、放送事業者にとって、アドレッサブルTVは重要な領域であると考えています。 無駄な広告投資という多くの広告主のニーズへの回答になるからです。
基本的には、視聴者により良い体験を提供すること。この広告があなた専用であれば、あなたはコンテンツを見続けるでしょう。だから、基本的には好循環だと思います。
ヨーロッパのコネクティッドTVの普及率を見てみると、45%近くになっています。IPTVは成長しています。HbbTVの技術を持っていますが、グループとして、スマートクリップに多額の投資をしてきました。ですから基本的には、今日のヨーロッパでは、ドイツ、イギリス、北欧、ベネルクス、フランスでは、非常に簡単な方法で、大きなアドレサブルTVキャンペーンを行う環境があります。だから、私たちはそれが将来の放送局の発展の鍵となる分野だと考えていますし、そう信じています。

- Justin Lebbon (MediaTel)
アドレッサビリティ、データ、ターゲティングは、放送局が重点的に取り組んでいる分野です。最後に、先ほど2021年は良い年になるとおっしゃっていましたが、それは本当に期待できるのでしょうか? 広告業界が前進するための主要な課題は何ですか?

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
2つの側面があると思います。消費に関係する側面。私たちは消費者が戻ってくるようにしなければなりません。消費者は、私たちのメディアやBVOD、コンテンツを消費し続けています。ですから、私たちは高品質なコンテンツ、ブランドセーフな環境に投資し続ける必要があります。数週間前にも、このトピックについて議論しました。そして間違いなく、私たちは全てのプラットフォームでそのようなコンテンツを配信し続けたいと思っています。
2つ目の側面は、先程のアドレッサブルTVについての議論に関連しています。イノベーションに関する話です。私たちはイノベーションをもたらし続ける必要があります。ターゲティングのイノベーション。データにおけるイノベーション。クロスメディア測定におけるイノベーション。そして、重要な側面の一つは、広告業界の複雑さだと思います。ですから、ブランドセーフで質が高いコンテンツと、非常に高いKPIへのアクセスをシンプルにする何かを構築することができれば、クライアントがあなたの取り組みに満足しているかどうか確認する機会が増えると思います。

- Justin Lebbon (MediaTel)
素晴らしいまとめですね。 私は、一貫したデータセットで、ブランドセーフな環境で、複数デバイスにまたがって自動購入するという議論について、多くの革新と進歩を見ています。それは放送業界の夢であり、願望です。そして私は多くの開発者を見ています。2021年は、よりポジティブな環境で議論することを楽しみにしています、もしかしたらステファンに直接会って。忙しい中ありがとうございます。素晴らしくインサイトに富んだ議論でした。

- Stephane Coruble (RTL AdConnect)
ありがとう ジャスティン バイバイ

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