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変化する世の中でも変わらないランサーズの信念と作りたい世界

こんにちは。ランサーズ創業者で代表の秋好です。早いもので創業から14年、ランサーズが東証マザーズ(現グロース市場)に上場してから今年で3年目になります。ランサーズは上場後すぐに新型コロナウイルスのパンデミックが起きたりと、特殊な状況下になりながらも会社を運営してきて、既存のサービスをブラッシュアップしながら、新しく教育事業にも参入しました。

今回は改めてランサーズが思い描く社会と、そのために何をしているのか、今後どうしていきたいかなど、私自身が仕事を通して実現したいことについて話していきたいと思います。

“個のエンパワーメント”への思いは社会情勢や環境が変化しても変わることはない

上場して3年の節目を迎えると「上場後の心境の変化」だったり「変わりゆく社会情勢の中でランサーズはどうしていきたいのか」と尋ねられることも多いのですが、私がランサーズで実現したいことは2008年の創業当初から変わっておらず、この先も変わることはないです。

面接の場などでもよく「10年後の自分はどうなっていると思いますか?」という質問をされることがあると思うのですが、回答に困惑してしまいます。
未来なんて誰も予測できないしどうなってるか分からないという考えが根本にあるので私自身は「世界情勢がこうだからこうする!」といったことは考えていないですし、どんな情勢になっても創業当時から掲げている”個のエンパワーメント”というミッション実現のために日々仕事をしています。

オンライン上での仕事が重要視される時代に

私はフリーランスという言葉も珍しかった2008年当初から、個人が企業に属さなくても、どこにいても自分らしく働ける社会を作りたいという思いで走ってきましたが、新型コロナウイルスの影響で、日本の働き方も改革を迫られていると感じています。

コロナが流行る前はオンライン会議ツールのZoomを知っている方も少なく、リモートワークもIT企業を中心に一部企業のみでしか取り入れていませんでしたが、現在はオンライン会議をしない企業の方が少ないくらいです。政府もデジタル庁を設立するなど、この数年で日本のデジタル化が一気に課題認識されるようになりました。

とはいえ、まだまだ社会実装にはほど遠いのが現状で、いかに早く浸透していけるかが大きな課題だと感じています。特に最近はOECD諸国で日本の生産性が下から3番目になるなど、経済面でのネガティブなニュースが後を絶ちません。
この数字は人口減少によってさらに加速することが予想されるので、政府だけでなく私たち民間企業も一丸となって取り組まないといけない課題だと思います。

そういった情勢の中でランサーズに何ができるかと考えると、これまで通り副業や新しい働き方を提案しながら企業がアウトソーシングできる環境を増やしていく事。例えば、大手企業で働きながらも副業として地方の中小企業のお客様の仕事をすることが個人の生産性を上げ、労働人口を増やしていく、そんなことをやっていきたいと思っています。その一環として現在力を入れているのが、より個人が活躍していくための教育事業です。

フリーランスの悩みから始動した教育事業

ランサーズでは現在「教える人」と「学びたい人」をオンラインでマッチングするサービス『MENTA』や、最先端のデジタルスキルを学んだ後に案件を獲得できる新サービス『Lancers Digital Academy』など、教育事業の展開を進めています。
ランサーズが今教育事業に力を入れている理由は「ランサーズでスキルをリスキリングして仕事を獲得し続けてほしい」という思いからです。

フリーランス・タレント・プラットフォーム事業である『Lancers』を運営していて、多くのフリーランスの方々のお話を聞いていく中で多かったのが「相談相手がいない」という悩みでした。元々ランサーズではフリーランス同士が交流できる新しい働き方LABというコミュニティを運営していたのですが、その中でも今のスキルだけは今後も食べていけるか不安、だけど相談できる相手もいないという声を聞く中で、フリーランスの方々は会社員に比べて「学びやスキルアップを得られる場」や「相談できるメンターのような存在」が少ないことに気づきました。

一方で企業側から見ると、この先IT人材が不足していくことが明らかで、スキルのある人材の獲得が難しくなっていくことが大いに予想できます。そこでランサーズとしては新たに立ち上げた教育事業で、スキルに伸び悩んでいるフリーランスへリスキリング機会を提供することで、慢性的なIT人材不足の改善に向けたアプローチをかけていきます。

現在の『Lancers』ではユーザーが今あるスキルを活かして仕事を獲得している状況ですが、今ないスキルをランサーズ上で学ぶことでより仕事の幅を広げられる環境を作ることができたら最高だと思っています。
Shopify認定講座を受けたエンジニアのユーザーは認定を受けてから報酬が3倍に上がりました。ただのエンジニアではなく「Shopifyのスペシャリスト」として認定を受けると市場価値も大きく上がるので、フリーランスとして実感しにくいスキルアップを感じてもらえると嬉しいです。
いずれはエンジニアだけでなく営業職やカスタマーサービスといった職種の講座も作ってリスキリングの環境を広げていきたいと思っています。

『Lancers Digital Academy』で新たなスキルを身につけた後に『Lancers』で仕事を獲得する。もしくはそのスキルを活かしてキャリアチェンジをする。ランサーズと関わることでより自分らしい働き方を選択できる人が増えていく仕組みを事業の掛け合わせで作っていきたいと思っています。
目指したいのは誰もが株式会社自分を経営するような社会です。企業に属していても属していなくても、自分の仕事・働き方に責任を持ち、自分にあった生き方を選べる。
ランサーズはそんな人たちの生き方に寄り添っていくことをこれまでも、そしてこれからもやっていきたいです。

地方クライアントとの取り組みから、さらなる成長の余白を実感

上場後の3年間は、コロナ禍という経験したことのない社会情勢に見舞われたものの、ランサーズにとってはチャンスの時でもありました。コロナ禍によって大企業から中小企業まで、多くの企業が仕事をオンライン化していく中で、フリーランスと企業をオンラインでマッチングするサービスを運営していたランサーズはとても相性がよかったからです。

例えば、地方の中小企業様から、観光客が減ってしまったので「観光客向けに販売していた商品をオンラインでも売れるように、ECサイトを作りたい」というような依頼が増えました。その結果、地方の企業とフリーランスのマッチングも増え、遠方に住んでいながらも一緒に仕事ができることが認知されてきました。

ただ、これはあくまでスタートラインにすぎません。更にこれからランサーズの事業の魅力を地方へと伝えていく必要があります。特に地方ではデジタル人材が少ないため、現地で人を雇うことはかなり難しい現状です。もっと地方の企業にランサーズを知ってもらい、オンラインでプロに依頼することが当たり前になる世の中を目指していきたいと考えています。

株式も上場して、ランサーズは安定した企業になったというイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、アメリカの企業規模で見たらシリーズC、Dフェーズのスタートアップなのでまだまだこれからの会社です。
日本の労働人口6,600万人に対してランサーズだけで生計が成り立っている人はほんの一握りです。ランサーズを利用して生活できる人を5%、10%と引き上げていくには、もっとスピード感を持って挑戦していける組織にしていかなければいけません。

私はランサーズを上場=安定と感じさせないハングリー精神の高い組織にしていきたいです。ミッション・ビジョンがありながらも、私たちの事業はボランティアではないので、売上・利益にしっかりコミットしながらも社会にとって意味のあることを成し遂げる。その両輪を目指せるような人たちと共に仕事をしていきたいです。

また、デジタル化を先駆けて進んできた企業としてはより社内の生産性を底上げしていきたいです。ランサーズにはまだまだ改善できることも多く、フルリモート、フリーランスと密に仕事をしている企業でもこれだけ生産性を上げられるんだぞ!というロールモデルのような存在になれるように挑戦を続けていきます。

今後の展望としては、ユーザの報酬最大化を実現し、個人で働くことの障害を無くしていくことです。新しく取り組んでいる教育事業も、目指すところは「スキルを高めて報酬を上げる」ことですし、いずれは正社員に比べて不足しているフリーランスの社会的待遇の改善にも務めていきたいです。1人1人が自分らしい生き方・働き方を選択できる社会を目指すことは、この先もブレることなく追求していきたいですし、この考えに共感してくださる方々と共にこれからも挑戦を続けていきたいです。


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