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【夏の高校数学大講演会2023】自分の発表振り返り「共通テストの誘導について」

こんにちは、予備校講師の大北あきやです。

2023年8月20日に「夏の高校数学大講演会2023」として、主催と講演を行いました。今回はその振り返りをしたいと思います。

この記事では僕自身の発表についてのみ書こうと思います。

全体の振り返りについてはまた別の機会に書く予定です。


現在、9月23日までアーカイブ配信の販売がありますので良ければご覧ください。


講演については、「共通テストの分析と対策~誘導に注目して~」と題して共通テストの誘導の性質や乗り方の話をしました。誘導を8つのテーマに分類して言語化して認識することと対策を考えました。


1.講演テーマを決めるにあたって

何を話すかについてはとても迷いました。というのも、正直僕自身は生徒に向けて話したいことは無限にあるのですが、同業者に向けて話したいことは特にないのです。ちなみにこの講演会自体は大澤先生が乗り気だったことから、とりあえず面白そうだしやってみようという、気軽な気持ちでした。正直、僕は講演無しで主催に回るのもありかと思ったのですが、そうもいかないかなと。

それで何を話そうかと迷ってる間に、来場者の名簿がどんどん溜まっていくのですが、予想外にキャリアのある方や大物ばかりなのですね。当初の予想では講師歴1,2年の先生や将来、教育職に就きたい大学生などをターゲットにしたつもりでした。こうした来場者の傾向からもどんどん講演しづらい雰囲気になってきました。。笑

数学的な話というのはもちろん話せるのですが、ある程度キャリアのある方に有益な話となるとなかなか難しいです。そこで、僕にしか話せないテーマで話そうと思いました。

そうなったときに、網羅系など参考書の話か共通テストの話で迷ったのですが、後者にしました。その理由、1つ大きなことがあるのですが、それはいずれ明かします。笑

僕は、共通テストの問題集などはかなり多く目を通しています。また、生徒が受けている共通テストの指導についても生徒からよく聞きます。その上で、誘導に乗れないという生徒は多いのに、それに対する指導というのは見たことなかったからです。また、オリジナルの共通テスト問題についても、実際の共通テストの傾向と乖離したものが多く、生徒が解いていて時間の無駄になっていることもあります。そのような問題意識は以前から持っていて、僕にしか話せないテーマなのではないかと思いました。かなり攻めた意欲的なテーマのつもりです。内容にはそれなりに自信があったのですが、多くの人に伝わるかどうかはそんなに自信がなかったです。

2.講演するにあたって

内容の大まかなことは元々頭にはあったのですが、講演という機会自体、いつぶりなのでしょう。学部の卒論発表の時以来でしょうか。いや、そう思ったのですが、正確には教職を取ったときに、なんかの授業で発表してました。とはいえ、10年以上前です。スライドの作成の仕方など何もかもが手探りでした。

ネットで「講演で気を付けること」など、色々調べたりしました。笑
そんな中で本番で、形式面で意識したことが3つあります。

①配布資料を作らない


これについては、賛否あると思います。ただ、しっかり講演を聞いてもらえず、配布資料ばかり見てしまう、また、話す先のほうまで見られてしまうなどのリスクから避けました。後からでも配れよという意見はあると思いますが、こちらは準備的に大変でした。

②ハードルを下げない


「実は講演やるのほぼ初めてで・・・」「大したことは話さないのですが・・・」などなど、ついつい言ってしまいそうでした。ただ、お客様はお金を払って見に来てくださっているのです。授業に例えるなら、「授業初めてで役に立たないと思いますが・・・」なんて言われたら生徒は聴く気が失せるだけです。なので正直、全く自信はなかったのですが、講演のプロのような気持ちで臨みました。笑

③発表練習をしない


①と②はネットを参考にしたのですが、③はそうではありません。むしろ、ネットには発表練習は必ずしろと書いてありました。笑
僕は講演の経験は全くないですが、授業に関してはそれなりに場数を踏んでいます。そこで意識していることが、問題を解くこと以上の予習はしないということです。授業構成を考えたり、板書ノートを作ったりということは絶対しないようにしています。なぜかというと、それをやってしまうと、こちらが授業を楽しめなくなり、生徒の反応を見ながらアドリブで授業を構成するということが出来なくなるからです。
これについては賛否両論どころか否定的な意見しかこなそうですが・・・大切なことは、「普段通りやろう」、ということです。

前日

前日は大澤先生に軽くスライドの内容を見てもらったのですが、ものすごくダメ出しをされました。笑
お忙しいなか、お時間を割いてくれて感謝しかないです。ただ、そんなに納得できない部分が多かったので、大澤先生の意見はほぼ踏まえず、当初の内容とあまり変えませんでした。笑

3.公演当日

1人目ということ、司会もやっていたということもあって、あまり緊張しなかったです。とはいえ、後から見返してみると、結構緊張しているように見えますね。。来ていただいた方のほうを見ながら喋ることを心がけました。カンペも作りませんでした。まぁ、初めてにしては上手く話せたのではないかと思っています。ただ、「えーっと」などが多かったですね。これは反省すべきですが、他の講演者もそうだったのでそんなものでしょう。笑


4.講演後の反応

講演会ではアンケートを取ったので、そちらからいくつか抜粋させていただきます。正直テーマとしては、少しニッチというかマニアックなものだったので否定的な意見が多いだろうと思いました。そもそも数学の話ではないので興味のない人が半数以上かなと。なので、少しでも好意的な意見があればいいなーと思っていたのですが、予想に反して好意的な意見が多かったです。まぁ、こういうアンケートはそんなに悪いことは書かれないものなのですが。笑

アンケートの内容(基本的に原文ママ)

①誘導をテーマに8つに分類、言語化されていて非常にわかりやすく、今までここまで細分化、言語化したことがなかったので、これから参考にしようと思いました。

共テ対策として共テ対策の予想問題etcを大量に解かせるのは悪手と納得できました。誘導の類型化、実効性のある共テ対策法を考えていきたいと思いました。

生徒がどこでつまずき得るか、言語化がされていて腑におちる部分が多かった。「目の前の生徒を・・・」というのはとても共感できます。

センターの頃から、自分でも漠然と抱いていたコツを明確に言語化されていて大変勉強になりました。4年後意識して指導しようと思います。

共通テスト向けの指導にとても参考になる話が多かったです。

⑥思い返せば解説の際して、「誘導があるのでこれを利用して~」のように漠然としか誘導を捉えておりませんでした。対策についてより明瞭に考えて活かしたいと思います。

⑦誘導に関しては意識的に行っていたのは「接続詞」のみだったので、新鮮で面白かった。

分類が明瞭でした。結局、構造的に見る力をどうつけさせるかが大切であるとわかりました。

⑨「共通テストの誘導」についての解像度が上がりました。

⑩誘導に乗るということを細かく分析して言語化したことがなかったので新鮮に感じました。当たり前にできてしまうからこそ、言語化が難しいと思いました。

受験生として参考になった。誘導を意識しようと思う。

共通テストに対する自分への後ろ向きな姿勢を改め、8コの観点でもう一度捉えてみたいと思いました。

⑬共通テストはひたすら慣れ、練習だと考えていました。指導者がもう少し共通テストのことを理解していく必要があると感じました。

かなり解像度の高い分析で驚きました。

⑮分類が分かりやすく、作問にもとても役立つ内容でした。

あまり焦点を当てたことのない話題だったので、とても参考になりました。

国語的な視点の重要性に気付かせていただきました。

誘導の乗り方をおしえるという視点がなかったのでいい気付きになりました。

私も、誘導の乗り方を指導していたので、非常に参考になった。先生の話を参考に受験指導にあたりたい。

⑳普段から私も国語力の重要性は説いているところですが、もっと突っ込んだ類型化がなされていてありがたかったです。

※全て紹介しきれないので一部です。9割以上は良い意見だったのですが、そうでないものも積極的に以下に紹介いたします。

㉑「誘導の乗り方」というフレーズに危険性があるかもしれないと思ってしまいました。「発想力」とか「本質」というようなフレーズに似て、下位層の生徒を空回りさせるというか。内容は同意できるものばかりでした。

㉒パターンの数は8つからもっと絞って3~4くらいにしたほうが良いと思う。それくらいにできると思いました。

㉓言語化するというのは痛切に感じるところです。ただ、中下位層にこの指導ができるかどうか。また数学としての指導とは別の視点、方法が必要だと思います。

「問題の見せ方」と「問題の構成」の話を分けたほうがよかったように思います。意欲的なテーマでした。

アンケートへの僕からの回答

㉑ご意見ありがとうございます。これは少しはっとさせられる話ではありました。たしかに大げさなタイトルは考え物ですよね。とはいえ、これが直ちにそれに該当するかは微妙なところな気も。参考に考えさせていただきます。

㉒ご意見ありがとうございます。おっしゃるとおり、減らすことは可能です。ただ、問題を見たとき8個の中から迷うというわけではなく、そのうちいくつかは明らかに別に見わけがつくものです。ここでは抽象化よりもより細分化することが重要だと考えました。もちろん、指導の際に少なくアレンジしていただくことは良いと思います。

㉓ご意見ありがとうございます。これはテクニックや裏技のような魔法のようなものではありません。もちろん、ある程度の数学力があっての話です。とはいえ、共通テストで60点くらいを目指す層から有効な話だと思います。実際に共通テストを受験で使うほぼすべての層に有効な話だと思っています。

㉔ご意見ありがとうございます。おっしゃりたいことがあまりよくわかっていない部分もあるのですが、じっくり考えてみたいと思います。

その他

講演中の質疑応答で「なぜ、大北先生はこのようなことを考えるようになったのか」的なものがありました。

そのときの回答が少しズレていたように思うので改めて回答させていただきます。

目の前の生徒の成績を上げたいというのはもちろんですが、僕が数学科でなく、大学へ繋がるものかどうかをあまり重視していないというのもあるかもしれません。受験数学で学ぶことは問題解決能力が大きいように思います。その上で、ゲームと似ている側面があり、僕はそのように受験数学を捉えています。なので、常に数学的であろうがそうでなかろうが、受験数学というものをどう攻略するかという視点を持ち続けています。これは目の前の生徒の成績を上げるということとも繋がります。

また、懇親会などでは、多くの方に発表について褒めていただき、中には共通テスト対策についてもっと話したいという方もいました。とてもありがたいことです。

5.まとめ

僕なんて大したキャリアもないので、講演なんて分不相応だと思っていました。では、一体いつになったら講演できる実力がつくのでしょう。それが明確に分かっていない以上、挑戦する機会があればどんなことでも積極的に挑戦していきたいと思いました。今回の講演者には僕より若い方は20代の方もいたのですから。

これからも新しいことへの挑戦は続けていきます。怠惰で不勉強な人間でnoteの更新すらままならない状況です。何か生徒のお手本になれることと言えば、その一点かなと思います。

やって失うものより、やらずに得られないものを考えましょう。

最後にはなりますが、講演会を一緒に主催してくださった大澤先生、講演者の方々、バイトとして手伝ってくださった方々、来場者のみなさんに感謝です。本当にありがとうございました。

9/23まで動画配信がありますので良ければご覧ください。








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