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まだ東京で削られるの?北限の茶処で待ってます。

昨日から、村上市には本格的に
雪が降り始めました。
ここ2週間以上はほぼ、鉛色の空。


桜が咲き乱れる4月16日に引っ越してきて、
今日で8ヶ月が終わります。


冬タイヤ履いてても、
ドライブはしたくないから
この際、料理上手になろうかな、

と、一瞬思ったけれど

いやいや、ライティングでしょ

と、もう一人の私が突っ込む。


こちらこそ、ありがとうなんです。


こんな言葉を、何人もの方から
この8ヶ月いただきました。

「移住してきてくれてありがとう」


それもそのはず、
人口流出がとまらない5万人都市、村上。

全国の高齢化率が28.4%のところ、
村上市は36.9%。

都心住まいに慣れていたから、
ここに来て、
常に町が寂しい感覚はあります。


選択肢が少ないこともあって

  • 娯楽は、自然

  • 図書館の本少ないから、Kindle愛用

  • 近くに歩いて食べに行ける店ないから、ほぼ自炊

生活はヘルシーに変わってきたのですが
世界が小さくなってきたなぁ…とも
感じている、今日この頃。


このまま町も私も廃れていくのは
イヤだ!


村上を
なんとかしねばね!
(なんとかしないといけない)


ということで、
私のようなアラフォーシングルに向けて
「村上、1回行ってみたいかも」って
思ってもらえるような
エッセイにチャレンジしてみました。


村上茶と非日常の空間を、提供してます


鮭・酒・人情(なさけ)のまち、
新潟県の最北・最東端、村上市は
もう雪が降り始めました。

都会はもう、イルミネーションが
街を彩る季節になりましたね。

もう、東京タワーは
クリスマス仕様になりましたか?

私が村上に来るきっかけになったのも
ちょうど1年前の今頃でした。


その頃は、海が目の前に見える
湘南の端っこに住んでいたけど

通勤片道2時間、
お金にならない企画ばかり、
このままパッとしないまま終わるのかなぁ…


なんて思っていた時に

「うち手伝いに来ない?」と
20年来の友人に誘われたんです。

その「うち」がある場所は、

鮭が戻ってくる自然豊かな川があり、

日本屈指の透明度を誇る海岸線、

日本海に沈む夕日の絶景をのぞむ
100年以上の歴史を持つ温泉街。


567以降、田舎移住は
知り合いもやってたし、

自然が身近にあることは、
ドンピシャだし、
迷いはほとんどなかったです。


引越しの日。

上越新幹線の終着駅、新潟駅から
特急いなほ号へ乗り換え。

新潟市の中心から離れると
眼前には一面の田んぼ、
大きな夕日が私の顔照らしているのが
窓越しに見えて、

田舎に引っ越すんだ…

と、ちょっとだけ不安に
なったことを思い出します。


…移住後8ヶ月。
やっぱり大変なこともある。


でもそんな時でも、明日もがんばろう!
って心がふわっと軽く、元気になれる
場所があります。

大人女子に教えたいお店です。


『茶館きっかわ嘉門亭』

家の当主自らがお茶を入れてもてなす、
「亭主の茶」の風習のある村上。

きっかわ嘉門亭では、
日常的な静けさを味わうことをコンセプトに、
村上茶をいただくことができます。


お店のお話をする前に、
ちょっとだけ「村上茶」の説明を。

村上は「北限のお茶」とも呼ばれていて
商業的な茶産地の北限となります。


村上のお茶栽培は、
400年くらい歴史があって
創業200年を超える
伝統あるお茶屋さんも残っています。


そんな老舗をよそに、
鮭を料理・加工販売する老舗の
「きっかわ」が手がける御茶サロン。

なにやら、都会の大手広告代理店で
バリバリ働いていた後継者が、
鮭事業とは別で始めたのだとか。


村上に馴染むように
設計されているのだけれど、
なんか別格感がある、このカフェ。

お店に入った瞬間に目に入る
1点、1点丁寧に置かれた茶器からも
大切に扱われているのがわかる。


夏はビーサンで来たらダメな店だな…
茶館にリスペクトを。

もう、入口に入った時から
演出は始まっていただんだと
今になってわかる。


さらに奥に入ると、
レトロモダンなテーブルとチェア、
その上には、シャンデリアが!?


サロンの外に広がる、
こだわりのお庭の話をよそに

私は、太陽の光を反射して
キラキラと優しく光る
シャンデリアに釘付けでした。


きっかわ嘉門亭が、他のお茶屋さんと
一線を画している大きな理由は
「お茶の体験」。


1時間かけて、お茶を四煎までいただき
その間に、お茶菓子をいただきます。


2煎目以降は「出がらし」なんて言いません。
嘉門亭のお茶は、最後まで
味の違いを楽しむことができます。

でも、味の違いを言葉で
うまく表現できない、
残念な私の舌センサー。


3煎目がよかったかなぁ…
こんなレベル。

まだまだ洗練された
大人じゃないなぁ、私。

そして、やってきました!

脇役なはずなんだけれど、
時間に彩りを加えてくれるのが
宝石みたいなお茶菓子。

チーズやドライトマト、いちじくといった
ディテールにもこだわりを感じさせる。


日本茶と合うのかな…

恐る恐る食べてみる。


おいしい。

でも正直、こんなお菓子は
ワインと食べたかったな。


気づいたら、あっという間に、
1時間が過ぎていきました。


洋テイスト x 日本茶

コンセプトの新しい掛け算を
見せてもらいました。 



村上に来てから、
寝てるか仕事しているかの
毎日だったから、

お茶と向き合うことによって
ごちゃごちゃしたノイズを
止められる場所、見つけた。


去年の冬の私のように、
どん詰まり感を感じている人へ


ちょっと足を田舎へ
伸ばしてみてほしい。

まだまだ都会で削られるつもり?

高層ビルや電車の往来から離れて
自分のために入れてるお茶を求め、
自分のために味わう時間くらい、
あってもいんじゃない?

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