見出し画像

「月ノ光とわたしの頬」(詩)

月の光りが香る
眠りかけた私のまぶたに
明るい黄色が
ふわりふわりと 落ちて 撫でる
遊びに誘ってくれて ありがとう
私の指は くたくたで冷たい
どうか しっかり握っていて
人間っておかしいの
か弱くて つかれやすくて 図太いよ
こんなに明るいのに ちっともあたたかくない
月の光りに ちょっと似ている
ベッドの底で 会いましょう
または
広々とした天幕の向こう側で
まぶたを忘れた姿で 向き合いましょう
あしたが 風で捲れ上がるまで
たちまちの秘密のなかに隠れて
輝く月のにおいを
わたしの頬は 今 透かしているのです

この記事が参加している募集

#スキしてみて

527,181件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?