桜や春の印象を象った詩
春がもう終わろうとしているような気がして、
最近詩をよく書いているので、
ここへの一日一編では出すころには
(書いている順番に大体出しているから)
夏間近になるのでは、、、
と思い、
今回7編の詩を出すことにしました。
よければ、どれが好きだったか教えて下さると喜びます。
「桜」
桜が
声を出す
他のたくさんの小さくて
大らかで いろあざやかな
花たちの声につられて
そのうちにソリストの顔を出すけれど
はじまりはいつも そっけないほど静けさに溶けている
桜が
声をふるうまで あともう少し
「さくらのその」
あわいのあいま
あわのように
たつなみの
いろあざやかの
あまいこと
あわいのあすに
にげるよわいきんぎょ
あげるしぶきの
こまやかに
謳われるそのえみのなか
「それでも春風は」
小さなひかり
小さなほほえみ
のこされたひとの手に
そっと吹きよせる
小さなぬくみ
小さな導火線を
ゆったりとつつみこむ
もう閉じることを諦めた唇から 息は
小さな日々
小さなひとみ
どうすることもできない
どこまでも灰塵は散る
それでも春風が
細い首を撫でていった
「春が怖い」
あなたは春じゃない
だから 春が逝くことは
怖くはなかった
あなたがささやかな風だから
焦がれる春の思い出の灯火が
私はとても怖い
春は見送りをさせない
あまりに期待を残さず
消えていく
そんなものが怖いわけでは
なかった
「櫻」
心臓をひらいて
何か証明となるのなら
幾度開いてもいい
私の死や死様が
何かの説得として鳴るのなら
たった一度を振り絞るだろう
たった一度の
このさくら
散ることまでの蕾よ
それが語る様々に
私のなにひとつも勝りはしない
けれども咲き誇り散ったあとも
生きる同じもので
私は私を与えられるはずだ
「恋文」
罅割れた青は
過ぎた春への恋文の一端
盛り上がる白紙が
どう吐く言葉でも切り刻むようで
恋情を薄めようとしていたけれど
それでもいつまでも
赤く咲かせられる
ような生々しい痛み
まるで帰り道だけを浴びせかけられたような絶望に
恋は立ち尽くす
「あなたと見た桜」
同じ桜を
あなたと見た
その事実の
ありのままが
うれしくて
うれしくて
だからいつの桜も
こんなに目に眩しくて
もう何篇か書き足して、春だけで詩集つくろうかな、、、
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